犬とじゃれ合っている際に、よく舌でペロペロと顔を舐められるという経験をしたことがある人は少なくないと思います。
しかし、犬がそのような行動を取ることにはいくつかの理由があり、飼い主との良い関係を築くためにもその心理について知る必要があるため、それらについて一緒に考えて行きましょう。
犬が顔を舐める=犬にとってのコミュニケーション
当然ですが犬は人間の言葉を話せないため、飼い主と犬はお互いの考えていることや気持ちなどを100%理解することはできません。
しかし、犬は人間に対してすり寄ってきたり吠えたりして自分の感情や心理状態を伝えようとするのと同様、顔を舐めるという行動も犬にとっては重要なコミュニケーション手段の一つなのです。
飼い主と犬とがお互いに理解し合い、良好な関係を築くためにも飼い主はそれらのサインや意味について理解することが重要です。
犬が人間の顔を舐める理由や心理とは?
それではなぜ犬は人間の顔を舐めるのでしょうか。
その4つの主な理由や犬の心理について一緒に考えて行きましょう。
愛犬ともっと仲良く、幸せに暮らすためには犬の気持ちやストレス状態をしっかりと理解するのが大切です。
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理由1:犬の本来の習性
犬が人間の顔を舐める1つ目の理由として、犬本来の習性が関係しています。
犬の祖先でもあるオオカミは群れを成して生活しており、その群れの中には必ずリーダー格のオオカミがいます。
そのため、群れの中での上下関係ももちろん存在します。
その上下関係はそれぞれのオオカミの身体能力や強さも示しており、弱いオオカミが強いオオカミに対して敬意を評したり挨拶の手段として顔を舐める習性があります。
つまり、オオカミの血を引いている犬もペットとして飼われていてもその本能から自分の主人、すなわち飼い主に対してしっかりとした信頼関係や主従関係が築かれている場合、また人間を目上の者であると認識している際に顔を舐めるという行為をするのです。
理由2:お腹が空いている
犬はお腹が空いている時やお菓子などの何か食べ物がほしい時に人間の顔を舐める場合もあります。
これも犬本来の習性で、群れにいる子どものオオカミは自分で狩りができないため、母親が食事を与えます。
その際に狩りから帰ってきた母親の口を舐め、エサがほしいことをアピールするのです。
これと同様に、家庭に飼われている犬も食事の時間やおやつがほしい時に飼い主のところに寄ってきて顔を舐めるのです。
理由3:ストレスや不安感を抱えている
犬が人懐っこい性格をしている場合が多いですが、逆を言えば相手をしてあげないと不安感やストレスなどを感じやすい動物です。
例えば、一人で長時間のお留守番をさせる、犬がすり寄ってきた際に無視するなどという行為を飼い主がしてしまうと、ストレスや不安感にかられ最悪の場合強迫性障害になってしまう可能性もあります。
その不安感やストレスを少しでも和らげたり、自分自身を落ち着かせるために飼い主の顔を舐めるという行動をするのです。
犬が頻繁に顔を舐めてくる、常に飼い主にすり寄ってくる場合は非常に不安定な心理状態に落ちついている場合があり、心のバランスがしっかり取れてない可能性もあるため飼い主は日頃からそのような行動に注意する必要があります。
理由4:飼い主への愛情表現
ストレスや不安感を抱えている心理状態とは真逆の理由ですが、犬が飼い主に対して愛情や信頼感を抱いている際にそれらを表現する手段として顔を舐めます。
特に生まれたときから飼い主のもとで育った犬にとって、飼い主は本当の母親のような存在なのでそれだけ愛情や信頼感を示しやすくなるのです。
あまりにも積極的に顔を舐めてくる場合や社交的すぎる性格の場合、飼い主にとってはすこし扱いづらいかもしれませんが、精神状態に関して特に異常があるわけではないので心配する必要はありません。
犬が人間の顔を舐めるデメリットや注意点
以上の4点が犬が飼い主の顔を舐める主な理由となります。
しかし、このようにいくつかの理由があることから、現在の犬の心理状態や感情を性格に判断することは非常に難しいです。
そのため、舐めるという行動だけではなく犬の表情や日常の接し方についてもよく考えて対処してあげることが大切です。
また、顔を舐めるという行為は犬にとって重要なコミュニケーションですが、人間にとってはデメリットになるケースもあるためその注意点について見ていきましょう。
人間がケガをする恐れがある
犬が人間の顔を舐める場合、非常に興奮状態であるときがあります。
そのため、特にゴールデン・レトリーバーやセント・バーナーなどの大型犬が近寄ってきて飼い主の顔を舐めようとする際に、牙や爪が引っかかりケガをする恐れがあります。
舐める行為を控えさせたい時はしつけをすることが肝心です。
具体的なしつけ方法として、犬が飼い主の顔を舐めようと近づいてきたら無視する、相手にせずにそっぽを向く、という方法が最も効率的なしつけ方法となります。
感染症など病気になることも
犬は散歩中などに他の犬の排泄物等の臭いを嗅いだり興味のあるものを何でも口に含んだりする習性が、口内に多くの細菌やばい菌を含んでいる場合があります。
その口内状態で犬に顔を舐められるとパスツレラ病という感染症を発症し、最悪の場合命に関わる事もあります。
また、飼い主の顔を舐めることで一緒にお化粧の粉も口に含んでしまう恐れがあり、その結果体調を崩してしまう場合もあります。
そのため、特に免疫力が低い幼児や子供などに犬が顔や口を舐めることは極力控えたほうが良いでしょう。
犬が人間の顔を舐める理由や心理とは?まとめ
今回は犬が人間の顔を舐める理由やその心理について詳しく解説しました。
犬はイヌ科としてのもともとの習性がその行為をすることに大きく関わっており、飼い主との主従関係や信頼関係を示すためのコミュニケーション手段として人間の顔を舐めるという行動をします。
その他にも空腹感や不安感、ストレスなど犬自身の心理状態や精神状態を飼い主に対して訴える際に同じような行動をします。
いずれにしても、犬にとって飼い主の顔を舐めるという行為は重要なコミュニケーション手段の一つであるため、飼い主はそれらのサインをしっかり判断し対処してあげる必要があるのです。