愛犬が亡くなったら…そんなことは考えたくないことですが、別れはいつかやってきます。
愛犬と悔いのない毎日を過ごすことが大切ですが、亡くなった時にも悔いのないように送り出してあげなければいけません。
愛犬との思い出を胸に刻みながら、飼い主がすべきことをきちんと行ってあげましょう。
そこで今回は、愛犬が亡くなった時に飼い主がすべきことや埋葬方法、費用や届出についてご紹介します。
愛犬が亡くなった時に飼い主がすべきこと
愛犬が亡くなった時は、悲しみで号泣したり、パニックになってしまうこともあります。
それは最期を看取ることができても、できなかった時でも同じです。
ですが、愛犬が息を引き取ったらすぐにしてあげなければいけないこともあるので、気丈に対処してくださいね。
ここでは、愛犬が亡くなった時に飼い主がすべきことを見ていきましょう。
体が硬直してしまう前に
犬の体は、息を引き取ると死後硬直します。
死後硬直の始まる時間は個体差もありますが、2時間~3時間後には頭や首、足などから硬直が始まります。
もし愛犬の最期に立ち会うことができたなら、硬直してしまう前に目や口が開いていれば閉じてあげてください。
そして、前足や後ろ足が突っ張った状態で亡くなることも多いため、優しく関節を曲げて体にくっつけてあげましょう。
すでに死後硬直が始まってしまっている場合では、無理に関節を曲げようとせずにそのままにしてあげてくださいね。
死後硬直は12時間~18時間後に緩んできます。
突っ張った状態を完全に直してあげることはできませんが、多少は曲げることができるようになります。
また、犬の目の周辺には皮膚のたるみが少ないため、目を完全に閉じることができないことがほとんどですので、閉じてあげられなかったと、気にしないでくださいね。
体を綺麗にしてあげる
犬が息を引き取ると、鼻の穴や口、肛門から血が混じったピンク色の体液や、黄色い体液、糞などが出てきます。
お湯で湿らせたガーゼやタオルなどで、優しく拭いてあげましょう。
「今までありがとう。よく頑張ってくれたね、お疲れ様」という気持ちで、体にはブラシをかけ、硬く絞ったタオルで体全体も綺麗に拭いてください。
この時に、爪が伸びていれば爪切りをし、足裏の毛が伸びていれば切ってあげましょう。
愛犬が気持ちよく旅立っていけるように、出来る限りのことをしてあげてくださいね。
体を拭くのではなくお風呂に入れてあげる方もいますが、犬の体が水分を含むと腐敗の進行が早まってしまうため、数日間一緒に過ごす場合はやめておきましょう。
また、亡くなった犬をお風呂に入れると、犬の体を下を向けた際に口から食べたものの残骸や胃液、鼻から体液、お腹を触れば排泄物がたくさん出てくることだけは覚悟しておいてくださいね。
お風呂に入れてあげた場合は、冷風のドライヤーで体を乾かすことも忘れてはいけません。
冷やして安置
犬の体が生命活動を終えると、直後から腐敗が始まります。
水分の多い頭や腹部は腐敗が早いため、体を綺麗にしてあげた後は段ボールなどのケースに入れて、犬の頭や首の下、背中、腹部などに氷や保冷剤をタオルに包んで置いてあげます。
夏場や湿気の多い時期にはエアコンで部屋の温度を下げ、冬場では暖房のきいた部屋は避け、涼しい場所に安置してください。
犬の体を入れるケースの一番下には体液が出てきてもいいようにペットシートを敷き、その上に毛布やタオルを敷いてから寝かせてあげましょう。
外気に当たるのも腐敗の進行を早めてしまうため、氷や保冷剤を置いたら上からバスタオルなどで首から下の体を覆います。
大切な時間を過ごす
すべてが終わったら、愛犬との最期の大切な時間を過ごしましょう。
愛犬の好きだったものをお供えし、愛犬との毎日を振り返り、話しかけながら撫でてあげることも大切です。
心臓が止まって息をしていなくとも、犬の体の中の細胞などが完全に死滅するまでは約1日あります。
たくさんのありがとうと、たくさんの大好きという気持ちを伝えてあげてくださいね。
愛犬の埋葬方法について考える
愛犬が亡くなった時に、飼い主がすべきことはまだあります。
それは、愛犬の埋葬方法を決めて葬儀会社に予約の電話をすることです。
愛犬の亡くなったショックで、その時に埋葬方法を考える余裕は正直ありません。
事前にどんな埋葬方法にするか考えておくだけで、いざとなった時でも慌てずに済み、ゆっくり愛犬との大切な時間を過ごすことができるので、埋葬方法や費用について知っておいてくださいね。
埋葬方法①自治体
住んでいる自治体で亡くなった愛犬の火葬をしてくれる場合がありますが、きちんとペットの埋葬として行ってくれる自治体はほとんどありません。
ほとんどの自治体は、火葬とは名ばかりで、一般廃棄物として焼却処分されてしまうだけです。
ペットの埋葬を行っている自治体でも、立ち合いもできなければ、返骨してもらうこともできません。
