犬に比べ、寒さに敏感といわれている猫。
そんな愛猫の体調管理のため、飼い主なら絶対知っておきたい寒さによる猫の体調の変化や病気、また寒さ予防について紹介してまいります。
是非参考にして下さい。
猫の寒さ予防・防寒対策が必要な理由とは
外の冷え込みが厳しくなる季節になると、こたつなどで丸まって寝ている猫の姿がよく見られるようになります。
私達飼い主はその姿を見て癒やされることができますが、実は猫にとって寒さや冷えというのは体調不良やいくつかの病気を発症する引き金になるため飼い主は注意しなければなりません。
よって人間よりもずっと身体が小さく、もともと寒さに弱い動物である猫が寒い時期でも健康的に過ごすためには飼い主が率先して予防や対策をする必要があるのです。
寒さや冷えがもたらすネコの病気とは?
猫も私達人間と同じように冬場など外が寒くなる季節になると自然と活発な活動をすることを控えるようになり、ぐったりする、気だるくなるといった体調の変化が表れます。
また、猫には寒さによって引き起こされるいくつかの病気があります。
まず、寒さや冷えがもたらす4つの主な猫の病気について見ていきましょう。
病気1:猫ウイルス性鼻気管炎
寒い時期に猫が最も掛かりやすい病気として、猫風邪、通称猫ウイルス性鼻気管炎が挙げられます。
猫ウイルス性鼻気管炎とは、大気中に漂う猫ヘルペスウイルス(FHV)が猫の体内に侵入することで発症する病気で風邪の主な症状であるくしゃみや鼻詰まり、発熱や食欲不振など主に猫の気管が炎症を起こします。
軽度の症状であれば1?2週間で治まるためそれほど心配は要りませんが、炎症が長引き症状が重くなると食欲不振や下痢などといった合併症を引き起こすこともあるため注意が必要です。
特に免疫力の低い生後間もない子猫や老猫が掛かりやすく、重症化する可能性も高いためその際は必ず動物病院に連れていき早めに治療することが重要です。
病気2:猫カリシウイルス感染症
猫カリシウイルス感染症は、猫ウイルス性鼻気管炎同様に冬場に掛かりやすい病気の一つです。
猫仮シウス(FCV)という空気中にあるウイルスが体内に侵入することによって発症します。
症状としては感染直後に口や鼻など呼吸器系に痛みを伴うことでヨダレがたくさん出たり、痛みのせいで食事を摂ることが困難になります。
症状が深刻化すると体中に水疱や口内炎ができ、悪化すると肺炎を発症し死亡例のある非常に恐ろしい病気です。
例え完治したとしても猫の唾液中にそのウイルス源が数週間?数ヶ月間残ることで多頭飼いしている場合や外に連れ出した際にウイルスをばらまいてしまう可能性があるため注意が必要です。
病気3:尿管結石、膀胱炎、尿閉塞などの尿路疾患
猫は寒さを感じると身体を冷やさないために水分の摂取量が減り一日の排泄回数も少なくなります。
その結果、膀胱内にある尿や老廃物の濃度が濃くなり毒素が増えて尿結石や膀胱炎の原因となります。
尿結石や膀胱炎になると排泄する際に痛みを伴うため頻尿や血尿にもなりやすくなります。
それらの症状が深刻化すると膀胱の収縮活動が弱まり、排泄そのものがしづらくなる尿閉塞を発症し膀胱や尿管の中に大量の毒素が溜まってしまい最悪の場合命にかかわる病気です。
膀胱炎や尿管結石の原因としては細菌の感染によるものもありますが、膀胱内の環境をきれいに保つためにも冬でもしっかり水分補給をさせ排泄を促すことが大切です。
病気4:下痢や脱水症状
寒い時期には猫の下痢や脱水症状にも気を付ける必要があります。
寒さや冷えの他にもいくつかの原因はありますが、特に冬場になり猫の活動量が極端に減ると身体機能でだけでなく胃腸などの消化器官系の活動も弱まる傾向があります。
その結果腸内で食べ物が上手く消化できなくなる、悪玉菌や寄生虫が増え腸内環境が悪化することによって下痢や便秘を引き起こします。
また、下痢の際には猫は水分補給を控えようとするため、脱水症状にも掛かりやすくなります。
寒い時期に気をつけたい猫の病気予防法
以上の4点が寒い時期に注意したい猫の病気になります。
これらの病気の中には深刻化すると命に関わる病気もあるためいずれにしても日頃から病気にならないための対策や予防をする必要があります。
そこで、すぐにでも実践できる寒い時期に特に注意したい猫の病気予防法について紹介します。
猫の生活環境を変えてみる
病気を予防するために最も効果的な方法や猫の身体を冷やさないことです。
室内で飼っている場合、エアコンやストーブなどの暖房器具を使って温度調節をする方法が一般的ですが、より簡単に寒さをしのげる方法がいくつかあります。
例えば、猫の寝床を窓やドアから離れたところに設置することで外気に触れることを避ける、またキャットタワーなどを設置し比較的温かい高い場所にリラックスできるスペースを確保するなど、生活環境を少し変えるだけでも十分な寒さ対策ができ、結果的に病気
予防にも繋がります。
食事や生活スタイルを見直す
猫だけでなくほとんどすべての動物に当てはまることですが、一定の体温を維持し寒さをしのぐためにはある程度の脂肪、そして筋肉が必要不可欠です。
脂肪や筋肉を作るためには高タンパク質で低カロリーな食事が絶対となります。
そのため、冬の時期は食事の量を普段よりも少し増やす、栄養価の高いキャットフードに変えてみるなど食事に重点を置き生活スタイルを見直して見ましょう。
また、先程も述べたように寒いからといって猫に十分な水分補給をさせないと膀胱炎や脱水症状などの病気の引き金となります。
少しぬるま湯の水を与えるなど工夫して水分補給をしっかりさせましょう。
寒さによる猫の体調不良や病気まとめ
今回は寒さや冷えによって猫が引き起こす体調の変化や病気について紹介しました。
気温が下がり空気が乾燥する時期になると猫も細菌やウイルスによって感染症やあらゆる病気に掛かりやすくなります。
中には症状が進行すると最悪の場合命を落としかねない病気もあるため、少しでも体調の変化が見られたらすぐに動物病院に連れていきましょう。
また未然に病気を防ぐためにも猫の生活環境を見直したり食事や生活スタイルに気をつけることも病気の予防として効果的です。