人間にとっても病院は決して楽しい場所ではありませんよね。
犬も同じで病院に連れて行こうとするとそれを察知して嫌がる、怖がるといった行動を示す場合があります。
しかし、病院嫌いをそのままにしておくと犬の健康的な生活にも支障をきたすため、飼い主さんはその克服法についてしっかり理解しておく必要があります。
病院嫌いによるリスクとは?
それではまず、愛犬の病院嫌いによって起こるリスクについて考えていきましょう。
最も重大なリスクはズバリ、ケガや大病を患った際にスムーズに処置を受けることが難しいということです。
特に散歩や運動中に体を痛めたりケガを負った際には早急な処置が必要となる場合があります。
しかし、愛犬が病院に行くことを怖がる、嫌がるといった行動を示すと処置が遅れて悪化する可能性もあります。
また、外傷ではなく癌や心臓病などの病気を患っている際、見た目からはそれらの判断がしづらく定期的に病院で診察してもらわないと発見が遅れ最悪の場合命に関わります。
これらのリスクが生じる前に愛犬の病院嫌いについてしっかり向き合う必要があるのです。
愛犬が病院を嫌がる、怖がる・・・その理由とは?
そもそもなぜ犬は病院に行くことを嫌がるのでしょうか。
その主な3つの理由について見ていきましょう。
理由その1:嫌な経験がある
病院を嫌がる理由として多くの犬に当てはまるのが、過去に病院で何か嫌な思いや痛い思いをした経験があるということです。
大抵の犬は一度目の病院では嫌がる、怖がるといった行動は取らず二度目以降から病院嫌いになる傾向にあります。
その際に初めて経験する手術や施術で嫌な思いをした、痛みを感じたという経験を犬はいつまでも覚えています。
そのため、病院=痛い、怖いというネガティブな記憶として定着してしまい病院に行こうとするとその時の記憶がフラッシュバックすることによって病院を拒むようになるのです。
理由その2:施術の不安感や緊張感
大きな手術でなく、軽い診察の場合であっても犬はその際の不安感や緊張感というものに非常に敏感になってしまします。
人間にとっては見慣れている聴診器などの医療器具、また知らない人間に体を触られるという緊張感によって病院嫌いになるケースもあります。
また、たいてい施術中や手術中は犬は飼い主から離れ一人ぼっちになることが多いため、その際に犬は飼い主に置いていかれてしまったと言うような不安感を感じてしまいます。
つまり、「痛い」といった身体的な苦痛だけでなく精神的に何かストレスを抱えるような経験のある犬も病院嫌いになりやすいです。
理由その3:病院独自の雰囲気や匂いが苦手
私達人間にも当てはまりますが、病院と聞くと何か重々しい独特な雰囲気や医薬品の匂いなどによって親近感が湧かない場所であるというイメージがありますね。
実際に診察や手術を受ける前でもこのような独自の雰囲気や環境に怯えてしまし病院嫌いになる犬も少なくありません。
また、動物病院には他のペットの動物やその飼い主が集まります。
そのため、特に人前に出ることに慣れていない犬、臆病な性格をしている犬にとってはたとえ診察を受ける前のちょっとした待ち時間でもその居心地の悪い空気に飲まれてしまい病院が嫌いになってしまうのです。
病院嫌いを克服するための方法とは?
以上の3つが愛犬の病院嫌いの主な理由になります。
しかし、いくら病院が嫌いだからといってケガや病気を患った際、緊急の際には病院に連れて行かなければなりません。
そこで病院嫌いを直し少しでもスムーズに病院での処置を受けるための克服法についてご紹介します。
克服法1:動物病院に慣れさせる
病院嫌いを克服するための方法として、愛犬を動物病院に慣れさせるということが最も効果的です。
慣れさせると言っても無理やり病院に愛犬を連れて行くのではなく、定期検診やちょっとした健康診断を受ける頻度を少しずつ増やすことによって、犬は病院の環境や診察に徐々に抵抗しなくなります。
できるだけ毎回同じ病院に連れて行くことで恐怖心を取り除けるだけでなく、定期検診や健康診断を受けることによって病気を防ぐことにもつながるため一石二鳥です。
克服法2:滞在時間をなるべく短くする
病院嫌いを克服、改善させるためには病院での愛犬の過ごし方というのも重要になってきます。
特に注意したいのが診察を受ける前の待ち時間です。
予約時間よりずっと前に病院に来て愛犬に長時間その空間に滞在させてしまうとそれだけ精神的な負担も増えてしまいます。
対処法としては、なるべく待合い時間を減らすために病院に行く時間を考える、混雑していない日を選んで予約するなどの工夫をすることによって愛犬の病院嫌いを改善することができます。
克服法3:帰宅したらご褒美をあげる
先程も少し触れましたが、犬が病院嫌いになってしまうのは「病院に行くこと」を「痛みや恐怖を受ける経験をする」というネガティブな連想をする場合があるからです。
そのため、根本的に病院嫌いを克服させるためには病院に行くことを何か楽しい印象に繋げられるように接してあげましょう。
病院での施術による痛みや精神的苦痛そのものは取り除くことはできませんが、帰宅した後に大好きなお菓子を上げる、たくさん褒めてあげるなど、飼い主がご褒美を上げるなどして優しく接してあげることができれば病院に行くことを比較的ポジティブなイメージにつなげることができ、病院嫌いを克服することができます。
愛犬の病院嫌いによるリスクや克服法まとめ
今回は愛犬の病院嫌いによるリスクや病院を嫌がる理由、またその克服法について紹介しました。
もちろんすべての犬が病院嫌いであるというわけではありませんが、過去に嫌な思いをしたことがある、慣れない環境で他人と接することが苦手などのいくつかの理由によって犬は病院に行くことを拒んでしまう場合があります。
しかし、ケガや体調の変化、また未然に病気を防ぐためにも動物病院の通院は必要不可欠なことであるため、愛犬を動物に慣れさせる、滞在時間を工夫する、また帰宅後にたくさん褒めてあげるなどの克服法を是非実践してください。