犬の高タンパク・低タンパクフードの違いとは?肝臓への影響が違う?

犬の低タンパクフードや高タンパクフードに注目が集められていますが、どちらのフードが良いのか、選び方で迷った経験はありませんか?タンパク質量を基準に選ぶのであれば、肝臓や腎臓の疾患を含め犬の活動レベルや健康状態に合わせて選ぶことが大切です。

最近ではタンパク質量を調整したドッグフードが多数販売されており、犬の年齢や健康状態に合わせてドッグフードを選ぶことができます。

ドッグフードの選び方は人それぞれで、犬のその時の状態によっても異なり一概に高額であるから品質が良い、品質が良いから犬に適しているとは言い切れません。

しっかりと愛犬の健康状態に合わせてドッグフードを選びましょう。

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犬にタンパク質が必要な理由

お腹の空いた犬

ドッグフードの選び方の基準として、高タンパクフードか低タンパクフードか悩む方も多いと思いますが、そもそもタンパク質は犬の体内でどのような役割を補うのでしょうか?

タンパク質とは、炭素、酸素、水素、窒素等を含む栄養素の総称であり、犬が体内にタンパク質を取り込むとアミノ酸になって消化吸収されて、犬の体内で動物特有であるタンパク質に合成されます。

合成されたタンパク質は、体にエネルギーを供給し、生体を維持したり免疫抗体、ホルモン、酵素等を作り出したりする為に必要不可欠な栄養素となります。

タンパク質量にこだわったドッグフードの選び方

最近では高タンパクフード、低タンパクフードを謳い文句にして販売されているドッグフードが数多くありますが、ドッグフードの選び方をタンパク質量基準で決めるのであれば、個々の犬の健康状態を考えてどのフードが適しているか判断することをおすすめします。

基本的に、ドッグフードの栄養基準を設定している米国の飼料検査官協会(AAFCO)では、総合食として使われるドッグフードのタンパク質量の基準を成長期の犬であれば最低でも22%以上、成犬であれば最低でも18%以上の含有量とするよう定めています。

成長期の犬には高タンパクフードがおすすめ

タンパク質の役割でとても大切なのが筋肉の細胞を再生させることです。

そのため、成長途中の犬にはタンパク質量が通常の犬より必要であるため、健康な成長期の犬には高タンパクフードがおすすめです。

運動量の多い犬には高タンパクフードがおすすめ

一般的に運動量の多い犬は、運動量の少ない犬に比べてタンパク質の消費量が激しいため、高タンパクフードを与えることをおすすめします。

犬種によっても異なりますがそれぞれ個体差があるため、運動量を目安に高タンパクフードか低タンパクフードかを決めることも大切です。

シニア犬には低タンパク質の食事が良い?

最近ではシニアのドッグフードと言うと低タンパクフードと解釈する方も多く、多くのメーカーでもシニア犬用の低タンパクフードを販売しています。

ここで注意が必要なのは、その犬が健康体で運動できる状態であるか否かです。

シニア犬と言うと運動量が減るイメージがありますが、シニア年齢になっても健康的で活動量が多い犬もいるので一概にシニア犬には低タンパクフードと決めつけることができません。

運動量を含める活動量が多いシニア犬、病気でなく健康体のシニア犬等一言でシニア犬と言っても高タンパクフードの方が良い場合もありますので、愛犬の健康状態に合わせて選択することをおすすめします。

病気の犬には低タンパクフードがおすすめ?

佇む犬

シニア犬や病気の犬には低タンパクフードがおすすめというイメージが有りますが、病気の種類によってタンパク質の量を選び分ける必要が有ります。

愛犬の何処が悪く、それに対しどんなフードを選ぶべきか、医師の相談を元に適切に選んであげましょう。

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肝臓に疾患がある場合は低タンパクフード?

