眠そうな犬

犬にイボ・できもの、これって病気?治療法や原因についてご紹介

愛犬を撫でている時に気づく【イボ】や【できもの】。良性の場合問題は有りませんが、悪性腫瘍の場合早急な手術が必要になります。イボができる原因や治療法、また再発しないための予防法をご紹介。

愛犬との大事なスキンシップの時間に、手に違和感…。

毛を描き分けて見ると突然イボやできものが出来ていると不安になってしまいますし、犬は大丈夫か、どうすればいいのかと考えてしまいます。

でも一度落ち着いて、イボやできものができた原因を考え、早めの対処が必要です。
もし、悪性腫瘍の場合早期治療や手術が必要となるケースもあります。

イボやできものは再発しやすいというのも欠点なので、治療法と共に予防方法もご紹介していきます。

(あくまで参考とし、医療に関する判断は必ず専門の医師の判断を仰ぐようにしてください。)

愛犬にできたイボやできものの見分け方

犬のイボやできものの原因と対処法

イボやできものと思わしきものを発見した際にはまず、イボの状態を確認する必要があります。

イボやできものの原因によって、色や大きさ、触り心地に違いがあるので、先ずは観察する事が必要です。

目視で確認して、良性か悪性かを見分けることもできます。

病院へ行くと、デキモノから細胞を摂取し、細胞診を行い悪性か良性かを見極めます。

腫瘍科診療の進め方は、まずこのしこりに対しての検査として細胞診を行います。
細胞診とは、細い針を用いて、しこりの一部の細胞を採取します。
その細胞を顕微鏡で見て、腫瘍なのか、腫瘍ではないのか、腫瘍であった場合、何の種類の腫瘍なのかを予測します。

出典:目黒動物病院 目黒動物医療センター

良性の場合は白・黄色・赤

皮膚をかき分け、イボ・できものを目視し、色を確認してみましょう。

イボの色が白・黄色・赤の場合は良性である場合がほとんどですので、深く心配する必要はありません。

良性のイボができる原因はおもに、パピローマウイルスというウイルス感染が原因となっており、ガン等重篤な症状に陥ることはありません。

触り心地は柔らかく、基本的に大きくなることは有りません。

悪性の場合は紫・黒・赤黒

逆に、悪性の場合イボの色は紫・黒・赤黒とみてすぐわかるような色をしている事がほとんどです。

このような色になっている場合、大きさ問わず悪性腫瘍やガンの可能性が高いため、気づき次第すぐに動物病院へ連れて行き適切な治療法を行う必要があります。

良性のイボと比べると触感は固く、悪化すると大きくなっていきます。

大きすぎるイボやできものは悪性の可能性も?

先ほど、白・黄色・赤の場合には、良性腫瘍の場合が高いといいましたが、大きすぎるイボやできものは悪性の可能性があります。

触っても犬が痛がらない、気にしていない様子であっても、大きくなっていると感じたり、治る気配が無い場合には念のため病院に行き、治療してもらいましょう。

良性のイボが何度も再発する、イボやできものがなかなか治らないという場合には、一度食事療法などで、わんちゃんの体調を整えてあげるのも効果的です。

イボやできもの、もしかして癌?

犬の死因トップでもある、ガンの症状はイボやできものができ、広がっていくというものがあります。

つまり、イボを見つけた時に、適切な処理をせず放置してしまえば愛犬の健康を奪ってしまう恐れがあるという事です。

良性腫瘍の場合であれば、自然治癒や経過観察で問題ありませんが、悪性腫瘍の場合は早期治療が必要になってきます。

ただし、気づくのが早く、早期治療ができれば回復を見込めることもあります。

適切な治療で回復も見込める!

