猫のひげって見ていて本当に飽きないですよね。
ぴんと立っていたり、ひくひく動いたり、だらんと下がっていたり。
猫のひげの動きから猫の気持ちや感情が読み取れたら、愛猫のことをもっと理解出来そうな気がしませんか?
今回は、そんな猫のひげについて詳しく調査しました!
猫のひげが持つ重要な役割や、ひげが抜けたときの注意点等についても詳しくまとめていきますので、ぜひご覧下さい!
猫のひげにはそれぞれ名前があった!
実は猫のひげにはそれぞれ名前がついています。
具体的には以下の5種類の毛によって構成されています。
1.上毛|2.頬骨毛|3.口角毛|4.上唇毛|5.頭下毛(下唇毛)
それぞれの毛について、詳しくご説明してまいります。
1.上毛|猫のひげ
じょうもうと読みます。
上毛とは、猫の顔の上部にある毛です。具体的には目の上に生えており、ひげというよりは眉毛の場所ですね。
本数は左右の目の上にそれぞれ約3本ずつで合計6本前後になります。比較的長い毛が多いです。
実はこの上毛はまぶたの神経と繋がっているんです。
上毛の役割は、低い場所をくぐったり、顔の上近くに障害物が近づいている時などに察知出来るという点です。
この上毛から得た情報によって、猫は目を閉じたり、かがんで障害物を避けようとするんです。
2.頬骨毛|猫のひげ
きょうこつもうと読みます。
頬骨毛とは頬骨に生えている毛です。目の位置からみて横下あたりに生えています。
基本的には1、2本程度あるようですが、猫によってはこの頬骨毛がない子もいるようです。
頬骨毛の役割は、障害物を察知したり、狭い場所を通る際に通れるかどうかという判断基準等があります。
3.口角毛|猫のひげ
こうかくもうと読みます。
口角毛は文字通り口角(口の端)から真横に向かって生えている毛です。
基本的には1、2本程度あるようです。
口角毛の役割も頬骨毛と同様で、障害物を察知したり、狭い場所が通れそうかどうかを判断出来るという点にあります。
4.上唇毛|猫のひげ
じょうしんもうと読みます。
上唇毛は、本数も多く「猫のひげ」と聞いて最もイメージしやすい毛です。鼻と口の真横(マズル部分)から生えています。
基本的には左右それぞれ14~16本ずつあるようですが、抜けたりすることも多いので本数はまちまちです。
上唇毛の役割はたくさんあります。これまで述べてきた障害物や通る幅を感知できるというアンテナ的な役割に加え、食べ物の存在を感知するという役割もあります。
また、猫は本来狩猟動物ですので、獲物に触れ振動があるかどうかをひげでチェックすることで、その生死を判断するということも可能です。
5.頭下毛(下唇毛)|猫のひげ
とうかもうと読みます。
頭下毛は、下唇毛などといったりすることもあるようです。他のひげに比べると少し毛質が変わり、細く短い毛になります。
顎の下あたりに生えており、本数はまちまちですが、3~6本程度の場合が多いようですね。
頭下毛の役割は、食べ物を感知したり、食べ物の温度をチェックしたり出来るという点にあります。
一言で「ひげ」といっても、本数や生える場所によって役割も変わってくるんですね。
これほど重要な役割をもっているなんて、とっても奥が深いです!
