季節に合わせて犬の健康管理をしっかりと行っていますか?
日本は四季のある国ですので、季節によって気温が大きく上下し犬の健康管理にも気を付けなくてはいけません。
今回は、気温が下がり始める9月から10月、11月にかけての秋に気を付けたい犬の病気について抜け毛や食欲の変動を中心にご紹介致しますので是非参考にしてください。
どうして秋には注意が必要?
夏バテという言葉は誰でも聞いたことがあるかと思いますが、最近では犬の秋バテという言葉も耳にするようになりました。
秋は夏に蓄積した疲れが出やすい時期で免疫力も低下する傾向にあり、毛の生え変わりが行われたり冬に向けて脂肪を蓄積したりと犬の体の内部変化も激しい季節ですので、犬の健康管理には気を付けましょう。
秋に注意したい犬の抜け毛
秋に急に犬の毛がたくさん抜け落ちて驚いた経験はありませんか?
一般的に秋の抜け毛の原因は「換毛期による生え変わりで起こる抜け毛」と「ノミによる皮膚炎で起こる抜け毛」です。
換毛期による抜け毛
犬には毛が生え変わる抜け毛の季節「換毛期」が春と秋に訪れます。
基本的に犬に関しては犬種に関わらず換毛期が訪れますが、特にダブルコートの犬種の場合は下毛であるアンダーコートが大量に抜けます。
換毛期による抜け毛については自然の現象ですので心配する必要はありませんが、秋はブラッシングが非常に大切となります。
抜け毛が皮膚の上に溜まっていくと毛玉ができたり皮膚炎の原因になったりするので、秋は毎日のブラッシングを怠らないように注意しましょう。
ノミによる抜け毛
ノミは犬や猫に寄生し抜け毛を初めとし様々な症状を引き起こす恐ろしい外部寄生虫で、主な病気はノミアレルギーによる皮膚炎です。
この皮膚炎はノミが犬の血を吸う際にノミの唾液によって、またはノミの糞によって引き起こされるアレルギー反応で、皮膚炎になると抜け毛だけでなく、激しい痒みや痛み、発疹を引き起こすため犬の生活に支障をきたします。
ノミがたくさん犬に寄生してしまった場合は、貧血症状も現れる恐れがあるので注意が必要です。
夏の中旬から秋はノミの数が増えるのでしっかりとノミ対策を行わなくてはいけません。
獣医師相談のもと駆除薬を投与し、お散歩の時に犬用の虫よけスプレーを使うのも効果的です。
秋に注意したい犬の食欲
犬も人間同様に秋になると食欲が増す傾向にあります。
冬に向けて脂肪を蓄積しようと体が反応する、また夏に消費した体力を回復させるために体が脂肪を蓄積しようとして食欲が上がります。
この時に恐ろしいのが肥満ですが、あまり肥満に関して注意を払っていない飼い主さんが多いのが現状です。
しかしながら、実は肥満は多くの病気を引き起こす恐れのある病気の予備軍なのです。
肥満による足腰の病気
食欲が上がり肥満になると足腰への負担が大きくかかり病気の原因となります。
肥満によって引き起こされる主な足腰の病気は、関節炎と椎間板ヘルニアです。
関節炎は、関節に負担がかかることによって痛みや歩行困難といった症状を引き起こします。
脚の形がX脚やO脚になってしまうこともあるので注意が必要です。
椎間板ヘルニアは、腰に負担がかかっている状態で犬が運動をすることにより椎間板が飛び出してしまう病気で、神経を圧迫して最悪の場合は麻痺を引き起こす恐れがあります。
呼吸困難を引き起こす気管虚脱
犬が肥満になると余分な脂肪によって肺の拡張機能を妨げ、呼吸に関わる様々な症状を引き起こす要因となります。
また、肥満の犬を中心にトイ犬種や小型犬に注意が必要な気管虚脱は、気管を構成している軟骨部分や気管自体が正常な状態を維持することができなくなるので、呼吸が荒くなったり呼吸困難に陥ったりする恐ろしい病気です。
肥満犬の代表的な病気である糖尿病
犬も人間同様に肥満によって引き起こされる糖尿病は深刻な問題となっています。
糖尿病とは内分泌系の病気で、通常犬はインスリンというホルモンが膵臓から分泌されて、インスリンによって細胞内に糖が吸収されたり肝臓の栄養素を蓄える助けをしたりしています。
糖尿病になるとこのインスリンが不足して、犬の体は栄養素を上手く取り込めない状態となります。
よく言われる症状は多飲多尿ですが、その他にも食欲があるのに体重が減る、肝臓の膨らみによって腹部が大きく見えることもあります。
命に関わりやすい心臓病
犬も肥満になると心臓への負担が大きくかかり心臓病になりやすい体質になりますので、細心の注意が必要です。
肥満になると体脂肪が増えることにより血管も増え、心臓に送り出す血液量も必然的に多くなります。
この時心臓は大量の血液の流れを受け止めるため、心臓自体が大きくなって心肥大を引き起こす原因にもなります。
秋の犬の健康管理とは?
秋は犬の免疫力も低下しやすく体の変化も激しい季節ですので、しっかりと健康管理を行ってあげる必要があります。
食事管理をしっかりと!
秋に入ると犬の体が冬に向けて脂肪を蓄積しようと食欲が上がる傾向にあります。
また、逆に秋初旬では夏バテをぶり返して食欲が落ちてしまう犬もいますので、食事管理はしっかりと行いましょう。
温度管理を徹底しよう!
秋と言っても9月はまだ猛暑となることもありますので暑さ対策を継続しなくてはいけない地域もあります。
また、室内と室外の温度差が激しすぎて体調を崩してしまう犬もいるので温度管理に注意が必要です。
皮膚トラブルに気を付けよう!
秋になると気温が下がって湿度も下がるため皮膚や被毛が乾燥しやすい状態になります。
被毛が乾燥していないか、フケが出ていないか、体を痒がる様子がないかしっかりと確認してあげましょう。
必要であれば犬の皮膚や被毛の保湿液を利用するのも効果的です。
ブラッシングをしよう!
普段ブラッシングが必要ない犬であっても、換毛期によって毛が大量に抜ける場合は日々のブラッシングを欠かさないようにしましょう。
アレルギーに要注意!
秋は免疫力が低下しアレルゲンに反応しやすい時期となるので、アレルギー全般に関して症状がでていないか日々気を付けてあげましょう。
虫対策をしよう!
秋はノミが活動しやすく、秋初旬ではまだフィラリアやダニに注意が必要です。
獣医師に相談の上しっかりと予防をしましょう。
まとめ~秋は犬の健康管理をしっかりと
秋にかかりやすい抜け毛と食欲に関わる病気や健康管理についてご紹介致しましたが、秋や季節の変わり目は特に犬の免疫力が落ちやすく犬の体内の変化も激しくなることから病気にかかりやすいので注意が必要です。
季節問わずに犬の健康管理は大切ですが、秋は病気にかかりやすい季節でもありますので普段に増して健康管理をしっかりと行いましょう。