あなたは愛犬に、どんな抱っこをしていますか?
散歩中や街中、動物病院などで犬を抱っこしている飼い主さんを見ると、それぞれの人がいろいろな抱き方をしていますね。
もしかして、犬種によって抱っこの仕方が違うのかな?と疑問が生まれたので、小型犬や中型犬、大型犬のそれぞれの犬種ごとの抱き方を調べてみました。
愛犬を抱っこする時の参考にしてくださいね!
犬の抱っこの仕方は犬種ごとによって違うの?
現在、世界中には純血の小型犬、中型犬、大型犬が何百種類と存在します。
ほかにも、違う純血種を掛け合わせたミックス犬やハーフ犬、さまざまな血統が混ざりあった雑種犬など、たくさんの犬種をあわせれば1000種類以上になります。
チワワにはチワワの抱き方、ミニチュアダックスフンドにはミニチュアダックスフンドの抱き方、柴犬には柴犬の抱き方など、それぞれの犬種によって抱き方があるのか調べました。
犬種ごとの違いはなく体の大きさで抱き方が違う
調べてみてわかったことは、犬種によっての抱き方ではなく、体の大きさによって抱き方が違うということでした。
体の大きさは、小型犬(体重10㎏未満)、中型犬(体重25㎏未満)、大型犬(体重25㎏以上)と分けられており、それぞれに犬の精神的な影響や身体的な影響、抱きかかえる人の負担を考慮した正しい抱き方があります。
確かに、犬の見た目や大きさに違いはあっても、体の構造はそこまで変わりませんね。
ですから、犬種ごとに抱っこの違いはなく、体の大きさで抱き方が違うのです。
犬の正しい抱き方は?
それでは、小型犬、中型犬、大型犬別に、犬の正しい抱き方について説明していきます。
愛犬が小型犬なのか中型犬なのか大型犬なのかは、血統などによりわかっていると思いますが、わからない場合は体重を参考にしてください。
小型犬(体重10㎏未満)の抱き方
小型犬:チワワ・トイプードル・ミニチュアダックスフンド・マルチーズ・ヨークシャーテリア・ミニチュアピンシャー・ポメラニアン・パグ・シーズー・パピヨン…など
- (1)しゃがんでから、片手で犬のお尻を支えます。
- (2)反対側の手で、犬の前足の脇のあたりに手を入れます。
- (3)立ち上がっても落とさないように、自分と犬の体制を整えます。
- (4)立ち上がり、犬の体を自分の胸のあたりに密着させます。
- (5)前足の脇のあたりの手を、背中に回すようにすると安定します。
小型犬の抱き方のポイントは、犬の体が地面と平行になるようにするか、犬の体がおすわりの体制に近いようにすることです。
超小型犬であれば、後ろ足と後ろ足の間から手を入れて、お腹や胸のあたりを手のひらで支え、腕でお尻を支えても大丈夫です。
ただ、股の間に手を入れると嫌がる犬もいるので、抱えやすい方法で行ってください。
中型犬(体重25㎏未満)の抱き方
中型犬:コーギー・柴犬・ニホンスピッツ・ビーグル・フレンチブルドック・ブルドック・ウィペット・アメリカンコッカースパニエル・ボストンテリア…など
- (1)立て膝をつき、片手を犬の前足の脇のあたりに入れます。
- (2)犬の体を自分の胸元に引き寄せます。
- (3)反対側の手で、犬のお尻から太ももにかけて抱きかかえるように支えます。
- (4)自分の体を起こして、立ち上がっても落とさないように自分と犬の体制を整えます。
- (5)立ち上がり、犬の頭側の脇を引き締め、犬の体を自分の胸のあたりに密着させます。
中型犬の抱き方のポイントは、体重がそこそこあるため、立ち上がる前にしっかり安定しているか確認することです。
抱き上げた時、犬の体が地面に水平になるように意識してあげてくださいね。
大型犬(体重25㎏以上)の抱き方
大型犬:グレートデーン・ゴールデンレトリーバー・ラブラドルレトリバー・シベリアンハスキー・コリー・シェパード・ダルメシアン・ボルゾイ・秋田犬…など
- (1)立て膝をつき、片手を犬の体の外側からお腹あたりにまわします。
- (2)反対側の手で犬の顔の下から手を入れ、両前足の上あたりを支えておきます。
- (3)片膝を立て、立てた膝に犬の両前足を乗せます。
- (4)犬のお腹あたりにあてていた手を離し、しっぽの下から手を入れて後ろ足の付け根を抱え込みます。
- (5)体制が整ったら、犬の体を自分の胸のあたりに密着させ、犬のお尻を腕に乗せて立ち上がります。
- (6)犬の頭側になるほうの脇を締めます。
大型犬の抱き方のポイントは、立ち上がる前に犬の体を自分の胸のあたりに密着させることです。
大型犬を抱きかかえるのは犬の重さで腕や腰に負担がかかり、安定していなければ犬を落としてしまう恐れもあります。
胸のあたりに密着させることで安定させられるほか、腕や腰の負担も軽減されます。
愛犬に間違った抱っこをしていませんか?
