皆さんは愛犬の毛のケアやお手入れを日頃からどのように行っているでしょうか。
しっかりやっているつもりでもやり方が間違っている、不十分であることもあり得ます。
特に短毛種のお手入れに関しては皮膚疾患による様々な病気にかかるリスクも高まることからより慎重に行う必要があるのです。
短毛種でもお手入れって必要?
短毛種とは、文字通り毛の短い品種のことを指します。
細かい決まりはありませんが、被毛の長さが2~3cm程度というのが一般的のようです。
短毛種は長毛種と比べ比較的抜毛も少なく、お手入れが楽なイメージがありますが、シャンプーやブラッシングなどを怠ることで皮膚疾患等を引き起こしてしまう可能性があります。
どういった疾患が考えられるのか、学んでいきましょう。
犬がかかりやすい皮膚疾患の症例や対処法
犬の皮膚疾患には実に様々な症例があり、中には長毛種・短毛種問わず発症のリスクのあるものもあります。
そこでまず、犬がかかりやすい皮膚疾患の主な症例や症状、対処法についてご説明してまいります。
症例1:アレルギー性皮膚炎
アレルギー性皮膚炎は人間の皮膚疾患であると思われがちですが、犬にも発症のリスクは十分にあります。
アレルゲンという原因物質を体内に取り入れた際に免疫機能が反応することで皮膚炎を起こす皮膚疾患です。
主にドックフードに含まれる大豆、牛肉や鶏肉、卵や魚などのタンパク質を食べることでアレルギー症状が出やすくなります。
それらの食品が含まれていないドックフードを選ぶことによって発症のリスクはある程度抑えられますが、着色料などの添加物によって発症する可能性もあるため、十分注意が必要です。
症例2:アトピー性皮膚
アトピー性皮膚炎も犬の皮膚疾患として起こりやすい症例の一つです。
空気中にあるアレルギー物質を吸い込むことによって発症する病気で、全身にかゆみを伴い自分自身で身体を掻くことによって悪化させてしまう恐れがあります。
アトピー性皮膚炎は遺伝的な原因が大きく関わっていると言われていますが具体的な原因ははっきりしていないため予防は難しいです。
愛犬が痒そうな様子を見せたり、身体をこすりつけたりしている場合はすぐに病院に連れていき、軟膏やステロイドを処方してもらいましょう。
症例3:真菌性皮膚炎
真菌性皮膚炎とは、犬の毛皮にもともと潜伏している真菌とよばれるカビが原因で引き起こす皮膚炎で全身に湿疹やかゆみなどの症状が現れます。
通常時は皮膚のバリア機能によってカビによる感染を抑えているのですが体調不良の際に免疫力が落ちることによってバリア機能が機能しなくなりカビに感染してしまいます。
真菌性皮膚炎の予防法として日頃から毛のお手入れをすることによってカビを付着させないことも重要ですが、食事や運動によって免疫力そのものを高めることも必要になります。
症例4:脂漏症
マラセチア皮膚炎とも呼ばれる脂漏症は、犬の体内に潜伏しているマラセチアという菌の活動が何らかの原因で活発化した際に起こる皮膚炎です。
脂漏症の症状は文字通り皮膚から大量の皮脂が分泌されることによって毛皮がべとつく、フケやかゆみが出るといった皮膚の異常が現れます。
脂漏症になった際の対処法として最も効果的な方法が犬用のシャンプーをして皮脂油をしっかり洗い流して毛皮をきれいな状態に保つことです。
脂漏症は食生活が原因で発症する可能性もあるため、いつも与えてるドックフードやおやつに関しても十分気をつける必要があります。
症例5:膿皮症
膿皮症は犬の皮膚に潜伏している「ブドウ菌」が大量発生することによって起きる皮膚炎です。
初期段階では膿を含んだ小さなぶつぶつや発疹が身体のあちこちに現れ、症状が悪化してくると発疹の数や大きさが徐々に変化してきます。
膿皮症が発症した際にそのままにしておくと発疹箇所から膿が漏れ悪臭を放つ、皮膚に穴が開くといった症状があらわれるため、犬の皮膚疾患の中では一番恐ろしい皮膚炎です。
治療法としては病院から処方してもらった抗生剤を飲ませるか殺菌作用の強いシャンプーを使い毛皮を清潔に保ちつつ保湿もしっかり行いましょう。
短毛種を飼う際に気をつけたい毛のケアやお手入れの仕方
以上の5つが犬の身体に起きる皮膚疾患の症例となります。
これらの皮膚疾患は犬種問わず起きますが特に毛が短い短毛種は皮膚に細菌が入りやすいためそれだけ発症のリスクも高まります。
そこで、短毛種を飼う際に気をつけたい毛のケアやお手入れの方法についてご紹介します。
短毛種は抜け毛のケアが重要!
短毛種は抜け毛がしにくいという印象をお持ちの方もいると思います。
確かにトイプードルなど丸まった毛皮をしている犬種は抜け毛をしにくいですが、一方で抜け毛をしやすい犬種もいるためケアが必要となります。
同じ短毛種であってシングルコートとダブルコートの犬種がいるため、ブラッシングをする際には毛質にあった専用のブラシを選ぶ必要があります。
特に換毛期の時期には抜け毛や古い毛が身体に付着しているとそこから細菌やばい菌が繁殖し皮膚疾患にかかりやすくなります。
そのため、散歩から帰宅した際など日頃からしっかり毛のお手入れをしてあげましょう。
食事や運動で免疫力アップ
皮膚疾患を予防するためにはブラッシングなどをして直接毛のお手入れをすることも重要ですが、細菌やばい菌を繁殖、感染させないための身体を作るためには免疫力を上げることも必要になってきます。
免疫力を上げるためには単純なことですが、健康的な生活や適度な運動がマストです。
そのため、肥満気味であったり運動不足の場合も今一度食生活を改め、積極的に外へ連れ出し運動させてあげましょう。
短毛種はシャンプーの仕方に注意しよう
膿皮症や脂漏症などの予防法としてシャンプーをすることが効果的であると先程紹介しましたが、短毛種の犬をシャンプーする際には注意が必要です。
例えば力を入れてゴシゴシ洗う、強い成分が入ったシャンプーで洗うと皮膚そのものを傷つけてしまいその傷口から細菌が入りやすくなってしまいます。
そのため、シャンプーをする際にはまず愛犬にあった石鹸を選び、毛並みに沿って優しく洗ってあげましょう。
シャンプーをして洗い流す際には石鹸液の洗い残しはないかを確認し、しっかり保湿してあげることも大切です。
毛が短い犬の毛のお手入れ方法は?まとめ
今回は犬がかかりやすい様々な皮膚疾患の症例や短毛種の毛のお手入れ方法について詳しく紹介しました。
皮膚疾患の中には遺伝子的な原因で発症するものもあるため完全に予防することは難しいです。
しかし、発症のリスクを少しでも抑えるためには日頃から愛犬の毛のお手入れや免疫力を高めることが必要不可欠になります。