ドッグフードの選び方の基本でもありますが、肝臓に何かしらの疾患がある場合は低タンパクフードを与えてタンパク質量を調整することをおすすめします。

専門家によって見解が異なるものの、高タンパクフードは基本的に肝臓に負担がかかると言われてきました。

犬の肝臓は、分解や合成、または貯蓄といった栄養素の働きに合わせて、体に不要な毒素を分解する働きも補っています。
しかし、肝臓が悪いとこれらが正常に機能しなくなり、特にタンパク質を犬が摂取した際に発生するアンモニアの解毒ができなくなる傾向にあるため高タンパクフードを与えるのはおすすめできません。

重度の肝臓病の場合は、高アンモニア血症を避けるためにも低タンパクフードでタンパク質の調整を行うと良いでしょう。

血液検査結果を参考にして獣医師に相談の上、少しずつタンパク質量の調整を行うことをお勧めします。

腎臓に疾患がある場合は低タンパクフード?

肝臓への負担同様に、腎臓に何かしらの疾患がある犬の場合は、高タンパクフードを避けることをおすすめします。

犬の腎臓の機能には、血圧の調整、血液中のpH維持等色々ありますが、中でも重要な機能が血液中に不要な老廃物の処理を行うことです。

栄養素の1つであるタンパク質は、体のエネルギーとして使用された後に老廃物となり、健康な犬であれば腎臓の機能によってこの不要な老廃物を体外に排出します。

しかし、腎臓に何かしらの疾患がある場合は老廃物の排出が上手くできなくなり、犬の体内に老廃物が溜まった状態になってしまうので、老廃物を作り出す原因となるタンパク質を過度に摂取しないように調整する必要があります。

しかしながら、タンパク質は犬の大切な健康維持に役立つ栄養素ですので、極度に減りすぎないよう腎臓の疾患の度合いによって獣医師に相談の上、調整することをおすすめします。

ストルバイト結石の犬にはどちらのフードが好ましい?

犬がストルバイト結石の場合は過剰にタンパク質を摂取させないことが大切です。
ストルバイト結石は尿がアルカリに傾きリンやマグネシウムが結石化することによって発症します。

食事中のタンパク質量の割合があまりに高い場合は内臓に負担をかけやすく、内臓疾患によって尿をアルカリに傾ける可能性があります。

基本的にストルバイト結石の場合は、やや少なめ程度の低タンパクフードに切り替えることをおすすめします。

タンパク質が不足するとどうなる?

タンパク質は犬にとってとても大切な栄養素であり、タンパク質が体の要求量に対して大幅に不足すると発達障害や様々な不調を引き起こす原因となります。

犬の状態や病気を理由に低タンパクフードを与える際であっても、単純にタンパク質量が少なければ少ないだけ良いという問題ではない為、しっかりとデメリットを考慮した上で犬に合わせてドッグフードを選ぶことが大切です。

タンパク質が欠乏した場合に考えられる症状

  1. 成長不良(特に成長期の犬は要注意)
  2. 食欲不振(体の不調によって食欲低下)
  3. 脱毛(不健康な皮膚や被毛)
  4. 貧血(栄養素の不足)
  5. 不妊(不妊手術を受けていない場合)

ネット等の情報や、ドッグフードのパッケージに書いてあるからと言って、低タンパク質がいい!高タンパク質がいい!と決めるのではなく、まずは愛犬の状態から医師に相談し、どのくらいの質量が求められているのか判断するようにしましょう。

タンパク質は多すぎても少なすぎても愛犬の体に負担をかけてしまう可能性が有るので選び方の基準にしてみて下さい。

まとめ

ドッグフードの選び方についてタンパク質量を基準にご紹介致しましたが、犬は昔から食事で多くのタンパク質を摂取して生きてきました。

基本的に健康体の犬であれば高タンパクフードのドッグフードが犬の体に適していると言われていますが、何かしらの疾患に侵されていたり年齢や病気によって運動レベルが落ちていたりする場合は過剰なタンパク質摂取は好ましいとは言えません。

犬の健康状態に合わせて、適切な食事管理を行いましょう。

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