猫はクールな性格であまり感情を出さないというイメージを抱かれがちですが、実際は喜怒哀楽がとってもはっきりしている動物です。
言葉こそ話せませんが、しっぽをパタパタとリズムカルに動かしたり、大きくゆっくり振ったりと、飼い主に対して様々な返事やサインを送ってくれますよね。
今回はそんな【猫のしっぽ】に注目しながら、猫の気持ちや猫の心理について学んでいきたいと思います。
猫のしっぽの秘密
猫のトレードマークともいえるかわいいしっぽ。
しなやかかつダイナミックな動きを見せて飼い主を楽しませてくれるあのしっぽですが、実はとっても繊細な場所なんです。
猫のしっぽの構造
猫のしっぽは20前後もの骨と、前、後ろ、右、左とそれぞれの方向に動かすための主となる4つの筋肉、そして細かくしなやかに動かすための8つの筋肉から基本的には構成されています。
あのくねくねしたりパタパタしたりする動きは多くの骨と筋肉によってなせる業なんですね!
また「猫のしっぽは絶対に引っ張ってはいけない」と言われていますが、これはしっぽの神経が下半身の様々な神経とつながっているためです。
神経を痛めることによって、歩行や排泄機能に大きな障害を生んでしまうことにもなりかねません。とってもデリケートな場所なんですね。
ここからは、そんなしっぽの動かし方について、猫の心理を分析しながらご紹介していきたいと思います。
しっぽからわかる猫の気持ち・10パターン
猫の気持ちが表れるしっぽの動かし方をまとめました。さっそく見ていきましょう。
小刻みに小さく動かすとき
ソワソワと落ち着かない状態や、何かに集中しているサインです。
「虫や鳥など獲物がきた!」と、じっと観察しているときなどによく見られます。
どちらの場合にせよ、声をかけずそっとしてあげるのが良いかもしれません。
パタパタと強く大きく動かすとき
強くパタパタとしているのは怒りのサイン?何かイライラすることが起きてご機嫌ななめになってしまった可能性があります。
犬が嬉しいときにしっぽをパタパタ振るというのは有名ですが、猫は逆に不機嫌なときにパタパタするなんて驚きですよね!
気持ちが落ち着くように、そっと見守ってあげましょう。
しっぽの先っぽを小さく動かすとき
しっぽの先をビクビクっと小さく動かすのは動揺の表れかもしれません。
猫はとっても繊細な動物なので、飼い主には気づかないようなちょっとしたことに対して不安を感じたり動揺したりすることもあります。
それは些細な環境の変化などによっても起こります。
このサインが見えたときは、飼い主として出来る限り愛猫の目線に立ち、動揺の原因はなにかということにいち早く気づき取り除いてあげることが重要です。
揺らすようにゆっくりと動かすとき
リラックスモードに入っているようですね。
外を観察したりあれこれ想像を巡らしたりと自由気ままに過ごしている状態なので、自分の世界をゆっくりと楽しませてあげるのが良いでしょう。
お気に入りの場所でのんびりまったりしているときによくみられるサインです。
座りながら上下にゆっくり動かすとき
おすわりしながら上下にしっぽを揺らすのは、考え事をしているサインです。
退屈なときなど、次に何をやるのか考えているときによく見られるそうです。
このサインが見えたときは過度にかまうよりも、わたしたちも一緒に「次何をやるのか考えてるみたいだな。これから何はじめるのかな~?」なんて想像しながら観察してみるのも楽しいかもしれませんね。
くつろぎながらしっぽの先だけ小さく動かすとき
寝ているときや毛づくろいしているときなどによく見られますよね。
「○○ちゃーん」と呼びかけても、しっぽの先だけ小刻みににパタパタ動かすだけだったり。
「聞こえてるけど今のんびり中だから答えるの面倒だな」という心理によるものかもしれませんね。
まっすぐピンと伸ばしているとき
ピンと垂直に立ったしっぽは、喜んでいるサインです。
外出から帰宅して愛猫が玄関まで迎えにきてくれたときなどよく見られます。
「お留守番していたら帰ってきてくれたー!」という甘えたい気持ちの表れなのかもしれませんね。
ピンとまっすぐ伸びたしっぽのときは、なでたり声をかけてあげたりして、たくさん喜ばせてあげましょう。
毛を逆立ててしっぽが太くなるとき
身体の毛を逆立て、しっぽが太くなっているのは威嚇のサインです。
びっくりしたり、怖い思いをしたときによく見られます。「シャーッ!」っと歯をむき出しにしたりもするので、最もわかりやすいサインですよね。
怖がらなくていいよとわかってもらうためにも、気持ちが落ち着くような安心できる状況を作ってあげることが大切です。
下にだらりとたらしているとき
しっぽがだらんと下がるときは気分も下がってしまっているときかもしれません。
飼い主さんに叱られてしゅんとしたときなどにもなりますが、心配なのは体調が悪いときにもなるという点です。
具合が悪かったり、身体に異変を感じて元気がないという可能性もあるので、気になる際は獣医さんに診てもらうなど注意が必要です。
足の間に挟んでいるとき
しっぽを巻きつけるように足に挟んでいるのは弱気の表れです。
これは猫同士が対峙したときなどによく見られる光景です。
猫の習性として、身体を小さく見せることで相手に自分の弱さをアピールするということがあります。
「ケンカを避けたいな、この相手には敵わないな」と感じている表れだそうです。
かぎしっぽってなに?
ところでみなさんは「かぎしっぽ」という言葉を聞いたことはありますか?
珍しい形のしっぽをもった猫なんですが、実は日本にも意外とたくさん生息しているんですよ。
かぎしっぽとは
【かぎしっぽ】
かぎの形のように途中で曲がったしっぽのこと。純血種が細くまっすぐなしっぽをもつことが多いのに対し、かぎしっぽは混血主の猫に多く見られます。
かぎしっぽになる理由は「しっぽの長い親猫と短い親猫のDNAを継いだこと」による先天性の理由が多いですが、まれに「成長段階や外部からの要因によってしっぽが変形する」という後天性の理由もあるそうです。
先天性の場合は問題ありませんが、しっぽはとてもデリケートな部分なので、骨折や変形などには注意しなければなりませんね。
しっぽはかぎしっぽの「かぎ」は、昔から使われていた錠前に由来していると言われています。
かぎしっぽの「かぎ」は、今わたしたちが使用している一般的な鍵というよりは、イメージとしては南京錠の「U」が逆さまになった部分に近そうですね。
かぎしっぽの猫は主に日本、特に長崎県に多くいると言われており、海外では「かぎしっぽの猫は幸運をもたらしてくれる」といわれている国もあるそうなんですよ。
まとめ
今回は【しっぽからわかる猫の気持ち】について調査しました。猫のしっぽの構造や、かぎしっぽ猫についても調べてみるととっても興味深かったです!
猫のトレードマークといっても良いしっぽですが、動き方のパターンがこんなにたくさんあるなんて、本当に奥深いですよね!
猫は言葉は喋れませんが、しっぽの動きはもちろん、表情や泣き声などを通して飼い主にたくさんのサインを送ってくれてます。
猫の気持ちや心理をもっと理解したいという方はぜひ参考にしていただけると嬉しいです。