犬のしっぽは決して飾りとして付いているわけではなく重要な役割があります。
確かに犬がしっぽを振っている様子は大変可愛らしいですが、犬自身にとっては日常生活をする上で欠かせない機能があり、またしっぽの振り方や位置によってその時の気持ちや心理を示しています。
人間の言葉が分からないため、飼い主はしっぽに現れる犬の気持ちや心理をしっかり読み取り、正しい接し方をすることによって今まで以上にお互いに良い関係が築けるかもしれません。
意外と知らない犬のしっぽの機能とは?
そもそも犬のしっぽは何のためについているのでしょうか。
犬のしっぽはただの飾りではなく日常生活をする上で欠かせい身体のパーツであるため無闇に触ることは控えましょう。
そこでまず、意外と知らない犬のしっぽの機能について3つ紹介します。
機能1:身体のバランスをとる
1つ目の犬のしっぽの機能は身体のバランスをとることです。
身体のバランスや平衡感覚を保つために犬のしっぽには先端まで神経が通っており、上下左右あらゆる角度に調節することができます。
普通に歩いている時、外でおもいっきり走り回る時などに上手くしっぽを動かすことによって身体のバランスを取っています。
また、急に方向転換する際や足場の悪いところを歩く時、また水中で泳ぐ時にもしっぽを使って身体の重心を支えることによっていわば舵取りの役割もあります。
機能2:体温を調節する
中型犬や大型犬など、比較的長いしっぽを持っている種類の犬はしっぽを使って体温調節をします。
特に一日を通して気温が低くなる冬場には横たわって眠る際にしっぽを丸めてその温もりで暖を取ろうとします。
また、しっぽの先端を鼻や口に覆うことによって冷たい空気が直接身体に入ることを防止し体温を維持しようとします。
犬種によっても異なりますが、犬は一般的に寒さに弱く体温調節をすることが苦手な動物であるため、冬場におけるしっぽの役割とは非常に重要なものなのです。
機能3:自分自身を病気や敵から守る
犬だけに限らずしっぽのついているほとんどの動物は自分自身を病気や敵から守るためにしっぽを使います。
通常、4足歩行の動物にとって身体の構造上しっぽの近くには排泄器官がついています。
しかし、そこから発せられる臭いによってハエや寄生虫などが集りばい菌が侵入することであらゆる感染症などの病気にかかりやすくなります。
それを防ぐために近くによってきたハエをしっぽで追い払ったり陰部をしっぽで覆うことによって寄生虫やばい菌の侵入を防いでいます。
また、大きな敵に遭遇した際にもしっぽを動かすことで相手を威嚇し自分自身を守るという重要な機能もあります。
機能4:コミュニケーションを取る
犬は言葉が話せない代わりに顔の表情や耳、そしてしっぽの動きによって人間や他の動物とコミュニケーションを取ろうとします。
特にしっぽは犬の感情や心理が顕著に表れる重要なパーツであり、しっぽの動かし方や位置、また状態によって犬の気持ちを理解することできます。
飼い主と犬とが良い関係を築きコミュニケーションを日頃から取るためにもそれらの意味についてしっかり理解する必要があります。
しっぽから読み取る犬の心理
犬のしっぽには以上で紹介した主に4つの重要な機能があります。
特にコミュニケーションの手段としての機能は犬にとっても飼い主にとっても非常に重要になります。
そこで、しっぽの状態や動きから読み取ることのできる犬の心理状態について解説していきます。
しっぽを振っている時の犬の心理
しっぽを比較的高い位置で振っている、動かしている時は、犬は喜びや幸せなど比較的ポジティブな心理状態にあります。
例えば、大好きな散歩に行く準備をしている時、好物のお菓子がもらえた時など自分自身に何か良いことが起こった時やワクワクしている時にしっぽを大きく振ります。
飼い主がスキンシップを取った際にこのような行動をするのであれば、飼い主に対してしっかり信頼を置いている、お互いに絆があるという証拠です。
一方、比較的低めの位置でしっぽを振っている時は逆に不安や警戒などネガティブな感情を抱いています。
その際に無理に手を出したりすると攻撃してくることもあるため十分注意する必要があります。
しっぽが上がっている時の犬の心理
犬がしっぽを上の方向にピンっとあげている時は興奮状態にあることが多いです。
興奮状態と言っても良い興奮と悪い興奮があります。
例えば、散歩中に何か興味のあるものを見つけた際、これから何か楽しいことが起こる予感がする際、またトラウマを思い出した際、敵に遭遇した際にも興奮状態になります。
飼い主さんはそれらをしっかり見極め、犬の精神状態に悪い興奮であると判断出来る場合は早急に対処する必要があります。
しっぽが下がっている時の犬の心理
しっぽの位置というのは犬が今感じている感情をそのまま反映しているといっても良いでしょう。
そのため、しっぽが普段より下に位置し垂れ下がっている時は犬の気持ちもそれだけ落ち込んでいます。
例えば長時間のお留守番によって不安感や孤独感を感じている際、また、かなり強めのストレスを感じている際もしっぽの位置でそれらを示します。
しっぽがいつより低いと感じたら積極的にコミュニケーションやスキンシップを取ることで愛犬が抱えている不安を取り除いてあげましょう。
また、常にしっぽが下に垂れ下がり嬉しそうな時でもしっぽが動かない、上がらない場合はしっぽそのものや身体のどこかに病気や異変がある場合もあるのですぐに動物病院に連れていき診てもらいましょう。
犬のしっぽの役割やしっぽから読み取る心理まとめ
今回は意外と知らない犬のしっぽの役割やしっぽの状態から読み取る心理状態について紹介しました。
犬のしっぽには歩行する際にバランスを保つ、寒さから身を守る、敵や病気から身を守る、そしてコニュニケーションを取るという日常生活に欠かせない機能があります。
特にコミュニケーション手段としてのしっぽの役割は飼い主がしっかり犬の気持ちを判断し対処するためにも特に重要となるため、日頃からしっぽの動きや位置に注意し接してあげましょう。