犬の耳をみると耳垢がすごく溜まっていることに驚いた方は多いのではないでしょうか?
通常であれば耳垢がたくさん溜まることはほとんどありません。
そのため、もし耳垢が目で確認できるほどたくさん溜まっていたら病気が原因となっている可能性もあります。
特に茶色や黒い耳垢は要注意。
そんな犬の耳垢の色で判断をする原因や取り方、正しいケア方法をまとめました。
犬の耳垢の原因は色でチェックをする
犬の耳垢が多い場合、考えてほしいのが病気の可能性です。
実は犬はもともと、耳垢がたくさん発生する動物ではありません。
しかし、それでも耳垢がたくさん確認できたら、それは病気のサインである可能性が非常に高いのです。
まずは色でチェックをする耳垢の原因を知りましょう。
茶色
まず注意をしていただきたい色が茶色です。
茶色のベトベトとした耳垢はマラセチアに感染しているときによくみられます。
マラセチアとは、酵母菌とよばれる真菌の一種で、皮膚炎や外耳炎を引き起こす原因となります。
耳の穴を覗いたときに、ベトベトとした茶色の耳垢を発見したら、獣医師に早めに相談をし正しい治療を受けるようにしましょう。
黒色
茶色の耳垢と同じくらい注意をしていただきたいのが、黒色のポロポロと乾燥した耳垢です。
黒い耳垢は耳ダニに寄生されているときによくみられる症状です。
耳ダニは0.3〜0.5mmほどの小さなダニで、耳の穴の中で生活・繁殖をします。
感染すると黒い乾燥した耳垢が発生するだけではなく、激しいかゆみを伴うため頭を激しく振ったり、耳を傾けるそぶりがみられます。
黄色
ドロリとした黄色い膿のような耳垢は、細菌感染の可能性がとても高いです。
同時に悪臭を放つだけではなく、耳の周りが赤くなることもあります。
黄色の膿のような耳垢を発見したら、早期治療を心がけるようにしましょう。
乳白色〜薄い黄色
耳垢は耳垢でも、ほぼ透明に近い乳白色の耳垢や薄い黄色の耳垢ならば問題がない場合がほとんどです。
逆に問題のない耳垢なのに、神経質に掃除をしてしまったり綿棒で無理に掃除をしようとすると、耳を傷つけて思わぬトラブルへと繋がってしまうかもしれません。
耳垢が出ている=病気であるという決めつけは行わずに、耳垢の色や耳垢の臭いを確認し、トラブルの可能性があるのかを把握するようにしましょう。
犬の耳垢の正しい取り方
愛犬の耳垢が溜まっていると「早く取ってあげないと!」と焦ってしまいますよね。
しかし、犬の耳は大変デリケートであり、無理に力を加えてしまうとそれが原因でトラブルを招いてしまう可能性もあります。
愛犬の健康を願うのであれば、正しい耳垢の取り方について考えましょう。
耳垢は乾いたコットンなどで拭き取る
茶色い耳垢や粘り気のある耳垢を見て思わず「綿棒で取りたい!」と思うかもしれませんが、基本的に犬の耳を綿棒などで掃除するのはNGです。
犬のデリケートな耳を傷つけてしまう恐れがあります。
また、濡れたタオルやティッシュなどで拭き取るのもNGです。
犬の耳トラブルの原因の1つに耳の中が湿ってしまったことで、細菌が繁殖してしまうというものがあります。
そのため、濡れたタオルなどで拭いてしまうと耳に水気が残ってしまう可能性があるのです。
犬の耳垢を取るときは、乾いた柔らかいタオルやガーゼ、コットンなどで優しく拭くだけにしてあげましょう。
耳の穴は掃除しない
もう一点気をつけていただきたいのが、耳の穴を掃除する行為です。
人間の耳掃除の感覚で、犬の耳の穴の中に綿棒を入れて掃除をしようとする方がいらっしゃいますが、これは耳の奥に耳垢やゴミなどを押し込んでしまう可能性があります。
耳垢の正しい取り方は、耳の穴は基本的に触れず耳の外側を軽く拭くだけに留めるようにしましょう。
異常を感じたら早めに獣医師に相談をする
耳掃除や耳のケアを自分で行う前に、まず考えていただきたいのは異常を見つけたらすぐに獣医師に相談をするということです。
耳垢が茶色くなっている、膿のようなものが出ている、耳から悪臭がするなど、明らかに異常だと感じた場合は速やかに動物病院で適切な診察と治療を受けましょう。
耳の病気の中には、悪化すると入院治療となる場合もあります。
また間違ったケアをしてしまうと、それが原因で悪化してしまうこともあります。
耳垢の異変に気がついたら早めの診察を心がけ、正しい取り方をもう一度確認をし自己判断で対処をしないようにしましょう。
耳垢の色だけではない!耳トラブルのチェックポイント
耳垢がたくさん出ているとき、色以外にもいくつかチェックしていただきたいポイントがあります。
判断に迷ったら、これらの症状が出ていないかを合わせて確認しましょう。
臭い
耳垢が多いと感じたら、臭いをチェックしてください。
耳のトラブルの多くは、顔を耳に近づけると悪臭を感じます。
特に悪臭を放つ病気として知られているのが、外耳炎です。
外耳炎は放っておくと、内耳炎になり最悪の場合は入院治療となりますので早めに治療を行うようにしましょう。
見た目
耳垢が多いと同時に、耳がどのような状態になっているかも確認してください。
中には湿疹やかさぶたができている場合もあれば、赤く腫れている場合もあります。
見た目がいつもと違うと感じたときは、念のためでも結構なので獣医師の判断を仰ぐことをおすすめします。
愛犬の様子
最後にチェックをしていただきたいのが愛犬の様子です。
耳に疾患を抱えるということは、それだけ耳に何らかの不快感を感じているということです。
そのため、異常に耳を掻こうとしたり、頭を激しく振ったり、頭をどちらか一方に傾ける姿がみられます。
愛犬がいつもと違う、このような行動をしたら耳の中をチェックしてみましょう。
耳垢の色や行動をみて病気の早期発見をしてあげよう
「耳垢が多いかな・・・?」と感じたら、気のせいだと思うのではなく念のためにトラブルが発生していないか確認をしましょう。
そっと耳を覗いてみたら茶色や黒色の耳垢が大量に発生をしているだけではなく、悪臭をともなう膿が発生しているかもしれません。
その原因の多くが、病気によるもの。
どのような病気でも、早期発見、早期治療が健康へとつながります。
ぜひ、愛犬の耳垢が多いと感じたら色に注目して早めに対策を取るようにしてください。
また耳垢の正しい取り方を確認し、愛犬に快適な生活を送らせてあげましょう!