犬の体の大きさや引き取りに来てもらうかによって費用は変わってきますが、1,000円~10,000円前後です。
大切な愛犬がゴミとして処分されてしまうため、自治体での埋葬方法を考えるのはできるかぎり避けてくださいね。
埋葬方法②ペット葬儀社
ペット葬儀社での埋葬方法は、4つあります。
・合同葬
・一任個別葬
・立ち合い個別葬
・訪問葬儀
合同葬の方法と費用
合同葬は、他のペットと合同で葬儀や火葬を行い、そのまま納骨されます。
合同火葬となるため返骨はなく、費用は犬の大きさにもよりますが、5,000円~10,000円前後です。
一任個別葬の方法と費用
一任個別葬は葬儀屋さんにすべて一任し、火葬してお骨拾いまで行ってもらい、お骨だけを返してもらいます。
犬の大きさで費用が変わってきますが、15,000円~100,000円です。
立ち合い葬の方法と費用
立ち合い個別葬は、葬儀会社での読経やお焼香、お別れ、火葬の立ち合い、お骨拾いを自分で行います。
犬の大きさで料金設定があり、こちらの費用も15,000円~100,000円です。
訪問葬儀の方法と費用
訪問葬儀は費用トラブルが問題になっていますが、きちんと葬儀場のあるペット葬儀社にお願いすれば、心配はありません。
ペット葬儀社の行っている訪問葬儀は、住んでいる家に来てくれ、室内に簡単な祭壇を作って読経、お焼香、お別れ、火葬、お骨拾いをするものと、一任個別葬があり、費用は20,000円~80,000円です。
一方で、問題となっている訪問葬儀は、個人で行っているものが多く、費用も火葬中に値上げしてくる、納骨せずにゴミとして捨ててしまうなどさまざまなトラブルがあります。
訪問葬儀は便利ですが、しっかり埋葬方法を選ぶようにしましょう。
埋葬方法③ペット霊園や寺院
ペット霊園や、寺院での埋葬方法もあります。
合同葬儀や個別葬、葬儀は合同で火葬は個別など選ぶことができ、合同葬の費用は6.000円~10,000円、個別葬の費用では25,000円~100,000円、火葬だけ個別の場合の費用は20,000円~100,000円です。
犬の大きさで費用が変わってくることや、どこに頼むかによっても金額に幅がありますので、事前に確認しておくといいでしょう。
埋葬方法④自宅の庭などに土葬
愛犬を火葬することに抵抗を感じる方も多く、自宅の庭などに土葬する方法をとる方も少なくありません。
自分の私有地内であれば土葬は可能ですが、私有地でない場所に土葬してしまうと犯罪となり、罰せられることもあるため注意してください。
また、私有地に土葬する場合では、1m以上の深い穴を掘らなければいけません。
浅い穴だとカラスや野良猫、野生動物にイタズラされてしまったり、悪臭が漂ってご近所トラブルになることもあります。
愛犬が亡くなった後に飼い主がすべきこと
今までは愛犬が亡くなった時に飼い主がすべきことについて見てきました。
しかし、葬儀も終わってひと段落したら終わりというわけではありません。
ここでは、愛犬が亡くなった後に飼い主がすべきことを見ていきましょう。
市区町村への届出
愛犬が亡くなったら30日以内に、愛犬を登録した市区町村へ「死亡届」を出さなくてはいけません。
きちんと届出を出さないと、毎年送られてくる狂犬病予防接種のお知らせが届いてしまいます。
愛犬が亡くなったということを改めて実感させられるだけでなく、予防接種を行わなかったとして20万円以下の罰金を請求されてしまうこともあるため、鑑札と狂犬病注射票を持って市役所で飼い主登録抹消手続きを行ってください。
また、血統書のある犬の場合では、血統書の返却が必要となってくるため、登録団体にも届出を忘れないようにしましょう。
納骨
愛犬のお骨をどうするかも、考えていかなければいけません。
合同火葬を行った場合では、そのまま納骨されてしまうため手元に愛犬のお骨はありませんが、返骨してもらった場合では納骨堂に預けるか、手元供養をするか、合同供養塔に入れるか考えなければいけません。
ペット葬儀社やペット霊園では年間10,000円程度で納骨することもできますし、合同供養塔では最初に10,000円~30,000円を払うことでずっと供養してくれます。
最近では人間と一緒に愛犬も入れるお墓があるため、手元供養で自分が亡くなった時に愛犬と一緒に入れてもらう、といったことも可能です。
自分で後悔のない方法を選んでくださいね。
愛犬をきちんと見送ってあげよう|まとめ
今回は、愛犬が亡くなった時に飼い主がすべきことや埋葬方法、費用についてご紹介しました。
愛犬が亡くなる、なんてことは考えたくはありません。
しかし、その日が来た時のために知っておくことはとても大切なことです。
そして知ることで、ますます愛犬を大切にしてあげようと思いますね。
愛犬が亡くなった時はどんなに精一杯のことをしてあげていても、必ず後悔が襲ってきます。
その後悔を少しでも減らすためにも、愛犬のためにも、愛犬との1日1日を大切に過ごしてくださいね。