パピヨンの寿命はどれくらいなのでしょうか?
もちろん、愛犬にはいつまでも健康で長生きしてほしいと思いますよね。
そこで、パピヨンのかかりやすい病気やその予防法、犬種に合ったストレスを溜めない方法など、様々な観点から解説していきます。
パピヨンの平均寿命は?
パピヨンの平均寿命はこれまで10歳から15歳と言われてきましたが、2018年現在時点においては10歳以上長生きするパピヨンも増えてきており、その分平均寿命もこれまでより大分伸びてきている傾向にあると言われています。
パピヨンの寿命と長生きするコツ
パピヨンに限らず、小型犬は一般的に生後1年で人の年齢に換算した場合、17歳と「あっ」という間に高校生ほどの年齢に達するようです。
それ以降は1年毎におよそ4歳づつ歳を重ねていきます。
生後1年での急成長に比べると、大分落ち着いた感じですが、人と比較するとやはり、かなりのスピードで歳をとっていくのは事実のようです。
そこで少しでもパピヨンに健康な状態で長生きしてもらうためには、食事や体調管理が不可欠です。
食事に関しては、市販フード・小型犬用ドッグフードでも、もちろんパピヨン専用ドッグフードでもバランスのとれた栄養が取れるので特に問題はありません。
しかし、食欲不振や水分不足と感じ取れる場合はドライフードとウェットフードの混合食にしたり、高カロリーフードにするなど多様な工夫が必要になります。
パピヨンの体調をしっかり把握して食事内容を変えていくことも、健康維持、ひいては寿命を伸ばすことにもつながるでしょう。
パピヨンのかかりやすい病気は?
パピヨンが特にかかりやすい病気としては目に関する目瞼内反症で目瞼のふちが内側に反転してしまうものです。
また進行性網膜萎縮があり、これは光を感じる網膜細胞が少しづつ害されていき網膜が萎縮していく遺伝性のものです。
目とは別にパピヨンの場合、膝関節を構成する骨や靭帯、腱などの組織に先天的な問題があることがあり、膝蓋骨脱臼を起こしやすいことが知られています。
膝蓋骨脱臼の発症に関しても遺伝が関与しているようです。
パピヨンのかかりやすい病気のサイン
パピヨンが特にかかりやすい病気のサイン(症状)を覚えておくことはとても大切です。
まず眼瞼内反症についてです。
目ヤニや涙が多い、目をパチパチさせるなどの状態で確認することができるでしょう。
次に進行性網膜萎縮についてです。
うす暗い環境で物にぶつかりやすくなったりします。
病気が進行すると明るい環境でも同様となるなど視力が弱まり、残念ながら最終的には失明に至ります。
さらに、膝蓋骨脱臼症についてです。
軽度であればスキップ歩きや、一時的に脱臼しても、後ろ足を後方に蹴り出すような動作により、自力で治すということもあります。
病気の予防法と対処法
パピヨンが特にかかりやすい病気の予防法と対処法をご紹介します。
目瞼内反症についての予防法は、病気がそもそも遺伝的要因による割合が多いためほとんど見当たらないというのが実情です。
しかしながら、日頃から目の状態をよく見て充血していないか、目ヤニや涙が多くないか、瞼やまつ毛が内側に向いていないか注意しておくことは重要です。
また、パピヨンが病気にかかる要因の一つとして肥満があげられますが、これに関してはパートナーである飼い主さんが健康管理をしっかり行うことで予防も可能です。
次に進行性網膜萎縮症ですが、遺伝的病気であるので、これといった予防法や対処法がないのが実情です。
もし、進行性網膜萎縮症と診断された場合でも、すぐに視力を失うということではありませんが、最終的には失明してしまいます。
それでも住み慣れた生活環境であれば、危険物などを除去することなどにより、大きな不自由を感じることなく生活できる可能性はあります。
最後に膝蓋骨脱臼症についても遺伝的要因によるものであれば、既に骨格に問題がある状態なので、予防は難しいと考えられます。
後天性の場合はパートナーが落下や打撲に注意するなどの心がけ、そして肥満にならないように健康管理することで、予防にはなります。
軽傷の場合、パピヨンが足を伸ばしたり、後方に蹴り出すような動作で元に戻ることもあります。
他には関節保護や炎症を鎮めるための投薬治療です。
重度になると骨を固定するなどの手術が必要になります。
パピヨンの老化のスピード
パピヨンの平均寿命は10歳から15歳と言われています。
ちなみに15歳のパピヨンは人年齢に換算すると75歳ほどになります。
生後1年間で人年齢の15歳ほどの急成長を遂げ、その後はパピヨンは1年毎に人年齢に換算して4歳から5歳を重ねていくということになります。
パピヨンの老化に伴う外見の変化
パピヨンは7歳くらいから次第に老化が始まり、10歳くらいで老年になると言われています。
一概には言えませんが、パピヨンは年齢を重ねるごとに、その特徴的な耳の外側から垂れ下がるような飾り毛の量が減る。
後ろ脚の安定感が弱くなり、小刻みに震える。
食べても体重が増えない。
などの変化が見られる傾向もあるようです。
食べても体重が増えないという件に関しては、それが病気に依るものでなければサプリメントの使用も一考してよいのかもしれません。
パピヨンに似た犬種
老犬におすすめの食べ物は?
