カーミングシグナルという言葉を聞いたことはありませんか?カーミングシグナルとは、犬がストレスを感じたり心理的に不安を感じている時に行う仕草のことです。
このカーミングシグナルを知ることで、愛犬の気持ちをよりいっそう理解できるようになるかもしれません。
今回は、このカーミングシグナルについてご紹介します。
カーミングシグナルとは?
「カーミング(Calming)」は”落ち着かせる”、「シグナル(Signal)」は”合図・信号”といった意味で、その名の通り、気持ちを落ち着かせようとしている合図のことです。
具体的には、犬が恐怖や不安、ストレスを感じた時に自分や相手を落ち着かせたり、敵意がないことを伝えるための動作や仕草のことを言います。
ボディーランゲージにも似ていますが、カーミングシグナルは特に恐怖やストレスに関連したものを言います。
普段の何気ない仕草がカーミングシグナルであることもあり、カーミングシグナルを知ることで犬の心理をより正確に理解できるようになります。
また、もともと犬同士のコミュニケーションに使われていたものですが飼い主さんに向けてカーミングシグナルを出していることもあります。
代表的なカーミングシグナルは?
それでは、代表的な9つのカーミングシグナルをご紹介致します。
一見あまり意味がなさそうな行動もカーミングシグナルだったりしますので、今まで謎だった愛犬の行動も理解できるようになるかもしれません。
1.目をそらす
犬が視線をそらしたり、そっぽを向いたりするのは相手に敵意がないことを示しています。
もしかしたら、愛犬を叱っている時に目をそらされた飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
目を合わせないのは決して話を聞いていないのではなく、敵意がないという表れです。
逆に、目を合わせることは敵意があることを意味しています。
つい目を見てしまう場合もあるとは思いますが、ずっと見続けると威嚇として捉えられ犬にストレスを与えてしまうかもしれませんので注意してください。
2.あくびをする
人間はどちらかと言えばリラックスしている時にあくびが出ますが、犬は緊張している時にその緊張をほぐすという意味でもあくびをします。
また、相手に対して落ち着いてほしい時にもあくびをすることがあります。
目をそらすのと同じように、飼い主さんに叱られている時にあくびをしていたこともあるのではないでしょうか。
他には、嫌なことをやめて欲しいという意味もあるようです。
もちろん、リラックスしていて眠いときにもあくびをすることはあります。
もし眠たくなるような状況以外であくびをしていたら、それはカーミングシグナルかもしれません。
3.口の周りを舐める
口の周りを舐めるのはご飯の前や食べ終わった時によく見られる行動ですが、緊張している時などにも口の周りを舐めることがあります。
特に動物病院や初めての場所など、自分が不快に感じた場所でよくこの仕草をすることがあるようです。
4.お座りをする・伏せをする
ただ座っているだけだと意味が無い見えますが、お座りや伏せも立派なカーミングシグナルの一つです。
犬は緊張状態にある時は座ったり伏せたりして自分を落ち着かせます。
また、争いを避けたい、相手を落ち着かせたいという意味もあります。
伏せは特に強く落ち着きましょうというメッセージを送っているようです。
他のカーミングシグナルと同様、ただ疲れて座っているだけということも十分あり得ますのでその場の状況に合わせて判断してみてください。
5.カーブを描きながら近づく
相手に回り込むように近づくのは敵意がないことを伝えるためです。
特に初対面の相手に対して行われることが多い仕草でもあります。
初対面の犬同士がぐるぐると周りあっているのはお互い敵意がないことの表れです。
逆に、直線的にまっすぐ近づくのは敵意の表れ・攻撃態勢にあるということを意味しています。
人間が犬に近づくときもまっすぐ近づくと敵意があると解釈されてしまうかもしれませんので、特に初対面の場合は注意してゆっくりカーブを描くようにしながら近づくと良いでしょう。
6.身震いをする
ストレスを感じている時や、そのストレスから解放された時に身震いをすることがあります。
イライラしているのをリフレッシュしたり、気持ちを落ち着かせるための行動ということです。
他には「嫌だ」という意思を伝えるために身震いする場合もあります。
7.地面の匂いを嗅ぐ
地面の匂いを嗅ぐという行動もカーミングシグナルの一種です。
単に気持ちを落ち着けようとしている場合や、口の周りを舐めるのと同じように新しい場所でストレスを感じているときに地面の匂いを嗅いで、落ち着こうとするという意味合いもあるようです。
8.耳を立てる・耳を倒す
耳の動きもカーミングシグナルです。
耳を立てている時は何かに集中して音を聞いているサインです。
この段階ではまだ必ずしも恐怖を感じているとは限りませんが、正体のわからないものに対して不安を感じているかもしれません。
耳が倒れている時は怯えたり緊張している証拠です。
他の犬と出会った時にこのような行動を取ったらかなり怯えていますので、一旦落ち着かせることが大切です。
9.前足を片方だけ上げる
緊張・興奮を抑えるために前足を片方だけ上げることがあります。
もともとはこの姿勢をポインティング姿勢と言い、獲物を見つけた時にそれを知らせるためのポーズだったようです。
まとめ
カーミングシグナルとは、自分や相手を落ち着かせるための犬の行動や仕草のことです。
普段の何気ない動作もこのカーミングシグナルであることがあり、カーミングシグナルを知ることでより正確に犬の心理を理解することができるようになります。
カーミングシグナルはあくびをする、目を逸らす、身震いをするなど様々です。
どれも日常生活で別の意味で使われることがありますので、状況に応じてカーミングシグナルかどうかを判断することが重要と言えます。
また、飼い主さんの方からもカーミングシグナルを伝えることができます。
目を合わせたりする行為は相手に敵意を向けるときのカーミングシグナルですので、注意が必要です。
いかがでしたでしょうか。
今までわからなかった愛犬の行動が理解できるようになったでしょうか。
是非これから愛犬がカーミングシグナルを出していないか注意して見てあげてくださいね。