犬が臭いけれどシャンプーもしているしお手入れもしているし、何よりも体臭がきついというわけではなさそう・・・?
そんな方はそっと耳を臭いを確認してください。
ご存知ない方も多いのですが、犬の体臭の原因が耳にある場合はとても多く、確認をしてみると耳に膿が溜まっていた!なんてこともよくあります。
そんな犬の耳が臭いときの対策や考えられる原因について調査しました。
犬の耳が臭くなる原因
「耳が臭いということは掃除が足りていないってこと!?」と、不安になるかもしれませんが、実は耳掃除が不十分であるがために、鼻を覆うほど臭くなってしまうということはあまりないと言われています。
犬の耳が臭くなる原因の多くは耳の疾患、つまり耳に関する病気が原因だといわれています。
外耳炎
臭いの原因としてもっともよく言われているのがこの外耳炎です。
外耳炎とは耳の穴から鼓膜までの間に炎症が起こる病気で、黒い耳垢が発生したり、耳の皮膚部分が赤く炎症を起こしてしまったり、膿が垂れてくる場合もあります。
原因としては、細菌や真菌などの繁殖、耳ダニなどの寄生虫、アレルギーのほか、耳の中が湿気などで蒸れてしまい炎症が起こってしまいます。
耳の中が臭い、耳をみると黄色いドロリとした膿が出てくる、犬が耳をしきりに掻いているという場合は、外耳炎を疑いましょう。
中耳炎
鼓膜の奥の空間に炎症が起こる病気が中耳炎です。
中耳炎の多くは細菌感染が原因となっていることが多く、また外耳炎が悪化することで中耳炎になるパターンも多いようです。
中耳炎は外耳炎の治療を十分に行わないことで発症する場合も多いので、耳から膿が出たり、赤くなっていたり、気にするそぶりを見せたなら悪化する前に獣医師に相談をするようにしましょう。
内耳炎
中耳炎よりもさらに悪化した場合、内耳とよばれる三半規管などがある場所に炎症が起こる内耳炎を発症します。
内耳炎にまでなると顔面マヒや難聴、さらには目の疾患などが現れることも。
症状によっては入院治療が必要になる場合もあります。
細菌やダニによるもの
耳の臭いがきつい犬の多くは、耳に何らかのトラブルを抱えている可能性が非常に高いです。
臭いがきつくなる原因は外耳炎などの病気ですが、中には耳の中が湿っていたり、耳に細菌が繁殖したことが臭いの原因となっていることも。
特に垂れ耳の犬は、耳が隠れているため蒸れやすく細菌などが繁殖しやすいようです。
さらに耳毛がもともと多い犬種、ミニチュアシュナウザーやプードルなども、耳にトラブルを起こしやすいといわれていますので注意が必要です。
犬の耳が臭いときの対策方法
耳が臭いと感じた、または耳から臭い膿が出てきた!なんていう場合は早めに対策を行うことが大切です。
耳が臭いと感じたら、どのような点をチェックし、どのような対策を取ればよいのでしょうか?
耳垢の色を確認する
耳の疾患があるのかないのか、判断に迷うときは耳垢をチェックしてみましょう。
普段から耳掃除をしているのであれば、少しの変化でも気がつくことができるはずです。
要注意な耳垢は以下のものがあります。
- 黒く乾燥した耳垢
- 膿のような黄色く湿った耳垢
- 茶色や黄色のワックス状の耳垢
これらの耳垢は、細菌感染であったり、耳ダニに感染している可能性がとても高いです。
耳の臭いが気になった場合は、耳垢の色も確認しましょう。
愛犬の様子を確認
続いてチェックをしていただきたいのが愛犬の様子です。
耳に疾患を抱えている場合、犬はいつもと違う動作をしていたり、気になる動きをしていることが多いようです。
頭を激しく振る、耳を自分の足で頻繁に掻くなどがみられたら耳の疾患を発症していないかチェックをしてみましょう。
耳の疾患の疑いがあるならば獣医師に相談を
耳の臭いの原因が耳の疾患によるものなのであれば、早めに獣医師に相談をすることをおすすめします。
前述した通り、外耳炎を発症している場合、重症化すると内耳炎となり、さまざまな合併症を起こす可能性もあります。
逆に耳のトラブルにいち早く気がつき、早期発見、早期治療を行えば治療も短期で済みます。
耳の疾患の初期症状は臭いや耳垢の変化です。
普段から耳のチェックを行い、異常が見つかれば早めに獣医師に相談をするようにしましょう。
犬の耳掃除やケアのやり方
犬の耳の臭いの原因となる病気、犬は耳の病気になりやすく、ちょっとしたことで耳トラブルを抱えてしまうこともめずらしくはありません。
そんな耳の病気を予防するために、ぜひ今から始めていただきたいのが耳掃除や耳のケアです。
正しいケア方法を学び、愛犬の健康を守りましょう!
耳掃除のやり方
耳掃除と聞くと綿棒などで耳の穴の奥までしっかりと掃除をしてあげる様子を想像するかもしれませんが、その方法だと外耳を傷つけてしまい逆に耳トラブルを引き起こしてしまうかもしれません。
自宅での耳掃除は綿棒などを使う必要はありません。
定期的に耳を観察し、耳垢がついていたり、耳の周りにゴミが溜まっているようならば乾いたコットンで拭いてあげるだけで大丈夫です。
注意をしていただきたのが、耳が臭いのは嫌だからと丁寧にゴシゴシと拭いてしまうことです。
犬の耳は大変デリケートです。
掃除のやり過ぎには十分に注意をしましょう。
耳毛をカットする
耳の疾患を起こす原因としてよくいわれるのが耳に湿気などが溜まってしまうというもの。
そのため、耳の中の毛を短くカットして通気性をよくすることで予防になるといわれています。
ただし、耳毛のカットは素人では大変難しいためできるならばプロのトリマーやグルーマーなどに頼むようにしましょう。
自己判断でケアをしない
耳のトラブルケアにおいてもっとも注意をしていただきたいのが、自己判断でケアを行わないということです。
耳のチェックをしているときに異常を発見し、勝手な自己判断でイヤークリーナーを使ったり、耳毛を抜いてしまったり、綿棒で耳垢を掃除してしまうと、炎症が余計に悪化をしてしまい、臭いがきつくなるだけではなく、膿による耳垂れが発生することもあります。
耳のケアはやり過ぎないように注意をし、異常を発見したら早めに獣医師に相談をするようにしましょう。
耳が臭い原因を知って愛犬の健康を守ろう
耳の臭いについては、どれだけ犬飼育上級者であってもご存知ない方が多いようです。
何となく耳が臭うとは思っていたけれど、大したことないと対策をせずに放置してしまい、気がついたときには膿が発生するほど重症になる場合もあります。
耳の臭いの原因を知っていれば、対策方法もわかりますし、普段から気をつけていれば予防にもなります。
ぜひ愛犬のためにも、耳のトラブルについてもう一度確認をしておきましょう。