パピヨンに限らず老犬になると歯が弱くなり、それに伴い食欲も落ちていく傾向にあります。
そうなると、ほとんど食べ物を口にしなかったりする場合も出てきます。
そのような時には少量でも十分な栄養が摂れるようにバランスのよい高タンパクフードを食べてもらう。
また、シニアフード160g程度を1日2~3回に分けて食べてもらう。
さらにドライフードの場合、小粒サイズをふやかして食べてもらう。
付け加えて、消化能力の低下や腎臓の機能も弱ってくるので塩分の取り過ぎに注意しつつ、消化吸収しやすい無添加フードを食べてもらう。
他方、運動量も減り、筋力も衰えてくるので肥満ぎみが不安な場合には低カロリーフードに切り替えるのも1つの方法です。
パピヨンに適した散歩の量は?
パピヨンは活発で散歩を好むようですが、それほど運動量の多い犬種ではありません。
ですので年齢や体調、天候などを考慮して大体の散歩量を調整する必要があります。
また、散歩時刻はきっちりと決めない方がよいでしょう。
パピヨンの体内時計は正確ですので散歩時刻になっても出かけられないとなるとストレスになってしまうからです。
それでは、まず、年齢に応じての散歩量についてです。
子犬の頃は歩かせるというよりは、世間に慣れさせるという意味で1日2回、それぞれ5分くらいで十分です。
その後は成長に合わせて、10分~15分と時間を伸ばしていきます。
パピヨンの体がある程度出来上がる1歳くらいを過ぎると20分~30分と伸ばしてもよいかもしれません。
1歳になるまでの無理な散歩は避けたほうが良いようです。
また老年になると体力の低下もあらわれるので時間を短くしたり、回数を減らすなど、調整が必要です。
体調が悪そうな時に無理して、散歩に出かける必要はありません。
また、天候が悪い時などもそうです。
この場合、かえって無理して散歩に出かけるよりは室内でパピヨンと楽しく遊んだりする方が良いのかもしれません。
ストレスをかけないために飼い主が出来ること
パピヨンは友好的で賢く、家族の様子をよく観察して、家族との生活にうまく適応することができます。
キャンキャン吠えまくることもほとんど無い上、甘え上手な一面も備えているので、家族と穏やかな時を過ごすことができます。
パピヨンは子供たちと上手に遊ぶ利発さや活発さなども持ち合わせていますが、接し方次第では自己主張が強くなることもあるので、しつけには注意しなければなりません。
また、家族のストレスを汲み取り、自身のストレスにしてしまうほど愛情深い一面もあるので日々のコミュニケーションはとても大切です。
パピヨンは人や他の犬に対してもフレンドリーさを表す聡明で陽気な生き物です(当然例外もありますが)。
また、パピヨンは基本的に1人でいることが苦手で、それが寂しさというストレスになり得る生き物ですので、そういったストレスを持たせぬよう十分な遊び時間などを設けることなども必要でしょう。
その他、パピヨンにとってストレスとなり得る事象が、繰り返し叱られるということです。
これが続くことによって神経質になるなどの結果に至ります。
不必要な叱りつけは止めときましょう。
それとスキンシップです。
日頃のスキンシップが足りないと、ブラッシング1つをとってもパピヨンにとってはストレスになるようなので日頃からのスキンシップに心がけましょう。
パピヨンの寿命に関するまとめ
友好的で賢く、活発で散歩などを好むパピヨンですが、7歳くらいから次第に老化が始まり10歳くらいで老年になると言われています。
歳を重ねるごとに耳回りの飾り毛も薄くなっていくでしょうし、歯も弱くなり食欲も落ちていくでしょう。
そのような場合は彼らの体調をしっかり把握して食事内容を変えていくなどの工夫が必要になるでしょう。
そのような工夫の連続が彼らの健康維持、ひいては彼らの寿命を延ばすことにつながるのかもしれません。