犬を飼っている皆さんは愛犬の老後のケアについてどれだけ気を使っているでしょうか。
犬も人間と同じように年を重ねると日頃の生活スタイルや身体機能に関して様々な変化が起きます。
特に生活の基盤である食生活において、食事のとり方や食欲には著しい変化が生じるため、飼い主はそれらのサインを予めしっかり理解しておき犬の健康的な生活のためにも対策する必要があります。
犬の老化の時期
犬は人間の数倍のペースで年を取ると一般的には言われていますが、犬が老化のサインを示すようになる時期は各犬の平均寿命が大きく関係しています。
小型犬の場合、平均寿命は13歳?15歳、中型犬の場合12?14歳、大型犬が10歳程度と言われています。
生活環境や個体差によって異なるため一概には言えませんが、小型犬・中型犬の場合10歳前後から、大型犬の場合は8歳前後から高齢犬と定義されるようになり、様々な老化のサインを示すようになります。
犬がいつまでも快適な生活を送るためにも飼い主はこれらの年齢を目安に犬のケアや老化対策についてしっかりと考えることが重要な責任の一つです。
シニア犬が示す老化の4つのサイン
犬は人間とは違い高齢期に入ったら外見以上に内面に関していくつかの老化のサインを示し高齢期の時期も犬によって異なります。
そのため、それらのサインについて知っていないとついつい見落としてしまう可能性があります。
そこで、シニア犬が示す主な4つの老化のサインについて見ていきましょう。
サイン1:睡眠時間が増える
シニア犬が示す老化のサインとして、睡眠時間が単純に増えるということが挙げられます。
一般的に犬の睡眠サイクルは人間と同様に夜間?早朝に掛けて睡眠を取ります。
しかし、犬は年を重ねるごとによって睡眠時間が長くなり昼ごろまで寝ているといった傾向が見られると高齢期に入っているサインです。
また、通常起きていて遊びや散歩をする時間に昼寝をしている、そもそも遊びに興味がなくなり一日中ゴロゴロしているといった行動もシニア犬が頻繁に示すサインとなります。
サイン2:散歩や運動を嫌がる
シニア犬は今まで大好きだった散歩や運動など外出をすること自体嫌がるようになる傾向があります。
散歩に連れ出しても歩くスピードが遅い、「すぐ帰りたい!」といったサインを示すのも老化が原因かもしれません。
老犬にとって長時間の散歩や運動というのは身体に相当な負担を掛けるため、そのような兆候を示す場合には無理に運動させようとせずに犬のペースを保ってあげることが重要です。
また、散歩や運動時間が減るということはそれだけ肥満のリスクも増えるため、適度な運動や食事管理はシニア犬にとっても必須事項です。
サイン3:身体機能や感覚器官の衰え
犬も人間と同じように、年齢を重ねると身体機能や感覚器官の活動が徐々に衰えてきます。
身体機能が低下することによって散歩や運動もそうですが、トイレに行く、小さな段差を乗り越えるなど単純な移動も嫌がるようになります。
また、尻尾や触覚などの感覚器官に関しても衰えが見られるようになり、その結果ちょっとした障害物に気づかずにぶつかってしまう、まっすぐ歩くことが難しくなったといった兆候も老化が原因であることが多いです。
サイン4:食欲の低下
犬の老化のサインとして特に著しくみられるのが食欲の低下です。
老犬になると食欲が低下する原因として、体内にある消化器官系の働きの低下が考えられます。
食べ物を体内に取り入れてもそれらを消化し排泄物として身体の外へ排出するための臓器の働きが弱まるため、自然と食事の量や頻度、また食欲そのものも低くなってしまうのです。
また、口内の唾液の量が減ることによって食べ物のカスが歯の間に挟まりやすくなり、その結果歯周病や口臭の原因にもなるため老犬になったら口内ケアも同時にしてあげることが必要になります。
シニア犬のための食事対策とは?
シニア犬が示す老化のサインの一つとして食欲の低下を挙げましたが、たとえ食欲がないからといって食事を与えないのは愛犬の健康に悪影響を与えるため特に注意をする必要があります。
そこで、愛犬が高齢になり老化のサインを示すようになったら是非実践したいシニア犬のための食事対策についてご紹介します。
食事の栄養には特に気をつける
先程も述べましたが、犬が高齢期に入ると運動量が減り肥満になるリスクが高まります。
そのため、食事の栄養素に関しては特に注意をする必要があります。
高齢犬の食事としては低脂肪・低カロリーのメニューを心掛けることをオススメします。
脂肪やカロリーというのは肥満の原因だけでなく関節や骨、また臓器にも影響を与えることで更なる健康被害を及ぼす可能性があるため気を付ける必要があるのです。
また、足腰が弱くなった老犬の筋力を維持するためには質の良いタンパク質も必要不可欠となるため、これらの栄養素に気を付けながらドックフードを選んであげましょう。
食欲が無い時は与え方を工夫してみる
食事の栄養素ももちろん重要ですが、そもそも食欲が無く食事を取りたがらない場合には食事の与え方を工夫してみましょう。
効果的な手段としては少量を複数回に分けて与える、またペットフードをお湯でふやかして食べやすくしてあげるなどの方法が挙げられます。
唾液が少なくなり食べ物を消化しづらくなる老犬にとってペットフードなどのドライフードを食べる事自体負担に感じる場合があります。
そのため、お湯で柔らかくしてから食べさせる、消化しやすく体内に取り込みやすい形状のドックフードを選ぶなど食事の与え方を工夫してみましょう。
シニア犬の老化のサインや食事対策まとめ
今回はシニア犬が示す主な老化のサインや食事対策について紹介しました。
犬の老化自体を止めることはできませんが、高齢期になっても快適に生活していくためにも以上で紹介したいくつかのサインを飼い主がしっかり見極め、早急に対処してあげることが大切です。
また、日常生活の基盤である食事に関しては特に注意が必要です。
老犬の場合食べ物を上手く消化できない、また食欲がなくなるといった傾向を見せるため、少量でも栄養価の高い食事を与える、食べやすいように食事の仕方を工夫するといったことも重要です。