犬を飼いたいと考えたことはありますか?
そんな時に考えてほしいのが「犬を飼うということは重大な責任を負うということ」です。
犬を飼うということは1つの命を委ねられるということであり、そう簡単なものではないのです。
犬の終生飼養は絶対ですし金銭的余裕、時間的余裕も必要です。
今回は、里親を始めとする犬を飼いたいと考えている方に是非読んでほしい必要な心構えや条件についてご紹介致します。
犬を飼うということ
日本はペットブームもあり、犬を飼うということを安易に考えて犬を捨ててしまう人も数多くいます。
2018年度の全国犬猫飼育実態調査結果によると国内で飼われている犬の数は890万3千頭。
過去の統計となりますが、2017年度に保健所に持ち込まれた犬の数は10万631頭です。
犬を飼うということは、これまでの生活基盤がガラッと変わると言っていいほど本当に大変なことなのです。
犬を飼う時の大切な心構え
里親を始めとし犬を飼うことは1つの命を背負うことですので、犬に幸せな人生を送らせてあげるために飼い主は努力しなくてはいけません。
もちろん犬は楽しくて幸せな時間を人間に与えてくれますが、犬を飼うということは良い面だけではないということも知っておく必要があります。
ただ単純に犬が好きというだけでなく、しっかりとした心構えで犬を迎え入れましょう。
犬は飼い主以外に頼れる人がいない
犬を迎え入れたその日から犬に関しての全責任が飼い主に委ねられます。
ご飯や水を与えるのも飼い主ですし、病気になったらどう対処するのか最終結論を出すのも飼い主です。
また犬が何かしらのトラブルを起こした場合も飼い主に責任がのしかかります。
当たり前のことではありますが、この基本的なことに関して心構えをせずに安易に犬を飼って捨ててしまう人が多いのが現状です。
犬を飼うということは1つの命を託されるということですのでしっかりとした心構えで犬を迎え入れましょう。
犬を迎え入れたら終生飼養が基本
犬を飼うということは物を買うこととは全く異なり、何かしらの問題が生じたからといって 途中で投げ出すわけにはいきません。
また、人間の子供は成長していく中で大抵は自立しますが、犬に自立して生活を送らせることはできません。
飼い主には犬の生涯を豊かにするための責任がありますので、犬を飼う場合は終生飼養であるという心構えをしっかりとしましょう。
犬を無条件に愛せますか?
とても大切なことは犬がどんな状況であっても無条件に犬を愛せるかどうかです。
当たり前のことですが犬も人間同様、歳をとれば容姿も変わり性格が変わることもあります。
容姿については、白内障になれば透き通った綺麗な目も濁り毛だって艶を無くします。
性格については、老化や病気によって今まで噛みついたことがなかった犬が飼い主に急に噛みつくようになる場合もあり、粗相だって頻繁にするかもしれません。
これらは例え話ですが、考えてほしいのは犬がどんな容姿になろうが、どんなに手がかかるようになろうが無条件に犬を愛することができるかどうかです。
犬を飼う時の11の条件
犬を飼う時の心構えを紹介致しましたが、里親含め犬を家族として迎え入れる場合にはしっかりとした心構えも大切ですが、生活環境、金銭的余裕や時間的余裕などの最低限の条件も必要となります。
ここでは犬を迎え入れる前に知ってほしい条件について基本的なことをお話致します。
金銭的な余裕がありますか?
犬にお金がかかるのは飼い始めだけではありません。
継続して必要となるお金は食費、生活用品、医療費、トリミング代など様々で犬によってかかる費用も異なります。
飼い主が犬に費やす費用については差が大きくでる為一概には言えませんが、参考までにアニコム損害保険株式会社の調査によると2018年度に飼い主が犬のために使った費用の平均は1年間で48万420円。
この調査結果を元に考えると、犬が14歳まで生きたとすると犬の一生にかかる費用の合計額は670万を超える金額となります。
※犬がいることによっての空調・光熱費等も含む
時間的な余裕がありますか?
犬は基本的には猫など他のペットよりもお世話する時間がかかります。
犬を飼ったら手のかかる人間の子供が1人増えるような感覚でしょう。
食事、お散歩、お手入れなどに費やす基本的な時間はもちろん必要ですが、それ以外にも飼い主と過ごす時間は犬にとってとても大切です。
最近では犬を連れていける場所が増えて「出かける時は犬と一緒に」という認識が広まりましたが、犬を家族として迎え入れるのであれば自分の時間の大半を犬と共有するくらいの気持ちが必要です。
外泊する日が多くありませんか?
頻繁に外泊しなくてはいけないような事情がある場合はしっかりと考える必要があります。
旅行好きであったり仕事の出張が多かったりする場合に、犬を一人で留守番させるわけにはいきません。
最近ではペットホテルやペットシッターの需要も高まっていますが、他人に犬を預けなくてはいけないような状況が多い方は犬を飼うのは避けるべきでしょう。
住宅は犬を飼える状況ですか?
