2018年の全国犬猫飼育実態調査結果によると、なんと飼われている犬の数は国内だけで890万3千頭、犬の平均寿命はおおよそ14歳です。
医療の発展やフードの高品質化、また室内飼育の徹底により犬の寿命は延び犬の介護について深刻に悩んでいる飼い主さんが非常に多くなりました。
今回は、犬の介護で疲れてしまった飼い主さんに是非読んでほしい対処方法についてご紹介致します。
1人で抱え込まないで!肉体的負担を減らす対処方法
老犬介護は肉体的面でも疲れることがたくさんあります。
大型犬は寝返りをうたせるのにも一苦労ですし、小型犬や中型犬で介護に体力的負担がかかっていないように思えても疲れは蓄積しがちです。
犬の介護であっても人間の介護であっても同じですが、介護は労力を使うので人に助けを求めるのも1つの対処方法です。
正しい知識を身に着ける
人間でも犬でも、介護というのはとても大変なものです。
ましてや、自分自身に知識が無い状態で行うのは労力は勿論、精神的にも疲れてしまいます。
介護に専門の資格があるようにペット専門の介護士、【ペット介護士】という資格も存在します。
資格取得はせずとも、ペット介護士の資格を勉強することで、今のあなたに必要な情報が得られるはずです。
資格を取得できれば、将来的に同じような人の手助けも出来るようになるかもしれません。
通信講座で勉強できるので、教材だけでも目を通してみてはいかがでしょうか?
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家族や友人に助けを求める
一番好ましいのが家族で役割分担をして犬の介護をすること。
自分1人では介護が厳しい時や疲れてしまった時は、無理をせず早めに家族に協力を求めましょう。
家族であれば大抵の場合は愛犬に対しての愛情も深いですし、話せば理解してくれることも多いでしょう。
ペットシッターに助けを求める
日によって時間がない、または犬の介護に少し疲れてしまった時はペットシッターにお願いすると良いでしょう。
最近では犬の介護士資格や看護師資格を保有しているシッターが多く、何より自宅で介護のプロフェッショナルに助けてもらえるのはとても心強いと思います。
ペットシッターは通常では初回に愛犬の状況について詳しく調査をして犬に合わせたお世話をしてくれるので、どんなに細かなことであっても相談しましょう。
信用できるペットシッターが1人いると、介護に疲れてしまった時に肉体的疲れを軽減してくれ、一緒に犬の介護をしてくれる人がいるということは精神的にも心強いのではないでしょうか。
介護施設に助けを求める
犬の介護がどうしても出来ない場合は介護施設に預けるのも対処方法の1つです。
最近では老犬ホームと呼ばれる犬のお泊り介護専門の施設が数多くあり、充実したサービス内容で愛犬の暮らしをサポートしてくれます。
短期、長期と期間を決めて利用することが出来る施設もあるので、その時の状況に合わせて活用すると良いでしょう。
犬を施設に預けるというのは寂しい気もしますが、介護施設に預けるということは自分自身だけではなく、時に犬のためでもあることを忘れてはいけません。
介護グッズを積極的に使う
最近では犬の介護グッズがたくさん販売されていますが、多くの商品が犬の介護が簡単に行えるように工夫されたものばかりです。
例えば、30kg以上ある大型犬が歩けなくなった時に昔は飼い主1人ではお散歩させるのが非常に難しかったのですが、簡単に1人でも装着できるような車椅子が出回りリハビリも兼ねて毎日今まで通りにお散歩させる飼い主さんも増えました。
歩行のサポート用品に留まらず汚れが落ちやすい寝具や使い捨て用品など、犬の介護時の負担を軽減させてくれるグッズが今ではたくさんあります。
「ほんのひと手間」は毎日何回も繰り返し行うと意外に大変なもの。
こんな介護グッズがあったらいいな、と感じるものは大抵既に商品化されているので調べてみるのも良いでしょう。
犬の介護はこんなに素敵!精神的負担を軽減する対処方法
犬の状態にもよりますが、特に認知症の犬の介護などは飼い主さんの精神的負担が非常に大きく介護疲れで精神的に病んでしまったという話を多く聞きます。
犬の介護ノイローゼも格段に増えていますので、犬の介護時はご自身の精神ケアもとても大切になります。
犬の介護でとても大切なことは一人で抱え込まないことですが、時に考え方1つ変えるだけで精神的な負担を軽減できる場合もあります。
変わり果てた姿でもあなたの愛犬
心身ともに変わり果ててしまった犬に切なさを感じたり、時に恐怖を覚えていたりする飼い主さんが多くいます。
中には病気や不調によって急に凶暴化し飼い主さんであっても頻繁に噛みつくようになる犬もいますが、犬は病気で体調が悪い、また目や耳が老化によって機能していない場合は恐怖心で噛みつく場合もあります。
しかし犬がどんなに変り果てた姿であったとしても、目の前にいるのは楽しい時間を共に過ごした飼い主さんのことが大好きな愛犬であるということを忘れないようにしましょう。
簡単なことに聞こえるかもしれませんが、慌ただしい介護生活の中で肉体的にも精神的にも疲れてしまうと大切なことが見えなくなります。
愛犬と一緒に過ごした楽しくて幸せな思い出は介護生活の精神的力になってくれるはずです。
当たり前のことに感動できる
暗く囚われがちな犬の介護ですが、実は毎日が感動でいっぱいです。
これまで普通に食べて普通に良いうんちをしてくれた愛犬でも、そんな当たり前のことが出来なくなります。
そんな状況で介護をしていると食事内容を変えたら食べてくれた!久しぶりに良いうんちをしてくれた!犬が自分に尻尾を振ってくれた!
