「犬がいるので海外旅行は諦めている」そんな飼い主さんは少なくないでしょう。
しかし、大切な愛犬を連れた海外旅行、一度は経験してみたいですよね。
実は、きちんとした事前準備と手続きさえ行えば、愛犬を日本から海外に連れて行くことは可能です。
ということで、今回は犬を海外旅行に連れて行く際の準備・手続き・注意点について詳しく説明していきたいと思います。
犬と海外に行く場合どんな準備が必要?
犬と海外旅行に行く場合、どのような手続きや準備が必要になるのでしょうか。
まずは、犬を海外に連れて行く際に必要な手続きや、揃えておくべき書類についてご説明します。
出国時に必要な手続き
日本から出国する際には、輸出検疫証明書の提示が必要です。
輸出検疫証明書は、動物検疫所で狂犬病・レプトスピラ症の検査を受けた証明として交付される書類です。
輸出検疫を受ける際は、出国の7日前までに輸出検査申請書を提出しておきましょう。
輸出検査申請書は、動物検疫所のHPからダウンロードが可能です。
旅行先の国の規定・条件によっては、更に早めの申請が必要な場合もあります。
動物検疫所:http://www.maff.go.jp/aqs/sosiki/address.html
入国時に必要な手続き
入国する際に必要な手続きや書類も、国によって異なります。
詳しくは、日本国内にある相手国大使館に連絡を取って、確認を行いましょう。
基本的には電話で問い合わせが可能です。
下記は入国に必要な条件の一例です。
・相手国入国の事前許可
・マイクロチップの確認、もしくは挿入
・狂犬病の予防接種
・ノミ・ダニ、内部寄生虫の予防
上記はあくまで一例ですので、これ以外にも細かい条件が定められている場合もあります。
また、条件や必要書類は不定期に更新される場合がありますので、渡航の直前に改めて最新の情報を確認するようにしましょう。
マイクロチップ挿入時の登録書や予防接種済証などは、処置を受けた動物病院で発行されるものです。
これらは大抵の国で必要となりますので、動物病院から貰った証明書は全てファイリングするなどし、大切に保管しておきましょう。
飛行機を利用する際の注意点
利用する航空会社への事前申請も忘れてはいけません。
乗せられる頭数や犬種に限りがあるなど、利用する航空会社の規定は様々です。
「いざ出国しようと思ったら、搭乗出来なかった」ということがないよう、必ず事前に伝えておきましょう。
飛行機を利用する際の注意点
国内線であれば、手荷物として乗せることができるサービスを行っている場所もありますが、国際線の場合渡航先の国によっても異なります。
例えば全日空では、貨物室預かりとしてペットの搭乗が可能です。
まずは予約時の電話申請、更にチェックイン当日に必要書類と同意書の提出、ペット料金の支払いが求められます。
ペット料金は、出発国の通貨で支払います。
ちなみに日本からアメリカに旅行に行く場合のペット料金は、40000円と定められています。
搭乗の際は、犬をコンテナ(檻)に入れた状態で預けなければなりません。
コンテナのサイズや、犬とコンテナを足した重量など、事細かに定められているので、必ず航空会社の規定に従いましょう。
また、パグやボストンテリアなどの短頭種犬は、預かり不可となっていたり、預けられる期間が限定されている場合が多いので要注意です。
機内にドッグフードは持ち込める?
旅行中愛犬がお腹を壊さないように、「普段から食べ慣れているドッグフードを持っていきたい」という飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
しかしドッグフードを海外に持ち込めるか否かは、国によって異なります。
というのも、ドッグフードの多くは、肉が含まれているからです。
この肉を持ち込んではいけないと定める国が存在するのです。
例えばアメリカなどが該当します。
アメリカの場合は、ドッグフードの様に加工したものであっても、肉の持ち込みが禁止されています。
このように肉の加工商品の持ち込みを禁止している国の場合、現地で販売されているフードを購入するしかありません。
持ち込み出来ない場合でも、アメリカやヨーロッパはペットフードに関する規制も厳しく、犬にとって高品質なフードが充実しているため、安全性や衛生面の心配はないでしょう。
ペット先進国多数!ヨーロッパのペット事情
愛犬と海外旅行をするなら、出来るだけペットに優しい国に連れて行ってあげたいですよね。
実はヨーロッパは、世界有数のペット先進国が集まる地域です。
たとえば、動物愛護に一番はじめに取り組んだ国は、イギリスだと言われています。
そしてドイツでは、飼い犬のしつけ・訓練が徹底されており、公道をノーリードで歩けるほか、電車やショッピングセンターなどにも同伴可能です。
ヨーロッパでは、国によって犬を飼う際に税金の様にお金がかかる場所もありますが、これは飼い主に責任を持ってペットを飼育させるために定めたものです。
もちろん一言でヨーロッパといっても国によってそれぞれ状況は違いますが、基本的には日本より動物愛護に力を注いでいる国が多いため、ペット事情についてはそれ程心配ないでしょう。
長旅に備えよう
海外旅行も、ヨーロッパとなると片道10時間以上のフライトになります。
その間、愛犬はコンテナ(檻)の中で過ごすことになります。
普段から家の中を自由に行き来できる環境で飼育している場合、いきなり長時間狭い場所に入れられることは、大きなストレスになり、体調を崩してしまいがちです。
そのため、事前にコンテナに長時間入る訓練をすることは必要不可欠でしょう。
まずは、コンテナの中におやつなどを入れて誘導しても構いません。
その際すぐにドアを閉めずに、いつでも出入りできる環境にしておきましょう。
慣れてきたら徐々にドアを閉めて、コンテナの中で過ごす時間を増やしていきましょう。
また空港や飛行機の貨物室預かり所には、第三者やほかの犬や動物が多数います。
人込みに連れて行くなどして、無駄吠えや威嚇などをしないよう、社会性を身につけさせましょう。
愛犬との海外旅行について|まとめ
愛犬との海外旅行を楽しむためには、搭乗前にしっかりと準備をすることが何よりも大切です。
入国の条件や提出書類、航空会社の規定など、必要な情報は入念に問い合わせておきましょう。
また、ワクチン接種や愛犬の体調について、かかりつけの獣医師さんに相談し、あらゆる不安を解消した状態で渡航することが重要です。