動物愛護団体の方々とお話をする際に必ず犬を捨てる理由で挙げられるのが、ペット禁止の集合住宅で犬を飼っていて注意を受けた、または出ていくよう命じられたというような案件です。
犬を飼うのに適切な広さがあるかなどの環境についても考慮する必要もありますが、絶対条件は犬を飼っても良い住宅に住んでいるかです。
万が一の時に後見人がいますか?
自分に万が一のことが起こった時に犬を託せる家族がいることが理想ですが、同居している家族でなくても信頼できる身内や友人がいるかがとても重要です。
いつ何があるか分かりませんので、自分が元気なうちに犬が好きで信用できる方に話をしっかりとしておくと良いでしょう。 後見人がいるかどうかは犬の命に関わる重要事項です。
家族全員が合意していますか?
犬は人間の子供同様に1つの命ですので迎え入れるにあたっては家族全員の合意が必要です。
基本的に犬の平均寿命は12~15歳程度で平均寿命は年々延びています。
犬は長い時間を共にする家族となりますので、家族全員が合意して愛情豊かな環境で飼うことが大切です。
犬アレルギーはありませんか?
犬が大好きであっても犬アレルギーがひどい方は飼うのを避けた方が良いでしょう。
犬アレルギーとは、犬の毛やふけ、唾液や糞尿により引き起こされるアレルギー症状で免疫反応が過剰に反応することで発生します。
よくある症状は痒みですが実は症状はそれだけでなく、喘息、嘔吐、下痢、吐き気、めまい等が起こる場合もあるので、犬を迎え入れる前に犬アレルギーの検査をしておくと良いでしょう。
また、犬を飼い始めた時はアレルギーがなかったのに突然アレルギーが出たなんていう話もよくありますが、その場合は飼い主がしっかりと治療を受ける、症状を軽減するために犬と暮らす部屋の衛生管理を徹底するなどの配慮が必要です。
犬のお世話をする体力がありますか?
犬種にもよりますが基本的に犬を飼うのには最低限の体力は必要です。
犬にお散歩などの運動は必須ですので、自分の健康面の予測は最低でも犬の平均寿命まで考慮しましょう。
また、運動ができなくなった犬であっても状況によっては介護が必要となり、犬の年齢にかかわらず犬を飼うためには体力が必要です。
犬の介護の大変さを覚悟していますか?
犬の医療の発展、フードの高品質化、室内飼育の徹底により犬の平均寿命は年々延びており介護の必要性も増しています。
犬の介護は精神的にも肉体的にも大変になりがちで、犬の介護ノイローゼになってしまう方もいるほどです。
最近では老犬ホームも増えていますが飼い主が介護できるのであればそれに越したことはありませんので、犬の介護の大変さについて犬を飼う時にしっかりと考えておきましょう。
最低限の躾はできますか?
犬を飼う時に大切なことは他人に迷惑をかけないことです。
保健所に収容される犬の多くは凶暴性があるなど精神的な問題を抱えている場合も多くあります。
特に他人や他の動物に危害を加えることは避けなくてはいけませんが、飼い主にとっても犬にとっても共に快適に暮らしたいのであれば最低限の躾は必要です。
里親になる時は既に成犬である場合が多いので、ドッグトレーナーなど専門家に相談するのも良いでしょう。
犬に関しての基礎知識はありますか?
意外に大切なのが犬に関しての基礎的な知識があるか否かです。
「こんなに大変だと思わなかった」、「こんなはずじゃなかった」などという、飼い主の想像していた理想と実際の犬との生活にギャップがありすぎて犬が捨てられるケースがたくさんあります。
犬という動物を全く知らない状態で飼う場合と、ある程度の基礎知識を持って飼う場合では雲泥の差があります。
初めて犬を飼う時は、犬の飼い方や躾の方法、病気に関する知識やお手入れ方法などの基礎知識はしっかりと勉強しておきましょう。
まとめ~犬を飼う時はしっかりと考えよう~
今回は犬を飼う時の心構えや条件を中心にご紹介致しましたが、「犬を飼うのってこんなに大変なの?」と感じた方も多くいらっしゃるかと思います。
犬を飼うということはもちろんメリットもたくさんあり、メリットの有無に関わらず犬の存在自体が人の心を豊かにしてくれる場合が殆どですので、里親含め犬を家族に迎え入れるということはとても素敵なことです。
しかしながら、里親募集していて可哀そうだから飼う、可愛いから飼う、好きだから飼うという安易な考えで飼ってはいけません。
犬は1つの命ですので愛情を注ぐのはもちろんですが、飼う前にしっかりと心構えをし、自分が現実的に飼えるかという条件についても知っておく必要があります。