愛犬がうんちを食べて困った経験はありませんか?
犬のこういった行為を「食ふん行動(食ふん症)」と呼びますが、犬が自分の便を食べてしまう理由は様々で理由によって対処方法を考えなくてはいけません。
今回は犬の食ふん行動について考えられる原因や病気、フードやサプリメントなど防止に役立つ情報を幅広くご紹介致しますので是非ご活用ください。
犬の食ふん行動の理由と対処法とは?
犬の食ふん行動を防止するためには、しっかりと食ふん行動の原因を突き止めて考えられる原因別で対処する必要があります。
犬が食ふん行動するのには必ず原因があるので、しっかりと防止策を考えましょう。
精神的な病気が原因で食ふん行動?
人間でも精神障害によって便を手で触ってしまう等、便に対して汚いという認識が無くなってしまうことがありますが、犬も同様に痴呆や認知症(高齢性認知機能不全症候群)を初めとする精神障害によって食ふん行為を行う場合があります。
痴呆や認知症による食ふん行動ついては老犬に多いので注意が必要です。
この場合の防止策
特に老犬の食ふん行動が見られる場合は痴呆や認知症の可能性があるので、動物病院での検査をお勧めします。
このような病気が原因の場合は根本的治療が難しく、食ふん行動の防止が出来ない場合もあるので犬が排便したらすぐに片づけてあげなくてはいけません。
寄生虫がお腹にいることがある
寄生虫がいると犬の体内は栄養素が不足して食ふん行動の原因となります。
寄生虫によって犬の消化機能に妨げが生じ、同時に体内の栄養も不足することから犬は自分の便を食べてしまいます。
色々対策を行っても食ふんがおさまらない場合は、検便検査で寄生虫がいるか確認すると良いでしょう。
この場合の防止策
動物病院で検便検査を行い、寄生虫がいた場合は根本的治療を行って寄生虫を駆除することによって食ふん行動を防止します。
寄生虫の種類により異なりますが、犬回虫の場合は基本的に駆虫薬を投与します。
消化器系の病気が食ふんの原因に?
寄生虫と同じで、消化器系の疾患がある場合は消化不良を起こして食ふん行動をする場合があります。
犬が消化不良を起こしている状態では体に十分な栄養素が吸収されない為、不足した栄養素を補おうと食ふん行動をします。
この場合の防止策
消化器系の病気が原因である場合は、病気を治療することによって食ふん行動を防止しますので、動物病院でしっかり検査と治療を行いましょう。
食事内容は犬の体に合っていますか?
犬の食ふんと食事内容は密な繋がりがあります。
中でも植物性タンパク質があまりに多い食事を摂っている場合、犬の消化機能が低下して便に混じっている消化しきれていない植物性タンパク質を体に取り込もうと食ふん行動をする場合があります。
この場合の防止策
食事の見直しが必要です。
与えている食事が植物性タンパク質が多い場合は、動物性タンパク質が多い食事に切り替えましょう。
犬にとって消化しにくい植物性タンパク質を消化しやすい動物性たんぱく質に変更することで、未消化物が便として排出されずに栄養素として体内で吸収されるため、食ふん行動の防止に繋がります。
食事量が少なすぎる?
食事量が少なすぎる場合も食ふん行動の原因となります。
根本的に食事量が足りない場合は便を食べて生命維持に繋げようと体が働くので、犬の体格を確認しましょう。
適正体重については同犬種であっても個体差があるので、BCS(ボディ・コンディション・スコア)という犬の体重を触ったり見たりして確認する指標があるので参考にすると良いですね。
この場合の防止策
犬が適正体重より大幅に痩せているようでしたら食事量を増やします。
ここで注意が必要なのは急激に量を増やさずにゆっくりと食事量を増やしていくという事です。
急激な食事増加は犬の体に負担をかける為、適正体重となるように時間をかけて少しずつ食事の量を増やして食ふん行動防止に繋げましょう。
便が美味しいから食べてしまう
仔犬に多い食ふん行動の原因が、便が美味しいから食べてしまうことです。
仔犬は消化機能の発達が完全ではないため、便中の未消化物が成犬より多くなる場合があり、未消化物の多い便を美味しく感じて食ふん行動をすることがあります。
この場合の防止策
食ふん行動防止のためのフードやサプリメントを使用します。
フードやサプリメントの種類は豊富にありますが、食ふん行動の原因が美味しいという理由である場合はサプリメントによって便自体を犬にとって不味いものにすることで食ふん行動防止を図ります。
フードやサプリメントを与える際は、仔犬に与えても良いものかしっかり確認しましょう。
飼い主が原因で食ふんをする
初めて犬が食ふん行動をしたときに飼い主が過剰に怒ったり構ったりしてしまうと、食ふん行動が日常化してしまう原因となります。
この場合は、便を食べることによって犬が飼い主の関心を自分に向けようとしている事が多いと考えられます。
この場合の防止策
排便したらすぐに片づけることが大切ですが、食ふん行動をしてしまった場合は犬を無視して淡々と片づけて何事もなかったかのように振舞います。
この方法は躾の基本で粗相をしたときも同様、飼い主が過剰に反応すると犬は自分が構ってほしい時に食ふん行動や粗相を繰り返すようになってしまいます。
また、過剰に犬を叱ってしまうと怒られる前に便を食べて片付けてしまおうと、犬は急いで便を食べてしまうことがあるので食ふん行動をしたときは無視して過剰に反応しないようにしましょう。
見落としがちなストレスによる食ふん
犬が食ふん行動をしたら犬に精神的なストレスがかかっていないか考える必要があります。
ストレスを抱えた犬は食ふんを含む様々な問題行動を起こします。
それだけでなく、ストレスによって胃腸等の消化器官に悪影響を与えて栄養の吸収の妨げになり、足りない栄養素を補給しようと食ふん行動をする場合があります。
犬のストレス原因は、飼い主との関係や環境の変化、同居している犬との関係等様々ですので、犬の日常生活にストレス要因がないかしっかりと見直してみましょう。
この場合の防止策
根本的な原因である犬のストレスを無くしてあげましょう。
飼い主にとってはストレスがないように感じても、犬は非常に繊細な生き物で小さな環境の変化や飼い主の言動によってストレスを溜めてしまいます。
ストレスは食ふんのみならず、問題行動や病気の原因となるので細心の注意が必要です。
どうしても食ふん行動が防止できない場合は?
原因別で食ふん行動が防止できなかった場合は、フードやサプリメントを利用するのも防止策の1つです。
食ふん行動を防止するためのフードやサプリメントの殆どは、犬が苦手な便の味になるように工夫されており嫌がって食べなくなることを目的に作られています。
多くのフードやサプリメントの内容量には、チアミン、野菜の抽出物、また唐辛子エキス等が含まれており、犬が食べる時は味がそれ程しないが犬の消化器官を通る時に便が苦くなるように作られているものが殆どです。
一般的に犬が苦手な味であっても犬によって個体差があるので、様々なフードやサプリメントで試してみると良いですね。
食ふん行動防止は早めの対策を!まとめ
犬の食ふん行動の原因は本当に様々であり、しっかりと原因を探って根本的な解決を行ってあげることが大切です。
食ふん行動をするのには必ず何かしらの原因があるので、便を食べたからと言ってむやみに叱らないことが大切です。
どうしても治らない場合は、病気の可能性を考えて動物病院で検査してもらうことをお勧めします。
食ふん行動は一度してしまうと繰り返す傾向にあり健康体である自分の便であれば食べたからと言って病気になるわけではありませんが、何かしらの病気である他犬の便を食べてしまう恐れもあるので早めに防止策を考えましょう。