犬のシニアとは何歳からかご存知ですか?
シニアになる年齢は犬種によっても様々ですが、基本的に犬は人間の5倍のスピードで歳をとります。
今は元気な愛犬であっても必ず老化が始まり食事の見直しと生活環境の見直しが必要になります。
今回は犬の老化について老化が始まる年齢や老化のサイン、これからの飼い方などを幅広くご紹介致しますので、愛犬に老化のサインが現れたら早めに対策を行いましょう。
犬のシニアは平均7歳から?
犬のシニア年齢というものはとても曖昧であり、犬種や大きさに留まらずにシニア期を迎えるまでの生活環境や個体差によっても大きく異なり、正確に何歳だとは言えません。
ただし平均的なシニア年齢の目安は7歳からであると言われており、多くのペットフードメーカーでも7歳からのシニア用フードが販売されています。
犬のサイズ別で考えるシニア年齢
基本的な目安として犬のサイズ別でシニア年齢を確認することができます。
目安として小型犬は10歳から、中型犬は7歳から、大型犬は5歳からがシニア犬となります。
これらの平均値を求めると全体的なシニア年齢は7.3歳となります。
こんな症状がでたらシニア犬?老化がはじまるサイン
犬のシニア年齢を目安から判断するのも大切ではありますが、犬によっての個体差が非常に大きいためシニア犬によくある体の症状からシニアか否かを判断をして、食生活や生活環境の見直しをすることが大切です。
シニア犬の介護は知識もなく行うのは大変なことです。
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毛並みが悪くなったら老化のサイン
犬も人間同様に老化によって毛に艶が無くなることがあります。
シニア期に入ると皮膚の代謝が悪くなることが原因で毛並みが悪くなり、皮膚が固くなったり乾燥したりしてふけが出ることもしばしばあります。
毛並みもさることながら毛があまり抜けなくなった場合も老化のサイン。
換毛期がずれたり白い毛が増えたりします。
理由は様々!元気がなくなったら要注意
シニア期になると何かしらの病気を発症している場合が多く、肉体的には体の不調によって元気が無くなったり食欲が低下したりします。
元気や活気がなくなったらそれは老化のサインかもしれません。
目が濁り始めたら老化に伴う病気?
シニアに多い白内障や角膜炎が原因で目が濁って見えることがあります。
普段凶暴性がないのに触ろうとしたら急に噛みついた、という話を頻繁に耳にしますがこれは視力が落ちていて犬からしたら急に触られ恐怖で噛みつくことがあります。
目については視力の低下も進行しやすいので要注意。
動くことが少なくなった犬は動体視力を使わなくなるので視力が低下しやすいと言えます。
呼びかけに反応しないのは典型的な老化のサイン
シニアになると犬によっては耳が衰え聞こえにくくなる場合があります。
犬がシニア期に入ると視覚、聴覚、嗅覚の順番で衰えがでると言われています。
耳が聞こえない場合も、普段凶暴性がないのに触ろうとしたら急に噛みつくことがあるので飼い主の方が理解してあげましょう。
口臭が気になり始めたら老化のサイン
口臭は歯周病や内臓疾患など原因は様々です。
シニアの場合に一番に考えられるのが口内の殺菌繁殖が原因となる口臭です。
シニア期になると免疫力が低下しやすく、免疫力の低下が菌を増殖しやすい環境を作り口臭の原因となります。
シニア特有の病気になったら要注意!
シニアに発症しやすい病気になったらシニア期に入っているサインです。
シニアに多い病気は主に糖尿病、子宮蓄膿症、悪性腫瘍、心臓病、腎不全の5つです。
爪がもろくなる
老化によって犬の爪はもろくなり急速に伸びるようになります。
爪の性質の変化に加えて散歩も減るため、シニアの爪が伸びる速さに驚く方がたくさんいます。
急に体重減少が見え始めたら老化のサイン?
シニアに多い膵臓や小腸といった消化器系の病気が原因で、急に体重減少が見られる場合があります。
その他糖尿病による体重減少も。
糖尿病はその殆どが6歳以上であると言われています。
体重の増加も老化のサイン
シニア期に入ると急に運動量が減る犬が多く、運動不足によって体重が増加します。
また基礎代謝が減ることによってさらに体重増加の傾向が強くなります。
四脚で立つとふらつく
犬がふらつく時はシニアに多く見られる関節や筋肉の衰えが原因の場合、または神経に関係する疾患が原因である可能性が。
運動能力の低下は老化のサインの代表的なものです。
段差がある場所を避ける・転ぶ
関節痛が現れ始めたら老化がはじまっているサイン。
関節痛によって犬は段差がある場所をあえて避ける、また運動自体を嫌がる傾向にあります。
段差がある場所で躓いたり転んだりすることがあり、骨が老化によってもろくなっていると転んだ時の衝撃で骨折してしまうことがあるので注意が必要です。
その他、視力の低下によって段差で転んでしまうこともあります。
睡眠時間が増える
シニア期に入ると成犬に比べて睡眠時間が長くなります。
最近やけに寝ていることが多くなった?と感じた場合は老化のサインである可能性が高いので、小さなサインを見逃さないようにしましょう。
基本的にシニアは体力全体が衰えやすく、たくさん寝て体を休息させる必要があります。
成犬の場合の平均睡眠時間は12時間から15時間ですが、それに対してシニアは仔犬同様に1日18時間以上寝て過ごすことも。
今後の飼い方 ~食事の見直し~
犬のライフステージに合わせて食事を見直すことはとても大切です。
基本的に犬の食事見直しは、健康な犬については生涯で2回。
1回目は仔犬用フードから成犬用フードへの切り替え。
2回目は成犬用フードからシニア犬用フードへの切り替えです。
ライフステージ別で重要視される栄養素と必要なエネルギー量が変わるので、食事の見直しは必ず行いましょう。
食事は何を基準に見直す?