また猫のひげの全体的な役割として、歩行バランスやジャンプの際に平衡感覚風をとれるという点や、風速や風向きなどの空気・大気の流れを読み取るといったことも挙げられます。
猫のひげは被毛よりも深く根元が埋まっており、環状洞と呼ばれる部分が知覚神経にシグナルを送っているのです。
さらに、その感知能力は「人間が感じ取れる2000倍にも上るのでは?」とも言われているほどです。
知れば知るほど奥が深いですよね。
しかしそれほど重要な役割や高い感知能力があるからこそ、飼い主として気を配ってあげる必要が出てきます。
猫のひげに関する注意点
ということで、ここからは猫のひげに関する注意点についてまとめていきたいと思います。
愛猫の大切なひげを守るため、詳しく学んでいきましょう。
猫のひげはとっても敏感!絶対やってはだめなこととは
猫のひげは絶対に、切ったり抜いたりしてはいけません。
猫のひげを切ってしまうと、今回ご説明してきました様々な役割に大きな支障が及びます。
たとえばセンサーを失ってしまったことによって、障害物を避けられなくなったり、バランス感覚がとれないため歩いたり走ったりすることが困難になります。
また、狭い場所や暗い場所から出てくることが出来なくなったり、最悪な場合ストレスによる精神疾患などをかかえる猫もいるそうです。
猫のひげは生死に関わるといっても過言ではない大きな役割を持っています。
意図的に抜いたり切ったりすることは絶対にやめましょう。
ちなみに、生まれたての猫は被毛がほとんどありませんが、そんな時期でもよく観察するとひげはちゃんと生えているんです。
これは、母猫のお腹の中にいるときから、被毛よりもひげを生やすことが優先されるからです。
生まれたてで目が見えない状態でも、ひげがあれば周囲の情報を感知できる
猫にとってひげとは、それだけ欠かせないものと言えます。
猫のひげが抜けたときはどうする?対処法は?
それほど大切なひげです。室内に愛猫のひげが落ちていたらびっくりされる飼い主さんもいらっしゃることでしょう。
しかし、そもそも猫のひげは一定の周期で生え変わっているものです。
生え変わりといいましても、同時期に一気抜けていくのではなく、一本ずつ徐々に抜け落ちていきますので、他のひげや新しく生えてきているひげなどで日常の役割を果たすことは充分可能なんです。
そのため生え変わりにより自然と抜け落ちたひげに関しましては、神経質になる必要はありません。
猫のひげをお財布に?御守りや金運アップの一説も
猫は、招き猫という存在もありますように、古くから幸運をもたらす動物として考えられてきました。
そんな猫のひげには、金運アップや厄除けのご利益があるのでは?という声があるんです。中には捨てずにとっておいたり、お財布に入れたりといった方もいらっしゃるようです。
しかし、御守りにする際も、決して意図的に抜いたりせず、落ちているひげを偶然見つけられた場合にしましょう。
ひげの動きから読み取る猫の気持ち・感情とは
冒頭で述べましたとおり、猫のひげにそのときの気持ちや感情が表れていることが多々あります。
主に、上唇毛の動きにみてとれます。1つの目安として、ぜひ参考にしてみてください。
ひげが前方に下がっているとき
顔の前下にむけてひげが下がっているときは、緊張しているときや興奮している場合が多いです。
何か気になることがあるのかもしれません。
周囲の状況をチェックした上で、落ち着くまで待ってあげましょう。
ひげが斜め上を向いているとき
ひげが顔の横から斜め上にむけてぴんと上がっているのは、楽しいときや機嫌が良いときのサインです。
飼い主さんに遊んでもらった後や食後などにこのサインがみられたときは、満足してくれたんだなということがわかりますね。
ひげを顔の後ろ側に向けるとき
食事中は、ひげが邪魔にならないように、顔の側面に沿って後ろ側に向けます。
ご飯を食べたり水を飲むことによって大切なひげを汚したくないという意図もあるでしょう。
猫にとってひげが非常に大切な役割を持っているということが改めてわかりますね。
猫のひげの役割|まとめ
さて、今回は猫のひげの役割についてお届けいたしました。
普段何気なく眺めていたあのひげにこれほど重要な役割が隠されているなんて、正直いって想像以上でした。
猫のひげに関する注意点や、ひげの動きに表れる猫の気持ちなどについてもご説明してまいりましたが、いかがでしたでしょうか?
今後猫のひげを観察する際は、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。