こっちを見る猫

猫の起源を学ぼう。犬と猫の祖先は元々同じだった?驚きの事実が判明

猫は犬と祖先が同じだったということをご存知ですか?猫の祖先について、人間と猫がどのようにして関わりを持つようになったのかなど猫の歴史に関することを徹底調査します!飼い主さんは必見です。

猫には壮大な進化を経て現在の猫がいます。

猫の起源を知ったら、友達に豆知識として教えたくなるような事ばかりです。これで猫に詳しくなって猫マスターになりましょう!

犬と猫の祖先って元々同じだった?

野生の猫

実は、犬と猫は元々の祖先が一緒なのです。どのように種別が分かれていったのか詳しく説明していきます。

犬と猫の祖先・ミアキス

遥か昔、約6500万年から4800万年前の新生代第三紀の初期、ミアキスという最古の哺乳類がいました。このミアキスが犬や猫の祖先となります。

ミアキスは最古の哺乳類で小型捕食者でした。ヨーロッパから北米にかけて生息していました。

体長は約20センチから30センチほどの小柄でほっそりした体型。長い尾に短い脚や鋭いカギ爪を持ち、木の上で生活をし主に鳥類や爬虫類などを捕食していたと言われています。

ミアキスの進化後

新生代第三紀の中期約3000万年前、地球が寒冷化した影響により、ヨーロッパや北米の森林が縮小し草原地帯が広まってしまいます。

そこでよりミアキスは草原地帯で集団で狩りができるような身体を持つキノデスムスに進化しました。これが犬の祖先です。

反対に、森に残ったのが最初のネコ科の祖先になっていきました。

この森に残ったネコ科の祖先は、夜中外敵に狙われないように獲物が寝静まる時間に狩りに出かけます。そのため昼間は体力を温存するためにじっとする生活習慣になりました。

ミアキスを祖先とする動物

ミアキスはその後時代が変わるにつれ進化し続け、食肉目というグループを作ります。

食肉目はトラやオオカミ、キツネやタヌキ、クマ、パンダ、アザラシ、アシカなどを含み、これらはミアキスの祖先と考えられています。

ペットとしてのイエネコの始まり

ミアキスを祖先として森林の中で生活するように進化していったネコ科ですが、家畜として飼われるようになっていきます。

家畜化された猫のことを「イエネコ」(家猫)と言い、現在飼っている猫のことはイエネコのことです。

イエネコの祖先:リビアヤマネコ

現在いるイエネコの祖先は中近東に住むリビアヤマネコに近いということが2007年の研究でわかったそうです。

リビアヤマネコは約17万3000年前にヤマネコ種から分かれ、約13万1000年前から中東の砂漠地帯に生息していたことも判明しました。

古代エジプトの猫の役割:家畜化と神格化

そのリビアヤマネコが人間にペットとして初めて飼われるようになったのは、紀元前5000年前の古代エジプト。

紀元前約9000年前からリビアヤマネコは人間と生活の関わりを持つようになったようですが、古代エジプトの時代からネコは家畜として生活していたということが遺跡などから分かっています。

紀元前5000年から4000年頃、人間は農耕文化が発達しており狩猟だけでなく穀物などを育てて生活をしていました。

その収穫した穀物を倉に貯蔵しておき、生活に役立てていましたがその穀物を狙うネズミ被害も深刻でした。

それを食い止めるために害獣駆除のために飼われたのが猫だそうです。

また古代エジプトの王族の間でも猫をペットとして飼っていたということも遺跡から分かっています。

古代エジプトでは猫を神として崇拝しており、猫の頭を持つ「女神パステト」は人間を病気や悪霊から守る女神としてや豊穣や多産のシンボルとしての役割を持っていたそうです。