人間よりも体の小さなわんちゃんにガンが発症すると、急速に成長し、転移が早いとされています。

ガン細胞が成長するにつれて、栄養を奪い、どんどん弱ってしまうため、毎日のスキンシップでイボやできものに気を使い、また半年~年に1度の健康診断に欠かさず行くようにしましょう。

成長とともにがんは大きくなるため、周りの正常な臓器を圧迫し、その機能を妨げます。
更に進行すると、全身に転移してしまい、多臓器不全やその他さまざまな合併症を起こし、動物を死に至らしめることもある怖い病気です。しかし、人と同様に獣医療も急速に進歩しており、現在それぞれのがんに対して効果的な治療法が確立されてきています。

出典:新座動物総合医療センター

動物の医療態勢が進み、現在では早期発見の悪性腫瘍であれば手術を行って完治を目指すことができるようになりました。

自然治癒が見込める良性イボについて

犬のイボやできものの対処法

良性イボやできものの場合、自然治癒が見込めるので、それほど心配する必要はありませんが、心配なのには違いありませんよね。

ここからは、良性イボの原因や、病院に行くべきイボの見分け方についてご紹介していきます。

良性イボができる原因

良性のイボやできものの主な原因はウイルス感染によるもので、免疫力が低くなっているのが原因とされています。

免疫力がまだ安定していない子犬や、低下し始めた老犬、また風邪や病気を患っているわんちゃんがなりやすい傾向にあります。

また、成犬であっても、シャンプーのし過ぎで皮脂が少なくなった場合や、食事が合わず栄養不により皮膚の状態が悪いのが原因とされています。

良性イボでも人間に感染する…?

