愛犬の健康を守るためにも、動物病院はかかせない存在です。
かかりつけとなる病院を「ホームドクター」といい、愛犬の健康面での相談ができ、病気の治療を施してくれる強い味方になります。
しかし、かかりつけとなる病院は、どこでもいいというわけではありません。
選び方を間違えないためにも、探す際のポイントや、料金の違いを参考にして、自分と愛犬に合った動物病院を探しましょう。
なぜ病院を選ぶ必要があるのか
ホームドクターを見つけておくことは、生活をする上での安心材料となります。
しかし、病院によってさまざまな特色があり、選び方は慎重にならなければなりません。
同じ病気でも、A病院では治療できないが、B病院では治療ができる、といったことや、獣医師の経験不足による治療の失敗、最悪の場合は死に至るといったケースもあります。
実際に私の友人の愛犬は、間違った薬を投与され亡くなりました。
「あの時、違う病院に行っていれば」、「もっと早く気づいていれば…」などと後悔しないためにも、動物病院の選び方は知っておく必要があります。
信頼できる動物病院を探すということは、愛犬の健康を守る飼い主の重要な役目でもあると言えるでしょう。
動物病院の選び方、そのポイントと重要性
では、なにをポイントとして動物病院を探せばよいのでしょうか。
選び方として、人それぞれ重要視する点は異なると思いますが、確かな医療を受けられることや、獣医師との信頼を築けるかといったことは大切です。
ここでは、それぞれのポイントとその重要性を説明したいと思います。
全てのポイントをクリアした動物病院はなかなか見つからないかと思いますが、自分なりに優先順位をつけ、愛犬の最適なホームドクターを見つけましょう。
自宅から近いか
動物病院を探すとき、ほとんどの人はまず近くの動物病院を探すのではないでしょうか。
実は、近いということは通いやすいといった点の他に重要な点がもうひとつあります。
それは緊急時にすぐに駆けつけることができるといった点です。
事故や怪我、病気の急激な進行に伴う症状の発症、ワクチンによる副作用の出現などがあった場合、1時間もかけて病院に駆けつけるのは遅すぎます。
事故や病気は突然起きるものであり、愛犬が「明日の13時に発症するから準備よろしく!」などと教えてはくれません。
よって、何か緊急を要する場合にすぐに対応できる近くの病院を探す必要があるのです。
また、近くの病院であれば、入院の際に見舞いに行きやすいといった利点もあります。
診察日や診療時間は?緊急時には対応してくれるか
病院により休診日や診療時間は異なります。
愛犬が必ず開院時に病気になるとは限らないので、診察日や時間を把握しておくことは大切です。
緊急時の診療体制はかかりつけの病院に必ず確認しておきましょう。
夜間診療など24時間体制の病院はまだまだ数が少ないのが現状です。
もしもの時のために、事前に調べておくと良いでしょう。
院内環境は清潔か、設備は整っているか
院内が清潔であるということは、治療環境がきちんと整えられているとも言えます。
不衛生である環境において、果たして器具や薬品などはどのような管理がなされているのでしょうか。
動物病院にはさまざまな感染症を持つ犬や猫が通院しています。
二次感染を防ぐためにも、衛生的であることや、それを徹底できる院内システムは重要です。
設備については、なにがあるかを把握しておくと良いでしょう。
どの動物病院もある程度の設備は整っていると思いますが、MRIやCT、特殊な機械などは専門性のある病院や大学病院にしか置いていないことが多いです。
獣医師やスタッフの対応は親切か
人それぞれ相性はあるかと思いますが、重要なのは「 よく話を聴いてくれ、愛犬や飼い主に寄り添った姿勢で対応をしてくれるか」だと思います。
症状など、話を詳しく聴いてくれないというのは、重要なサインを見落とすことにもなりかねません。
愛犬の命を預けるわけですから、安心して医療を受けられることが獣医師や動物病院への信頼へと繋がります。
また、診察結果を丁寧に説明してくれるかも大切です。
病名や治療薬とその投与方法を説明するだけでは、良心的とは言えません。
病気の原因はなにか、検査データの詳細、病気が進行したらどのような症状が出るのか、薬の副作用、完治までの経過、再発防止にはどうしたらよいかなど、ひとつひとつ丁寧に説明してくれるところであれば、納得し安心して治療を受けることができます。
「治療より予防」というように、病気は予防をすることが大切です。
飼い主も積極的に獣医師や看護師から知識を取り入れることが必要ですし、病院内だけでなく家庭内でのサポートができる動物病院は、優れた対応をしてくれていると感じます。
獣医師の専門分野はなにか
動物病院は、人間の病院のように専門的に分野が分かれているわけではありません。
だいたいの動物病院では獣医師ひとりが常勤として様々な専門分野を診ています。
しかし獣医師にも専門とするものや得意な分野は異なります。
あなたは自分の眼や歯が痛いときに、内科に行きますか?
