愛くるしい仕草や寝方でたくさんの人を魅了する猫。
実際にペットとして猫を飼っている方ならご存知だと思いますが、猫は睡眠時間が多い動物として知られており夜行性なため通常は夜に活発に動き始めます。
しかし、毎日接しているからと言って猫の習性やしぐさ・寝方が示しているサインについて理解できるというわけではありません。
今回を機にご自身が飼われている猫について知識を深めましょう。
気まぐれな生活リズムを送る猫
可愛らしい仕草を見ているだけで癒やされる猫ですが、いざ一緒に遊んであげようとする時に限って寝ている、もしくは一日の大半を寝て過ごしてほとんど動かない・・・という経験をしたことがある人は少なくないと思います。
猫は非常に気まぐれな生活リズムを持っているため、ほとんど寝て過ごしているからと言って決して心配することはありません。
猫の睡眠時間はどれくらい?気になる生活リズムとは
一日のほとんどを睡眠に費やす猫ですが、実際にどれくらいの睡眠時間を取っているのでしょうか。また猫の年齢や習性がどのように生活リズムに影響を及ぼすのかも一緒に考えて行きましょう。
睡眠時間は半日以上が普通
一般的な猫の睡眠時間の平均は14時間?16時間と言われており、一日の半分以上を寝て過ごします。
つまり猫は起きている時間より寝ている時間のほうが多いのです。毎日忙しい生活を送っている人間にとっては羨ましい限りですが、猫はどうして長時間の睡眠を取るのでしょうか。
説はいくつかありますが最も有力な理由として猫本来の習性や本能が関係してきます。
ペットとして人間に飼われるようになる前まで猫は野生の狩猟動物でした。
狩りや縄張り争いに膨大なエネルギーを消費するため十分な休息を取るために睡眠時間が長くなったと言われております。
また睡眠自体も非常に浅い睡眠です。人間が深い眠りであるノンレム睡眠と浅いレム睡眠を繰り返すことに対して、敵に襲われてもすぐに気づくことができるように猫の場合はほとんどの睡眠時間がレム睡眠であると言われています。
しかし、人間に飼われるようになってからは周囲に敵など危険な物が無いため、ペットの猫はほとんどノンレム睡眠で眠ることが多いです。
子猫の睡眠は成長するために重要なこと
「寝る子は育つ」という言葉があるように、子猫にとって睡眠は特に重要なことなので生後数ヶ月の子猫は一日に約20時間眠ります。
そのメカニズムは人間と同様寝ている時に分泌される「成長ホルモン」が子猫の身体機能の発達を促し、また脳内の情報整理や神経の発達にも重要なホルモンとなります。
そのため、幼少期から成長期の猫にとってたくさんの睡眠時間を取ることは心身の成長のための重要な仕事なのです。
子猫は成長するごとに少しずつで睡眠時間が減り活動している時間が増えますが、年を取り老後に近づいて来るとまた睡眠時間が増えてきます。
人間と同じように猫も年齢を重ねることによって身体のあちこちに問題を抱え身体機能そのものが衰えてしまうため、消費した体力やエネルギーを補うためにたくさん眠るのです。
夜行性だが夜に寝ることも
ライオンと同じ狩猟動物であり、暗いところでも周りを見渡すことができる目を持っていることから猫は夜行性の動物であるということが言えます。
しかし、人間に飼われ始めてから生活環境もガラリと変わったため夜行性の猫でも夜に眠ることも珍しくはありません。
夜にたっぷり睡眠を取り、朝から昼にかけて活発に活動するという生活リズムの猫も実際にいます。
そのため、遊びたいという人間の都合だけで無理やり起こしてしまうことは猫にとって非常にストレスのかかることで健康にも良くないため控えましょう。
猫の寝る姿勢やそれが意味しているサインとは?
飼い主の皆さんが毎日何気なく見ている猫の寝姿や姿勢には一つ一つ意味があることをご存知ですか?
猫の体調や心理状態によってそのサインも異なるためしっかりと理解してあげましょう。
体を丸くして眠る時
猫が身体を丸くしながら人目のつかないところで眠る姿はよく見る光景ですよね。
もともと体温が低く、体温調節も苦手な猫にとって身体を丸めることによって空気に触れる体面積を減らし、熱が外に逃げてしまうことを防ぎます。
気温が低い秋や冬、また日陰で寝る際にこの姿勢で寝ることが多いです。
また体を丸くして寝ている時に地面に肉球を付けているのは、敵に襲われた時にすぐ逃げるという本能的な理由からこのような姿勢をとります。
仰向け・お腹を出して眠る時
寒い時に体を丸めることによって熱の発散を防ぐことに対して、仰向けやお腹を丸出しにして眠ることには体温を下げる働きがあります。
夏の気温が高い時や日向で長時間眠っている時によくこの姿勢で眠ることが多いです。
また、猫にとってお腹は重要な臓器や急所がある部分なため、そこを丸出しにして寝ているということは飼い主を信頼しきっているかもしくは完全にリラックスした状態であるというサインとしても捉えることができます。
同じ姿勢で長時間寝ている時
特に高齢の猫や体に不調を抱えている猫がよく長時間全く動かずに同じ姿勢で眠ることがあります。
このサインに関して飼い主は細心の注意で観察する必要があり、この状態で猫は「床ずれ」を起こしている可能性があります。
床連れとは、寝床が硬かったりその猫に合わない環境で寝てしまうことで上手く寝返りが打てない状態を意味します。
長時間ずっと同じ姿勢で寝てしまうと血流が悪くなり体調不良や病気の原因ともなるため、このような傾向が見られたら飼い主はそっと猫の体を動かしてあげましょう。
猫の睡眠時間はどれくらい?まとめ
今回は猫の睡眠時間に関して、猫が長時間眠る必要のある具体的な理由や年齢による生活リズムの変化について詳しく紹介してきました。
もともと狩猟動物である猫にとって一日の大半以上を睡眠に費やすことはごく普通のことであり、また人間と同じように幼少期や老後において、成長や身体機能の回復のためにより長時間の睡眠が必要となります。
猫が寝ている際の姿勢にも心理状態や体調に関する重要なサインが込められているため、飼い主であればそれらをしっかり理解して上げることも必要となります。