というような当たり前のことが奇跡かのように感じる瞬間が必ずあります。
犬の介護に疲れを感じてしまった時、小さな感動や楽しみを犬の介護の中で見出せるように考え方を少し変えてみるのも大切な対処方法です。
介護生活の方が愛犬と密な時間を送れる?
ネガティブなイメージがある介護生活は考えようによっては犬と過ごす中で一番密な時間になることも。
その理由は単純に犬と向き合う時間が増えるからでもありますが、介護する中で今まで知らなかった犬の事を知る機会が増えます。
老衰で赤ちゃん返りした犬の意外な精神面、犬は人間同様に肉体的にも精神的にも老衰によって「我慢する」ということが少なくなる傾向にあります。
これまで知らなかった犬の本来の姿と向き合う良い機会となり、振り返るととても密で愛情に溢れた介護生活だったと思える日が来るでしょう。
介護についてはとにかく色々な人に相談しよう
老犬を介護する中でとても大切なことはどんな些細なことでも誰かに相談すること。
家族や長年付き合っている友人、犬友達やペットシッターなど相手は誰でもいいので親身になって話を聞いてくれる人を探しましょう。
特に経験者に話すことで意外な解決策を掴める可能性も。
どんな悩みでも一般的に人に話すということはストレスを軽減させるのに有効的です。
楽しく介護できないのであれば人に助けを求めよう
心身共に衰えた老犬であっても飼い主の気持ちや心にはとても敏感です。
不満を抱えながらの介護、飼い主がイライラしている場合などは特に犬の精神にとっても良くありません。
最近では飼い主が介護ノイローゼになるケースも珍しくはありませんので、精神的に疲れてしまった場合は無理をせずにペットシッターや老犬施設に愛犬を託すことも対処方法の1つです。
状況によっては飼い主が介護することが犬にとっての一番の幸せではないことも往々にしてあります。
介護で助けを求めるのは恥ずかしくない!犬の介護施設について
可愛い愛犬であっても飼い主さんの肉体的理由や精神的理由によって介護できないこともあり、それは決して恥ずかしいことではありません。
犬の介護施設の利用者数は年々増加傾向にあり、介護施設に預けることは犬を捨てることとは全く異なり多くの場合は犬の老後生活を豊かにします。
飼い主さんの状況によっては、老犬介護のプロフェッショナルが介護をする方が犬にとっても幸せである場合がありますので、介護に疲れを感じて継続が難しいのであれば施設の利用を検討するのも対処方法の1つです。
犬の介護施設ってどんな所?
犬の介護施設は「老犬ホーム」と呼ばれ、飼い主が何かしらの事情で介護ができなくなった時に犬を短期、または長期で預かって介護してくれる施設です。
人間の老人ホームを思い浮かべると分かりやすいですね。
老犬の施設と聞くと少しネガティブな印象を受けがちですが、最近の老犬ホームは施設も綺麗で犬たちがお友達と楽しそうにリハビリしながら毎日を過ごしていることが殆どです。
飼い主がストレスを感じピリピリしながら介護を行うのであれば、犬にとっては老犬ホームで過ごす方が幸せな場合もあります。
どんなことをしてくれる?
老犬ホームのサービス内容は施設によって多少の差はあるものの、多くの場合は犬の食事やトイレなどのお世話に加え犬の状態に合わせてリハビリ、マッサージ、グルーミングなどを行ってくれる施設もあります。
老犬ホームは老犬が快適に過ごすために工夫されたサービスが豊富に揃っているので、一度見学に行ってみるのも良いですね。
スタッフの殆どは老犬介護士の資格保有者、老犬介護のプロフェッショナルで普段自宅では難しい夜間の見回りについても徹底している施設がたくさんあります。
気になる費用の目安は?
2016年の調査結果によると老犬ホームの年間利用料金の全国平均は566,407円、入所費用平均が157,545円です。
1年間の利用料を1か月で換算すると老犬ホームの月の利用料は47,200円程度が目安となります。
まとめ ~老犬介護に疲れたら「人に頼む」ことを考えよう!
犬の平均寿命が延びた現代では悲しいことに老衰した犬を捨てる方も非常に増え、老犬の飼育放棄が社会問題になっています。
多くの保護活動団体が捨てられた老犬を保健所から救い出していますが、根本的に捨てる人が減らない限りはいくら救ってもきりがありません。
そんな中、長年共に暮らした犬を捨てるなんてとんでもないという声も多数ありますが、介護で精神的に追い詰められて我を失っている飼い主さんも数多くいます。
犬の介護で疲れていると自覚が出た場合は、是非ペットシッターや老犬ホームなどの施設に助けを求め根本的な問題解決に繋げていただければと思います。
一人で抱え込まずに人に助けを求めることが犬の介護で疲れた時の一番の対処方法です。