食事の見直しの基本は「個々の体質に合わせたフード」への切り替えです。
一般的に多くのシニア犬にとっては低カロリーで消化しやすい食事が基本となります。
一度に与える量を減らして食事の回数を増やしてあげることで、胃腸への負担も軽減できます。
ドライフードの場合はシニア期以前に与えていたフードに新しいシニア向けフードを少しずつ混ぜて、2週間程かけてゆっくりとフードの切り替えを。
手作り食の場合はラム肉や白身魚などの消化しやすい食材を積極的に使用し、胃腸ケアができるように食物繊維を上手に利用します。
シニアに不足しがちなカルシウムやミネラルなどは積極的に摂りたい栄養素ですが、犬用のサプリメントを使用するのも良いですね。
シニアの食事は、運動量が減ったからといって単純に量を減らすのではなく、しっかりと体質に合ったシニア用の食事を見直してあげましょう。
今後の飼い方 ~生活環境の見直し~
これまで何の不自由もなく暮らしてきた犬であっても老化に伴い今後の飼い方を見直す必要があります。
ここでは一般的な生活環境の見直しをご紹介致しますが、一言でシニアといっても犬の状況により異なりますので、愛犬の症状に合わせてご活用ください。
頻繁に模様替えをしない
シニア犬の飼い方の基本は模様替えを行わないこと。
シニアになると視力の低下、または判断能力の低下が著しく見える場合があります。
犬は感覚で家具がある場所を覚えていることが多いので、模様替えをしてしまうとこの感覚を頼りにすることが出来なくなります。
視力が低下した犬や判断能力が低下した犬にとっては、これまで生活した中で植え付けられた感覚が頼りになることが多いので不必要な模様替えは避けましょう。
障害物のない環境に
状況によっては些細な段差が命取りになることも。
段差だけでなく、家具や小物などは犬を傷つける危険性が高いので特に角が尖っているものは犬の生活環境から排除することをおすすめします。
温度管理の徹底
シニア犬の飼い方で大切なのが温度管理をしっかりと行うこと。
シニアになると体温の調整機能が衰える場合がよくあります。
特に暑い時期は室内でも熱中症になる危険性があり、逆にエアコンで寒すぎたり湿度が低すぎたりするのも問題です。
感覚でなくしっかりと温度計や湿度計を使って管理することが大切です。
トイレの配置場所考慮
関節が弱くなっている犬、視覚障害が出ている犬はトイレの場所を近くに設置してあげましょう。
全く動けなくなってしまった、目が完全に見えない、痴呆などによりトイレ場所が認識できなくなってしまった場合は状況によってオムツを付けてあげることも効果的です。
寝床を快適に
前述でお話しましたがシニア期に入ると18時間以上寝て過ごすことが当たり前になる場合が多いので、快適な寝床があることはシニアにとってとても幸せなことです。
マットや毛布、カーペットなど寝床に使用する時は下記の点に注意しましょう。
・脚が沈み込まない程度の弾力性があること
・脚や爪がひっかからない素材であること
・暑い時期は通気性が良いもの
・寒い時期は保湿性があるもの
・洗濯が簡単に行えるもの
必要以上に隔離しない
「ゆっくり休ませたい」という理由でシニアを隔離する方が多くいます。
しかし犬のためには飼い主を近くに感じることが出来る場所が適しています。
犬からしたら意味の分からない身体の変化でただでさえ心細い状況ですので、出来る限り隔離しないように心がけましょう。
隔離して飼い主が長時間犬の様子を見ることが出来ない場合は、何かしらのトラブルがあった時に一大事となってしまいます。
子供が四六時中騒いでいるなど過剰にストレスを与える可能性がある場合は、考慮する必要がありますがシニア犬の介護は家族全員が協力するもの。
家族で話し合って犬にとって良い環境を作りましょう。
可能な限り防音対策を
犬は人間より床に近い場所にいるため、人間にとっては気にならないような足音やドアが閉まる音にも反応します。
家族がいる場合はしっかりと愛犬について話し合い理解をしてもらう必要があります。 ドアの音などは緩衝剤などで簡易的に音対策ができます。
愛犬が滑らないような床材
シニアには滑りやすいフローリングは弱った足腰にさらなる負担をかけます。
また、筋肉の衰えによって踏ん張ることができずに転倒する危険性もあるので滑りやすい環境である場合は見直しましょう。
フローリング自体を変えるのが大変な場合は、厚さがあるマットをひくなど簡易的な対処法もあります。
まとめ ~シニア期に入ったら家族全員で協力しよう~
犬のシニアについて幅広く紹介致しましたが、シニア犬になると犬自身も飼い主も日常生活に大きな変化が現れることが殆どです。
そんな時に大切なのは家族の理解と協力。
成犬のうちから介護について考えておくのが理想ですが、犬にシニアのサインが見られたら家族でしっかりと今後の方針を話し合いましょう。