みなさんは、愛犬の歯磨きはどうされていますか?
一般的に犬は虫歯になりにくいと言われていますが、とは言え愛犬の口臭や歯周病に頭を悩ませている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
今回は犬の虫歯や歯周病の原因をはじめ、歯磨きの方法や予防法を解説します。
すでに歯周病のワンちゃんでも、進行を遅らせてあげることは可能ですよ!
痛くて辛い虫歯や歯周病から、大切な愛犬を守ってあげましょう!
犬の虫歯や歯周病の原因は?
そもそも、犬の歯はいつも綺麗で不思議に思ったことはありませんか?
人間のように犬が自分で歯磨きをしているわけではありませんね。
しかし、一見綺麗に見えていても、実は虫歯があったり歯周病になりかけていたりといったケースも多々あります。
まずは、犬の虫歯や歯周病の原因について見ていきましょう。
犬に乳歯が残っていると虫歯や歯周病になりやすい!
犬の歯は、上下合わせて42本です。
生まれたばかりの子犬の乳歯は、おおよそ4ヵ月~8ヵ月くらいで永久歯に生え変わりますが、抜けずに残ってしまうこともあります。
乳歯が残っていると歯の隙間が多くなり、歯垢が付きやすくなるため、歯石や虫歯、歯周病の原因になります。
虫歯になるのは稀ですが歯周病になる可能性は高いので、あまりにもたくさん残っているようならば、虫歯や歯周病の予防として抜歯も検討した方が良いでしょう。
犬の虫歯や歯周病は食事内容ではなく口腔内細菌にあった!
以前は、犬に柔らかいものを食べさせると歯垢が付きやすく虫歯や歯周病になる、と言われていました。
しかし昨今では食事内容は関係なく、口の中の細菌の種類が大きく作用していることが解明され、犬が高齢になると歯周病になりやすいのは、老化により<口腔内の善玉細菌が減少していることが分かってきました。
シニア犬を飼っている方は、特に注意が必要です。
人間の虫歯菌が犬にうつってしまうことも!
愛犬とのコミュニケーションで、キスをしたり、おやつなどの食べものを口移しであげたり、自分が口に入れたものをあげるといった行為をしている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
実は人間の虫歯菌が、犬にうつってしまうこともあるのです。
だからといって、いきなり愛犬とのコミュニケーションをやめれば愛犬も不安やストレスを感じてしまいますし、ストレスによって免疫力が低下してしまっては意味がありません。
そういった場合無理に止める必要はありませんが、その分愛犬のお口のケアをまめにしてあげましょう。
犬が虫歯や歯周病になるとどうなるの?
私たち人間でも、虫歯になれば痛くて夜も眠れないこともありますね。
痛みで集中力が低下してしまったり、食事が摂れなかったり、顔が腫れてしまったりと日常生活にも支障がでてきます。
症状としては人間も犬も非常によく似ていますが、犬の場合はもっと深刻に考えなければいけません。
ここでは犬の虫歯や歯周病を放置していたら、どんなリスクがあるのか解説していきます。
犬が歯周病になったら下顎の骨折や顔に穴があくことも!
