人間の言葉が話せない以上、飼い主と犬とが完璧にお互いを理解することは難しいです。
しかし、犬の鳴き声やサインからそれらが何を意味しているのか、どんな気持ちなのか読み取ることは不可能ではありません。
ということで、今回は犬の鳴き声から読み取れる犬の気持ちについて考察していきたいと思います。
犬は家族の一員!気持ちを読み取る重要性
実際に犬や猫などを飼ったことのある方なら分かると思いますが、彼らはただのペットではなく大事な家族の一員ですよね。
人間の言葉が分からない以上、どんなに良好な関係を築くことを望んでいたとしても限度があるのが現実ではありますが、とはいえ犬が発する鳴き声やサインから彼らが今何を訴えているのかを推測することは出来ます。
愛犬の気持ちを完璧に理解することは難しいでしょうが、大切な家族として付き合っていくためには、これらの知識は大きな意味を持つことでしょう。
犬の鳴き声やサインを理解するための基準とは?
犬の鳴き声は全て同じように聞こえる方もいると思いますが、実は鳴き声一つ一つに意味があり、それによって犬の感情や気持ち、犬が伝えたいサインを理解することができます。
まずそれらを理解するための基準について見ていきましょう。
声の高低
犬の鳴き声を理解する際の基準として、声の高低・長さ・回数(リズム)の3つが挙げられます。まずは犬の鳴き声の高低に関してご説明いたします。
一般的に犬は低い音で鳴いているときは「警戒心」や「怒り」に近い感情を抱いている場合が多く、一方高い音の場合は反対に「興奮」や「嬉しさ」「好奇心」を意味しているそうです。
特に小型犬だと分かりやすいですが、遊んでほしい時やかまってほしい時などは高い声で鳴きながら寄って来ますよね。
声の長さ
鳴き声の長さに関しては犬種によって異なる場合がありますが、通常の落ち着いている時よりも比較的長く、唸り声のようなもので鳴いているときは「敵意」を表しています。
仲の良い飼い主や家族に対してこのような長い鳴き声を使うことはあまりありませんが、たとえば初対面の人間、もしくは泥棒など明らかに犬や飼い主にとって害のある人間に対してはこの鳴き声で敵意を示します。
番犬として犬を飼っている方もいると思いますが、悪い人間を見極められるほど賢い犬も実際にいます。
声の長さに関してもう一点、普段よりも短めに鳴いている場合にはそれほど敵意はないけれども「そっとしておいてほしい」「鬱陶しい」などという感情を抱いている場合が多いです。
鳴く回数・リズム
そして、鳴く回数やリズムにも意味が込められています。
たとえば犬自身だけでなく飼い主やその家族にも影響を及ぼす危険や恐怖を感じている場合に、犬は絶え間なく連続して鳴き続けたり一定のリズムでそれらを知らせようとします。
例えば火災が発生している時や不思議ですが地震が起こる数分前には犬はそれらの危険を察知する能力があると言われています。
確かに人間でも何か危険や恐怖を感じている時には誰かに知らせたいという思いでひたすら叫んだりすることと同じで、犬でも連続して鳴き続けることによって危険や恐怖を知らせようとします。
犬が発する鳴き声やサインの典型的な3パターンと意味
以上で犬の鳴き声を理解する際の基準として、声の高低・長さ・回数(リズム)の3つのポイントについてそれぞれ紹介してきました。
これらを踏まえた上で、より具体的な犬の気持ちやサインを読み取るための鳴き声の音やパターンとそれぞれの意味について紹介します。
パターン①「ワンワン」
一般的に犬の鳴き声として表現される「ワンワン」という音一つにとっても様々な犬の気持ちが込められています。
例えば飼い主が帰宅した際やお散歩に行く際、喜び・興奮を表すために犬は比較的高いトーンで「ワン」という音を複数回繰り返します。
「ワンワン」とリズムよく繰り返すのはよっぽど嬉しい時や興奮している時なので犬のしぐさや表情、またしっぽの振り方でも明らかに判断することができます。
一方、低いトーンで「ワンワン」と鳴くときは緊張・警戒を意味しています。
そのためしつこく接してしまうと犬はストレスを感じたり、時には攻撃してくる場合もあるため注意しましょう。
パターン②「キャンキャン」
犬を飼っている方なら聞いたことはあると思いますが、犬は「キャンキャン」という甲高い声で鳴くことがあります。
高いトーンで「キャンキャン」という音を繰り返しているのは、餌が欲しい場合かもしくは散歩に行きたい、遊んでほしいなど飼い主に何かを要求している時です。
しかし、甲高い声で1回だけ「キャン」と鳴くのは体のどこかに異変や痛みを感じている可能性があるため、飼い主はいち早く鳴き声から判断する必要があります。
また、「キャイーン」と明らかに悲痛な声を出しているときは特にひどいケガや病気などの異変を感じているので、例え外傷はなくてもそのようなサインが見られたらすぐに病院へ連れて行くことをオススメします。
パターン③「クーン」
「ワンワン」や「キャンキャン」といった鳴き声以外にも、「クーン」や「ウー」といったような鼻にかかった音を出すときがあります。
このような鳴き方をする場合、犬は不安・寂しさを感じているので周囲にストレスを与えるような原因はないか確認しなるべく犬と接してあげましょう。
また、高いトーンで「クーン」といった伸びる音を出しているときは、飼い主に対する「服従」もしくは「信頼」を意味しているため、この音を使って鳴いているのであれば犬にとって最もリラックスしており、居心地の良い状態であると言えるでしょう。
犬の鳴き声には意味がある!?まとめ
以上で犬の鳴き声に関して、鳴き声やサインから犬の気持ちを読み取るための基準や典型的なパターンについて紹介してきました。
犬の鳴き声の高さや長さ、回数によって犬が感じている喜怒哀楽やストレス状態などをある程度判断することができます。
また、犬がよく発する「ワンワン」「キャンキャン」「クーン」といった音からより具体的に犬の気持ちを読み取ることも可能です。
犬と私たち飼い主では当然のことですが同じ言葉を使っていないため、お互いの気持を100%分かり合うことは難しいです。
しかし、以上で紹介した内容を参考に今一度ご自身の飼われている犬の鳴き声や鳴き方、音に注目しより一層良好な関係が築けると良いですね。