きっと眼科や歯科を専門とする病院に行くでしょう。
犬も同じです。
専門性のある病院に行くことで、適切な診断ができ、治療を受けることができます。
では、専門性のある病院をどのように調べればよいのでしょうか。
評判や口コミを参考にしてもよいのですが、獣医師に直接聞いてみても良いと思います。
私は必ず初診時に「先生の得意とする分野は何ですか。」と、質問しています。
自分の専門分野でない、検査や治療で高度な設備が必要である場合などは、各分野の専門医や大学病院などを紹介してくれるところが良いでしょう。
このように、担当の医師とは別に専門医や他の医師に意見を求めることを「セカンドオピニオン」といいます。
病院間の連携はとれているか
セカンドオピニオンは近年当たり前となってきました。
第三者である他の医師の意見を取り入れることで、より総合的に判断することができ、誤診を防ぐことにも繋がります。
また、紹介された病院に紹介状を持参することで、スムーズに検査や治療を受けることができます。
紹介状がなく、自分で専門医のいる病院を受診した場合は、既往歴や過去の検査値、症状などをすべて自分で説明しなくてはいけません。
そのため、病院間の連携がとれているかどうかは、動物病院を選択する上で重要となってくるでしょう。
医療では消化器や泌尿器などと専門分野は分かれていますが、身体はひとつです。
全身の健康を守るためには総合的に診ることが大切だと言えますね。
動物病院により料金はさまざま
動物病院は自由診療であり、人間の病院のように定められた金額はありません。
これは私が体験した事例ですか、猫の抜歯をするのにA病院とB病院は10万円、しかしC病院では3万円といったように、病院ごとにかなりの金額の差が出ます。
経済的にも安いほうが…といった飼い主の気持ちもわかりますが、あまりにも他の病院と比べて料金が安いと心配になりますよね。
しかし、安いから質が悪い、高いから良いとは一概には言えないのです。
専門性や技術があり、設備が整っている病院では料金も高くなるでしょう。
このように実績があり、納得できる料金であれば良いのですが、内容の伴わない高額な金額であれば、それはぼったくりです。
それを見定めるためには、病院ごとに比較をしていく必要があります。
事前に病院に問い合わせたり、実際に診察を受け、内容と料金を比べてみましょう。
料金の明細書を取っておくことで、比較しやすくなりますよ。
ペット保険の適応
動物の病院にかかる費用は、手術や入院となると高額になります。
このようなときに役に立つのがペット保険です。
その動物病院が、加入しているペット保険に対応しているかは事前に確認しておきましょう。
まとめ
動物病院には専門性や設備、料金など、それぞれに特色があります。
ホームドクターとなる病院を決めることも大切ですが、症状や病気によっては専門医にかかるといったことも必要です。
まずは、自分の住んでいる近くにはどんな動物病院があるのかを知り、選ぶ際のポイントを参考にして、信頼できる病院を探しましょう。
愛犬と生活する上で、きっと心強い味方となってくれるはずですよ。