そして猫は死を迎えたらミイラとして埋葬され、手厚く葬られていたようです。

古代エジプトではいかに猫を神として崇められていたかが分かりますね。

猫が世界中に広まった理由とは

古代エジプトで初めて人間の家畜として飼われた猫ですが、どのように世界に広がっていたのでしょうか。

一つに1400年頃の大航海時代の影響があります。船で様々な大陸へ横断することが可能になり、通商や貿易が盛んになった時代です。

その航海に際して猫が船のネズミを退治するために同乗していたようです。

船の中にいるネズミは船員の食料を食べてしまったり、伝染病を流行させたり、船の部品をかじって悪くさせてしまう被害をもたらしていました。

ネズミ対策のために猫は重宝され、そして世界に渡って行ったようですね。

猫の暗黒の時代、そして復活へ

野生の猫

猫はネズミ除け対策として活躍していたり、神や王族のペットとして重宝されていた時代もありましたが、猫の暗黒の時代と呼ばれる時もありました。

中世:魔女狩りと猫

12世紀ヨーロッパではキリスト教が広く普及し、ローマ教皇から異端として弾圧された宗教やキリスト教の一派の中には、猫を崇拝する宗派もありました。

そのために、猫は「魔女の使い」「悪魔の手先」の称され、迫害の対象になってしまいました。

16世紀になると「魔女狩り」「魔女裁判」が始まり、キリスト教以外の宗派は悪魔の教えと考えられ、猫やその猫を飼っている独身女性までもが魔女として処刑されました。

この魔女狩りによる猫の処刑によってヨーロッパにおける猫の数が減少し、結果としてネズミの媒介によるペストが流行したとも言われています。

猫の復活

その暗黒時代も17世紀末になると衰退していき、啓蒙思想が主流になりそのおかげで猫の宗教的弾圧はなくなっていきました。

そして、猫は綺麗好きで細菌や伝染病を広めてしまうネズミを駆除してくれる動物と改めて認められ、人間のパートナーとして復活しました。今でもヨーロッパでは飼い犬より飼い猫の方が多いようです。

日本にはどのように猫が広まったの?

世界的に猫の普及について話してきましたが、今度は日本における猫の歴史についてです。

猫の歴史:伝来

日本への猫の伝来は6世紀に中国から伝わってきたという説が有力のようです。

シルクロードから中国に伝わり、そして恐らく飛鳥時代から奈良時代の日本には猫は存在していたと思われます。

奈良時代の天武天皇の時代、仏教に熱心であった天武天皇は現在の中国から仏教の経典を船で輸入させました。

そして船の中で経典をネズミ被害に被らないように守ったのが猫です。このようにして猫が日本に渡っていたと考えられています。

歴史文献からわかる猫

昔の文献からでも猫が今と同じようにペットとして愛されていたかが分かります。

平安時代中期の清少納言の「枕草子」には一条天皇と中宮定子は愛猫家であり、猫に位階を与えるほど可愛がっていたという記述があります。

また江戸時代の徳川綱吉の「生類憐れみの令」の影響でより猫など生類を愛護するよう呼びかけたことでより一層猫のペットとして高く扱われていたことが分かります。

現代のペットとしての猫人気はなぜ?

2010年代に入り、和歌山電鉄の貴志駅の三毛猫の駅長が人気となり、一気に猫ブームとなりました。

飼い猫の頭数も2012年から2016年の間で30万匹も増え、2017年には猫のペット数が犬よりも上回ったそうです。

また猫カフェや猫グッズなど猫の経済効果も期待でき、その風潮を表したネコノミクスという言葉もマスメディアを中心に使われ始めました。

現代での猫の人気は止まることを知らず、猫の自由法方で愛くるしい動作、飼い主さんの思い通りにいかない性格が飼い主さんの心を掴んでいるに違いありません。

猫の起源を学ぼう|まとめ

壮大な猫の進化、歴史についてお伝えしてきましたが、今目の前でのんびり暮らしている猫がこんな壮大な進化の元に存在していたのかと思うと、とても恐れ多い気持ちになります。

そして人間と猫が出会ってからお互い良きパートナーとして生活してきたわけですが、これからも共に歩んでいくことを願います。

コメントを残す

*