犬を抱っこする場面はさまざまです。
抱っこをせがまれた時、人や他の犬がいる時、狭い道、抱っこしなければいけない場所、あまり歩かせてはいけない時など、愛犬を抱っこする機会は多いですね。
とっさに愛犬を抱っこしなければいけないこともあるでしょう。
そんな時、間違った抱き方をしていませんか?
犬にしてはいけない抱っこを確認しておきましょう。
犬の両腕を支えるだけの抱っこ
愛犬をとっさに持ち上げる時や、だっこしたまま片手で何かをおこなう時などに多く見られるのが、犬の両脇を両手や片腕だけで支えるだけの抱っこです。
この抱き方は、犬の肩の関節に負担が大きく、犬の足腰にも影響があります。
普段は4本足で自分の体重を支えているのですから、前足の関節だけで支えるのはとても危険なことです。
特に、コーギーやダックスフンドの胴長短足で腰が弱い犬種では、ヘルニアになる確率が高くなるので、絶対にやめましょう。
犬を仰向けにした抱っこ
赤ちゃんのように、犬を仰向けにした状態の抱っこも危険です。
犬は足が地面から離れ体が宙に浮くことだけでも不安なのに、無理やり仰向けにされて身動きが取れないのは、恐怖以外の何物でもありません。
また、仰向けになることで背骨が湾曲し、心臓や肺などの内臓に負担がかかるだけでなく、パグなどの短頭種では呼吸がしづらくなり、ダックスなどの胴長短足種では腰に負担がかかるといった、デメリットしかありません。
犬を仰向けにした抱っこは、犬が嫌がって暴れて床に落としてしまうという事故も多いので、絶対にしないようにしましょう。
飼い主と犬の向かい合わせの抱っこ
こちらも子供を抱っこしているような、飼い主の肩に犬の顔や前足が乗った状態の向かい合わせの抱っこですが、お尻を支えてるから大丈夫、と勘違いしてはいけません。
いつもはおとなしい犬でも、何かビックリすることがあったり、何かのきっかけでそのまま勢いよく肩を飛び越えて降りてしまうことがあります。
飼い主が立った状態であれば、犬は相当な高さから落ちることになり、骨折してしまう危険があるので、しないようにしましょう。
愛犬に正しい抱き方をしてあげよう!|まとめ
今回は、犬種によって抱っこの仕方が違うのでは?という疑問から、小型犬や中型犬、大型犬のさまざまな犬種の抱き方を調べてみましたが、いかがでしたか?
今まで、特に気にせず愛犬を抱っこしていた方も多いと思いますが、抱っこについて理解すると正しい抱き方をしてあげよう、と思われたのではないでしょうか。
間違った抱き方によって犬にどんな影響があるのか理解して、愛犬にストレスのない抱っこをしてあげてくださいね!