良性イボはウイルス感染と言った通り、感染する可能性のあるものです。

多頭飼いしている場合は、イボが治癒するまで隔離する必要があります。

また、人間に感染する場合もあるので、触診後はしっかり手を洗ったり、幼児や高齢の方からは距離を置く等の対処方法が必要です。

良性イボやできものの対処方法

良性の場合、病院に行かずともご家庭で出来るケア方法で経過を見ることも可能です。

ただし、イボやできものが痒くて掻いてしまったり、爪を引っ掛けて出血や二次感染の恐れもあります。

悪化させないためにも、包帯でカバーする・エリザベスカラーを巻くと言った対処法が必要な場合もあります。

毎日、大きくなっていないか、悪化していないか経過を見ることも大切です。
万が一大きくなってきた、変色した等変化があれば早い段階で動物病院へ行きましょう。

できものやイボができた時に考えられる病気

イボやできものの症状や触感、できる場所などから考えられる病気があります。

できものができた場所から見極めてみましょう。

  • 毛包腫瘍
  • 脂肪腫
  • 乳頭腫
  • 黒色腫、メラノーマ
  • 基底細胞腫瘍
  • 肥満細胞腫
  • 扁平上皮癌

毛包腫瘍【良性・悪性】

中齢期以降の犬に見られるできものの原因である毛包腫瘍は、毛包上皮腫とも呼ばれる腫瘍です。

首や背中をはじめ、胸部や尻尾等様々なところにでき、触感はコブのように固く、同時に脱毛の症状がみられる事が特徴的です。

良性にも悪性にもどちらにもなる可能性がある腫瘍ですが、切除手術により完治が可能です。

脂肪種【良性】

その名の通り、脂肪が腫瘍になってしまう病気です。

腹部・胸部・内股や脇の下など、いわゆるたるんだ部分にできるのが特徴で、触るとブヨブヨと柔らかいです。

老犬やメス犬、肥満体型の犬やレトリバー種になりやすいとされています。

良性の腫瘍の中では珍しく少しずつ大きくなっていきますが、命に関わるものではありませんが、行動が制限されてしまったり犬自身気になる場合があります。

治療方法は切除手術ですが、再発しやすいため、腫瘍の周辺を切除し予防再発を防止をします。

乳頭腫【悪性の可能性あり】

目元や瞼、また口腔内に出来るイボやできものを乳頭腫と言います。

特徴として、カリフラワー状でピンク色とされています。

ピンク色なので、良性のことがほとんどでパピローマウイルスの感染によって発症します。

ただし、悪化すると扁平上皮癌という悪性腫瘍になる場合もあるので、動物病院で診断することをお勧めします。

基本的には自然治癒ですが、場合によっては手術でイボを取り除く治療法が使用されます。

黒色腫/メラノーマ【悪性】

皮膚組織にでき、発症することで皮膚が褐色もしくは黒く変色するため黒色腫もしくはメラノーマと呼ばれ、肌の黒い犬や、老犬、オス犬が発症しやすいとされています。

被毛の生えている皮膚に出来るイボやできものの場合良性がほとんどですが、指や口腔・眼球にできた場合悪性の可能性が高いです。

悪性の場合、肺に転移することが多く、痛みや呼吸困難と言った症状が現れます。

治療方法は、手術や放射線、抗がん剤治療がよういられ、最悪の場合骨ごと・眼球ごと摘出する危険な状態です。

基底細胞腫瘍【良性が多い】

基底部と呼ばれる表皮の下層にできる腫瘍を基底細胞腫瘍と言います。
6歳以上の犬に発症しやすい傾向があります。

皮膚の様々な所に発症し、ドーム状の脱毛が見られるのが特徴的です。

ほとんどの場合良性で転移も少ないですが、悪性の場合【基底細胞がん】というガンになる可能性もあるため、手術により摘出する治療法が用いられます。

肥満細胞腫【悪性】

皮膚腫瘍の約20%を占めるという悪性腫瘍である肥満細胞腫は内蔵型と皮膚型の二種類に分けられます。

内臓型の場合、骨髄や脾臓、肝臓やリンパ、肺や腸といった様々な場所に発生し、元気がなくなる・食欲低下・下痢と言った様々な症状を併発します。

皮膚型の場合はそういった症状が無く、胃腸障害が起こることがあります。

手術によって患部を切除する治療方法が主になりますが、切除が不可能な場合、放射線や抗がん剤を使用して治療を行います。

扁平上皮癌【悪性】

皮膚の最表部を締める扁平上皮細胞が癌化し、イボやできものができる病気を扁平上皮癌と言います。

ガンの中でも発症しやすく、10歳~12歳の老犬や、被毛が白い犬の発症リスクが高いとされています。

赤く硬いシコリが出来ていたり、カルフラワー上のしこりが出来ている場合は疑うようにしましょう。

また、四肢やお腹、陰嚢などの皮膚がただれ潰瘍ができることもあります。

初期症状であれば、切除手術を行いますが、進行していたり、老犬の場合には化学療法や薬物療法・放射線照射等の治療方法が行われます。

悪性のイボやできもの対策や治療法とは?

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悪性、もしくは悪性の疑いがあるイボができた場合は決して飼い主一人でケアしようとするのではなく動物病院などの専門機関にすぐに連れていき適切な処置を受けましょう。

早期発見が一番の近道となりますので、毎日のスキンシップやブラッシングで愛犬の違和感に気づけるようにしましょう。

イボやできものができた場合には、動物病院で適切な治療を受ける他、食生活の見直しやお肌のケアがとても重要です。

イボやできものと言った腫瘍の治療を行っているわんちゃんや、再発予防に最適な方法を最後にご紹介します。

保湿・肌のマッサージ

ビタミンEの摂取や食生活の見直し以外にも犬の肌の保湿ケアやマッサージしてあげることもイボやできものの対策として効果的です。

肌の乾燥や血流が悪くなると良性・悪性問わずイボが発生しやすい体になってしまいます。

特に小型犬や高齢の犬はもともと自分自身で体温調整することが難しく、少しの気温の変化や季節の変わり目などにはイボやできものができやすいと言われています。

そのため犬専用の保湿液を塗ったり定期的にマッサージしてあげましょう。マッサージなどで常に犬の肌に触れることによってイボの早期発見や早期治療にもつながります。

ビタミンEの摂取・食生活見直し

イボやできものを未然に防ぐための対策として最も効果的な手段はビタミンEを摂取することや食生活を見直すことです。

イボは免疫力の低下することによって発生しやすくなるため、免疫力を高める効果があるビタミンEを含むイワシ、かぼちゃ、ほうれん草、大豆などの食品やサプリメントを摂取することでイボの発生を最小限に抑えられます。

また、日頃からの食生活も重要で肥満の原因になりやすい乳製品やカロリーの高いペットプード、また人間の食べ物などを餌付けすることは極力控えたほうが良いでしょう。

愛犬にイボやできものができる原因や対策とは?まとめ

今回は愛犬にイボやできものができる主な原因や対策法について紹介しました。イボができるほとんどの原因は子犬や高齢の犬の免疫力が関係しています。

良性の場合は自然治癒することがほとんどのためそのまま放置していても大丈夫ですが、悪性の場合は更なる感染症を引き起こしたり命に関わるリスクもあるため、すぐに専門機関で診てもらいましょう。

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