ヨークシャテリア

前髪が長い犬は目が見えてるの?視野が狭い犬種を飼う時の注意点

毛が伸びるタイプの犬種は、前髪も長く伸びてしまいます。目が前髪に覆われてしまった視野の狭い犬たちの視界は、どのように見えるのでしょうか。そして、長い前髪を放置することにリスクはあるのでしょうか。生活をする上での注意点をご紹介します。

体の毛が伸びる犬は、トリミングの期間が開いてしまうと、顔や目に前髪がかかってしまうことがあります。

前髪が長い犬は、視野が狭くなるだけでなく、様々なリスクを抱えています。

どんな犬種が前髪が伸びやすいのか、伸びてしまった場合はその犬たちはちゃんと目が見えているのか。

それに伴うリスクや病気、日常生活において注意したいことをご紹介します。

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前髪が長く視野の狭い犬種

寝ている犬

犬には、ラブラドール・レトリバーなどの毛が伸びないタイプと、ヨークシャー・テリアなどの毛が伸びるタイプがあります。

以下では、牧羊犬としても有名な犬種と、家庭犬として多く飼育されている犬種を紹介します。

オールド・イングリッシュ・シープドッグ

オールド・イングリッシュ・シープドッグは、イギリス生まれで、賢く、牧羊犬としても活躍する犬です。

全身モフモフとした毛に覆われ、目が前髪に隠れてしまっているのが特徴的な犬です。

コモンドール

コモンドールは、シープドッグと同じく牧羊犬として活躍した歴史を持っています。

全身の縮れた毛がモップのように見えることから、モップ犬とも呼ばれます。

ヨークシャー・テリアなどのテリア犬

全身の毛が長く、伸ばしてトリミングを楽しむ方も多いのではないでしょうか。

前髪や眉毛も伸びやすく、目にかかってしまうことがあります。

シュナウザー

シュナウザーは、前髪というよりおじいさんを思わせるようなボサッとした眉毛が特徴的ですね。

眉毛が伸びることにより、テリア犬と同様に毛が目にかかってしまいます。

前髪が長い理由とその歴史

毛が伸びるタイプや前髪が長い犬種が、そのようなスタイルになったのには理由があります。

オールド・イングリッシュ・シープドッグやコモンドールは目が敏感であり、歳を取ると
白内障を発症しやすいと言われています。

牧羊犬として働くなか、まぶしい光や紫外線から目を守るために前髪が伸びるようになったと考えられています。

そのため、その時代では白内障を予防するために前髪は切らずに生活していました。

ヨークシャー・テリアなど体の毛が長く伸びる犬は、寒い地方で生まれた犬が多く、
その長い毛が身体の保温機能を有しています。

一定の長さまでしか毛が伸びない犬とは違いトリミングが必要で、前髪が長く伸びてしまうと顔や目が隠れてしまうのです。

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目は見えているのか?犬の視力、物の見え方とは

洋犬1

上記のような、前髪で目が隠れがちな視野の狭い犬たちは、実際には目が見えているのでしょうか。

実は犬たちは、人間とは異なる物の見え方をしています。

よって、私たち人間が思っているほど生活に支障はないと言えます。

犬の視力や、物の見え方・捉え方はこのようになっています。

視力は0.3未満!ぼんやりとしか見えない世界

犬の視力は0.2~0.3ほどだと言われています。

犬は目が外側を向いていることから焦点を合わせづらく、視界がぼんやりとしか見えていません。

しかし、そのぶん視野は広くなりなります。

人間の視野は180度だと言われていますが、犬は250度~270度の視野を持っています。

また、動体視力が優れており、動くものを捉えることを得意としています。

視力は人間に劣るものの、狩りなど標的物を捉えるという点では、犬は優れた能力を発揮することができるのです。

犬の優れた感覚機能

犬が物を見るとき、視覚以外の機能も使って認識しています。

聴覚や嗅覚、触覚などで物や障害物を察知し、距離などを測ることができます。

犬の聴覚は、人間が聞こえる音の6分の1の音を聞き取ることができると言われています。

また、その音を聞き取ることのできる範囲は人間の4倍にもなります。

そして、最も優れていると言われる犬の嗅覚は、人間の1000倍~1憶倍もあります。

このような優れた感覚を使うことで、たとえ視力が0.3未満であっても難なく生活を送ることができているのです。

前髪が長いと起こるリスク、日常生活で注意したいこと

犬には優れた感覚機能があり、たとえ前髪が伸びていても日常生活を過ごすうえでそれが障害となることはあまりありません。

でなければ、前髪が長く視野が狭いであろうオールド・イングリッシュ・シープドッグやコモンドールが牧羊犬としての役割を果たすことは困難であると言えるからです。

じゃあ、伸びっぱなしでもいいの?と、そういうわけではありません。

前髪が長い場合、日常生活において注意しなければならないこともあります。

怪我を負うリスク

家の中や庭、散歩道は、昔のイギリスの牧場などとは違います。

狭く、家具や段差、車などの危険な障害物が多い場所になります。

広い大地を駆け回るのとは違い、障害物が多い場所ではやはり視界は開けていたほうが安全でしょう。

前髪は定期的にトリミングする、伸ばしたいのなら専用のゴムなどでくくるなど、周囲を見渡しやすいようにしてあげましょう。

角膜炎のリスク

角膜とは、黒目の部分を覆っている膜のことです。

その角膜が細菌に感染し炎症が起こる病気を角膜炎といいます。

前髪が長いことで目の角膜を傷つけ、毛に付着している雑菌が目の中に侵入しやすくなります。

この病気では強い痛みを伴い、
・足や床などを使って目をこする動作がみられる
・目ヤニや涙が多くなる
・角膜が白く濁る
などの症状が現れます。

症状が軽い場合は対症療法で治療が行われますが、悪化した場合は外科的手術が必要になり、
最悪の場合は失明する怖い病気です。

結膜炎

結膜とは、白目の部分を覆っている膜のことです。

ウイルスや細菌の感染のほかに、異物が目に侵入することで炎症を起こします。

角膜炎と同様に、前髪が長いと結膜炎を発症するリスクも高くなります。

症状として、
・目が腫れたようになり、白目の部分が充血する
・足や床などを使って目をこする動作がみられる
・目ヤニや涙が多くなる
などが現れます。

犬は黒目が大きく、白目の部分が隠れているため気づきにくいことがあります。

目に前髪や眉毛がかかりやすい犬種は、日頃からこのような症状がないかを観察しておきましょう。

まとめ

犬は優れた感覚機能を持っていることから、前髪が長くとも日常生活を難なく過ごすことが可能です。

牧羊犬という歴史を持つ、前髪の長いオールド・イングリッシュ・シープドッグやコモンドールもしっかりとその責務を果たしてきました。

そして、前髪が長いのは敏感である目を紫外線などから守るためでもありました。

しかし、現代飼育されている犬たちに、その前髪はもう必要ありません。

前髪を伸ばすことで、視野が狭くなり事故や怪我を招くことや、目の病気を患う危険性があるからです。

犬たちの安全で快適な生活のためにも、前髪は伸ばさず整えてあげるのが良いでしょう。

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