夏、愛犬と一緒に海を走り回る姿に憧れをいだく飼い主さんも多いのではないでしょうか。
もちろん愛犬と一緒に海に行くことは可能ですが、マナーや注意点があることを忘れてはいませんか?
身勝手な行動は、他の方の迷惑になるだけでなく、トラブルや愛犬を危険な目に合わせてしまう場合もあります。
この記事では、愛犬と一緒に楽しく安全に海水浴に行くための注意点を解説します。
犬が遊泳可能か事前に確認する
海水浴場によっては、ペット禁止の場所もあります。
ペット同伴可能な海水浴場であっても、犬を入れても良い時期や時間帯が定められている場所、リードで必ず繋ぐことを義務づけている場所など、条件もさまざまです。
愛犬を連れて行く前に、海水浴場の条件を下調べして、必ずルールを守りましょう。
海水浴場には、小さなお子様や犬を苦手とする方もいることを忘れてはいけません。
また、海水浴客の多い昼間は避け、午前中や夕方などに連れて行くとトラブルを減らせます。
夏休みの時期や休日は小さなお子様も多いため、そういった時期を避けるというのも一つの方法です。
ライフジャケットは必ず着用
犬といえば犬かきが上手で泳ぎが得意というイメージがありませんか?
確かに犬は泳ぎが得意ですが、そんな犬でも溺れてしまうことがあります。
海は波があり、高波や引き潮によって溺れてしまうことがあるのです。
愛犬が溺れたり流されてしまわないために、犬用のライフジャケットの着用や、ロングリードを装着しましょう。
足が届かないような場所でなくても突然の高波などに備え、装着しておくと安心です。
海でも要注意!熱中症は命に関わる
「海に入るから暑さが軽減するだろう」と考えるのは非常に危険です。
熱中症は時に命に関わることもあるので、とにかく早期発見、早期対策が重要です。
初期症状としては「ハッハッ」と浅い呼吸をしたり、ボーっとしたりすることです。
特にはしゃいだりしていないのに、浅い呼吸が止まらない場合には、熱中症にかかっている可能性があります。
症状が進行すると、おう吐や下痢、意識障害などが見られ、重症化すると尿が出ない、血尿などが現れます。
熱中症を軽度に抑えるためには、時間との勝負になります。
愛犬が熱中症かなと思ったら、脇や太ももなど太い血管が通っている場所を冷やし、動物病院を受診するようにしてください。
熱中症・火傷から犬を守るための対策
夏場の強い直射日光を長時間浴びたり、高い気温の中に長時間いたりすると、犬も熱中症にかかる危険があります。
温度は地面に近いほうが高くるため、私たちよりも体高の低い犬は、より気温の中にいます。
また、直射日光を浴びた砂は非常に熱くなっていて、肉球を火傷してしまう危険性もありますし、短毛種やサマーカットをした犬は、体も日焼けをしてしまいます。
対策としては、以下のような方法があります。
・日差しの強い時間帯は避ける
・犬用の靴を履かせる
・犬用の日焼け止めをぬる
・木陰など涼しい場所を用意する
このようにグッズを使用したりや時間帯、場所などを選ぶなどして、熱中症や火傷を回避しましょう。
毒を持つ生物に注意
海にはゴミや漂流物が多く落ちており、先が尖ったものなどは肉球を傷つけてしまうことがあります。
割れた貝殻などにも注意が必要です。
また、海辺の生き物を誤って踏んでしまった際、刺されたり噛まれたりすることもあります。
患部の腫れや麻痺などの症状が現れたり、中には刺されることで命に関わる危険な生物もいますので、付近に危険な生き物やものが落ちていないか念入りに確認しましょう。
海での誤飲・誤食
海には犬が誤飲・誤食すると危険なものがたくさんあります。
ここでは、犬にとって危険なものを紹介します。
犬に海水を飲ませない
海水は知っての通り、塩分が多くしょっぱいですよね。
塩分の過剰摂取が犬にとって良くないということは知っている方も多いでしょう。
犬は海の水を塩水だと認識していないため、喉が渇いた際通常の水だと勘違いして飲んでしまうこともあります。
塩分を過剰に摂ると、腎臓や心臓に大きな負担がかかります。
また、海水を飲むと胃に炎症が起こり、下痢を起こす場合もあります。
暑い場所で下痢を起こすことは、脱水症や熱中症のリスクが高まり危険です。
犬が下痢を起こしたり、様子がおかしかったりした場合には、海水浴を中止し、酷いようであれば動物病院を受診してください。
その日のうちに症状が出なくても、海水を飲んだ場合、2~3日は様子を見ましょう。
ゴミや食べ残しに注意する
海水浴場には食べ残しやゴミが落ちていることも珍しくありません。
このゴミや食べ残しの誤食に注意が必要です。
中には犬にとって毒性のあるものや、熱い日差しによって腐っているものも存在します。
また、焼き鳥などに使用する串は、飲み込むと食道や胃を傷つけてしまう危険性もあります。
他にも、海辺に生息する生き物を興味本位で食べてしまうこともあります。
海辺の生き物は、毒を持っているものも生息しています。
毒は種類によって下痢や嘔吐、痙攣や麻痺など、さまざまな症状が現れます。
飼い主さんは愛犬の拾い食いにくれぐれも注意しましょう。
海水浴から帰ったら
海水浴から帰宅したら、まず愛犬の体から海水を良く洗い流しましょう。
シャンプーを使用して、しっかりと海水を洗い流します。
その際、皮膚に炎症や腫れ、湿疹、傷などがないかよく観察しましょう。
その後はしっかりと体を乾かし、食欲や元気はあるかなど健康チェックをしてゆっくり休ませてあげましょう。
また、暑い日でも海水に長時間浸かっていると、低体温になる場合があります。
体の震えがとまらないようであれば、毛布などで温めながら動物病院を受診しましょう。
犬との海水浴の注意点|まとめ
愛犬と海水浴に行くには、飼い主さんはほかの方の迷惑にならないようマナーを守り、愛犬に危険がないよう気を配ることが大切です。
愛犬と一緒に海水浴場に行く際の注意点や対策は、以下の通りです。
・海水浴場のルールを守る(犬同伴可能かなど)
・ライフジャケットやロングリードを装着する
・熱中症や火傷、ケガに注意する
・海水や食べカスなどの誤飲・誤食に注意する
・愛犬の体調を常に観察する
また、海水浴後は、2~3日後に健康に異常が現れるものもあるため、当日以外にも健康状態を観察することが大切です。