ミニチュアダックスフンドやコーギーなどの短足種はその特徴的な可愛らしさから小型犬の中でも特に人気があります。
しかし、それらの犬種には足が短いという身体的特徴によって起こりやすい病気がいくつかあります。
短足種の犬を飼うことを検討されている方、また実際に今飼っている方はその病気の対処法や飼育の際に気をつけたいポイントについて知っておく必要があるのです。
なぜ足が短いの?短足・胴長種の特徴
足が短く胴長な犬種はその愛くるしい見た目から小型犬の中でも特に人気があります。
しかし、短足で胴長であるという身体的特徴にはただ可愛いというだけでなく、しっかりとした理由があるのです。
短足・胴長の代表各であるダックスフンドは、もともとうさぎやアナグマを狩る猟犬として活躍していました。
それらの獲物は普段小さな穴の中で生息しているため、細くて狭い場所でも獲物を捕獲するためにいくつかの犬種をかけ合わせ品種改良をした結果ダックスフンドはあのような特徴的な体の形をしているのです。
また、小型犬のコーギーにも短足で胴長という特徴的な体をしている理由があります。
本来コーギーは羊や牛などの家畜を追う牧羊犬としての仕事をしていました。
その際に体高があると家畜によって蹴られてしまいケガを負う可能性があったため、牧羊犬として機能させるために足が短く胴長な身体に品種改良されたと言われています。
短足の犬がなりやすい病気や対処法
現在はペットとしての需要が圧倒的に高い短足種の犬ですが、その身体的特徴が原因で日常生活において起こりやすい病気がいくつかあります。
その主な病気や対処法について一緒に見ていきましょう。
病気1:椎間板ヘルニア
短足である犬種が最もかかりやすい病気として、椎間板ヘルニアが挙げられます。
椎間板ヘルニアとは、背骨の間にあるゼリー状の組織である「椎間板」が本来ある位置からはみ出てしまうことによって脊椎が変形してしまい脊髄を圧迫して麻痺症状を引き起こす病気です。
椎間板はそもそも背骨のクッションとしての役割があるため、椎間板ヘルニアになると麻痺して動けない、まっすぐ歩けないといった症状にも繋がりかねません。
短足の犬は普通に生活していたとしても椎間板にかかる負担が大きいことからヘルニアになりやすいと言われています。
椎間板ヘルニアを予防するには肥満にならないように気をつけることが一番の方法です。
しかし、肥満体質でなくても激しい運動や強い衝撃によって椎間板ヘルニアを発症する可能性もあるため、対処法としては医療機関に連れていきすぐに診てもらいましょう。
病気2:骨折や脱臼
短足・胴長の犬種は足腰などの身体機能がもともと弱い傾向にあります。
そのため、他の犬種に比べて骨折や脱臼といったリスクも高まります。
例えば屋内での階段や段差の上り下り、屋外での激しい運動や足場が悪いところでの歩行といった日常生活において何気ないことでも、短足種は骨折や脱臼といったケガをしやすいため注意が必要です。
脱臼に関しては症状が軽い場合発見することが難しくそのまま放置して置くと悪化する恐れがあります。
悪化した状態の脱臼は治癒が難しく、一度治っても同じ箇所で再発する可能性も高まるため、少しでも歩き方や動き方に異変を感じたら一度病院に付いれていき診てもらうことをオススメします。
病気3:股関節形成不全症
股関節形成不全も小型犬の短足種が特に気をつけたい病気の一つです。
股関節形成不全症とは、骨盤と太ももの骨が成長する段階において異常を起こし、股関節が完全に形成されずに変形してしまう病気です。
症状としましては、体内で炎症やひどい痛みを伴うため、歩行そのものが困難になり日常生活に支障をきたしてしまいます。
この病気は遺伝的な要因が大きく影響しているため完全に防ぐことはできません。
しかし、成長期にある犬が肥満体質で足腰に負担がかかっている状態にある時でも発症のリスクは高いため、短足の小型犬、また体重が思い大型犬は特に肥満には気をつける必要があります。
短足の犬を飼う際のポイント
以上の3つが短足種の犬に起こりやすい主な病気やケガになります。
それらの病気の発症率をできるだけ下げるためにも短足種を飼う際に気をつけたいポイントがいくつかあります。
その2つのポイントについて見ていきましょう。
ポイント1:フローリングなど生活環境を見直す
ほとんどの方は愛犬を屋内で飼育していると思いますが、短足種を飼う際には特にフローリングなどの生活環境を見直す必要があります。
というのもフローリングなどの上を歩く際に短足種はしっかり踏み込んで歩行することが難しいため、滑ってしまったり足腰の負担につながります。
また、階段の上り下りや高さのあるところから飛び降りることを繰り返すと骨折や脱臼のリスクも高まります。
予防法としては、歩きやすいようにマットを敷く、出来る限り段差を取り除くなど愛犬の健康のためには生活環境を今一度見直す必要があるのです。
ポイント2:肥満にならないための食事や運動
先程も少し述べたように肥満は犬種問わず犬の健康状態に悪影響を及ぼしますが、足腰が弱い短足種にとっては更に危険のリスクを高めます。
肥満によって椎間板ヘルニアや股関節不全症などの骨の病気だけでなく、心臓病や糖尿病などの病気を引き起こす可能性もあります。
肥満状態を長期間放置しておくとこのように身体のあちこちに異変や体調不良を引き起こす原因となり、最悪の場合命に関わることもあります。
そのため、短足種を飼う際には特に食事や運動に気をつけ、肥満にならないための生活をさせることが大切です。
短足種の犬に起こりやすい病気やその対処法まとめ
今回は短足犬に起こりやすい病気やその対処法、また飼育する際のポイントについて詳しく紹介しました。
足が短く胴長な犬種は私達人間にとってはその愛くるしい特徴によって癒やされることができます。
しかし、その身体的な特徴によって椎間板ヘルニア、脱臼や骨折、また股関節形成不全症などの病気を引き起こしやすくなります。
実際にそれらの犬種を飼う際にはフローリングや段差などに気を使い、愛犬が健康で安全に過ごしやすい生活づくりをすることが重要です。