ある日突然、愛犬の顔が片側だけ腫れていたら、それは歯周病が原因かもしれません。
腫れはすぐに収まることもありますが、動物病院で診察を受けましょう。
歯周病により膿が排出されて、目の下に溜まってしまっていると顔が腫れてしまうだけでなく、目から膿が出てきてしまったり、最悪の場合は目の下に穴が開いてしまう眼窩下膿瘍(がんかかのうよう)になってしまいます。
また、歯周病が起こっている場所によっては、膿が上顎の骨を溶かして鼻腔に入り込み、クシャミをしたときに膿が出てきます。
他にも歯周病によって骨が薄くなり、下顎を骨折してしまうケースもあるのです。
犬の虫歯や歯周病は内臓疾患に繋がる可能性がある
犬の虫歯をそのまま放置しておけば、歯周病にもなりかねません。
犬の歯周病は、内臓疾患にも影響してくる恐ろしいものです。
歯周病の毒素が脳に回っててんかん発作を起こしたり、腎不全や心疾患なども多くみられます。
内臓疾患が起こると、それまで以上に口臭がきつくなっていきます。
口臭が酷いと感じた場合は、いち早く動物病院を受診しましょう。
犬の虫歯や歯周病の治療は簡単ではない
犬にとって、虫歯や歯周病の治療は命がけです。
動物病院で抗生物質のお薬を出されるだけのこともありますが、その場しのぎで治療ではありません。
犬は口の中を触られるのを嫌がり、痛みにも我慢できずに暴れてしまうため、全身麻酔が必要になります。
歯石除去(スケーリング)だけでも、ほとんどの動物病院は全身麻酔を行うのが現状です。
虫歯であれば、歯を削ったり銀歯を付ける必要がありますし、歯周病であれば抜歯となるケースもあります。
犬の歯磨きの方法と虫歯や歯周病の予防法は?
いざ愛犬の歯磨きをしようと思っても、どうすればいいのか悩みますよね。
犬の歯垢は3日で歯石になってしまうので、1日1回の歯磨きが理想です。
しかし、歯磨きが嫌いになってしまっては意味がありません。
嫌がるようなら無理に続けず、3日かけて全部の歯を磨いてあげるつもりではじめましょう!
犬の歯磨きの方法・歯ブラシやガーゼや歯磨きシートで
1.まずは自分の人差し指に犬用の歯磨きペーストを付けたガーゼや犬用の歯磨きシートを巻きつけます。
歯ブラシであれば歯ブラシに犬用の歯磨きペーストを少し付けておきましょう。
2.愛犬の鼻先を優しく掴み、上唇を軽くめくります。
3.ゆっくり口の中に指や歯ブラシを入れ、その状態で奥歯から優しく磨いていきます。
歯の根元に溜まった歯垢を取り除くイメージで行いましょう。
4.少しでも歯磨きをさせてくれたら、たくさん褒めてあげることがポイントです。
おやつをあげてもいいですね!
自分だけで行うのが不安な方は、動物病院でも歯磨きの方法を教えてくれるので、相談してみましょう。
犬の歯磨きの方法・歯磨き効果のあるフードやおやつを利用する
愛犬が、どうしても歯磨きをさせてくれない場合もあります。
そんな時は、歯磨き効果のあるフードやおやつを利用するのも良いですね。
ホームセンターやペットショップ、ネットショップなどで簡単に購入するができるので、歯磨きが苦手なワンちゃんにおすすめです。
もちろん、虫歯や歯周病の予防にもなりますよ!
犬の虫歯や歯周病の予防法・歯磨き以外にサプリメントを使う方法も!
犬の虫歯や歯周病の予防法には歯磨きが一般的ですが、最近では歯周病予防のための口腔内の善玉菌を増やすサプリメントもたくさん発売されています。
サプリメントやスプレーは動物病院でも取り扱われているので、気になる方は獣医師さんに相談してみましょう。
また最近ではペットショップやネットショップでも歯磨き効果のあるグッズをよく見かけます。
虫歯や歯周病はとにかく日頃の予防が大切ですので、症状があらわれる前から使用しておくのが良いでしょう。
犬の虫歯や歯周病を予防して健康に過ごしてもらおう!|まとめ
いかがでしたか?
犬の虫歯や歯周病は、とても怖いものだということがお分かり頂けたのではないでしょうか。
人間と違って、犬は言葉が話せません。
痛くても「痛い」とは言いませんよね。
愛犬に痛い思いをさせない為にも、犬の虫歯や歯周病の原因を理解して、歯磨きや予防をしてあげましょう。
また現在治療中のワンちゃんも進行を遅らせてあげることができるので、是非参考にしてください。