最近やっと、保護犬・猫を救う活動が広まり、小さな命を救ってあげたいと保護犬や保護猫の里親になる方も増えてきました。
保護犬や保護猫を引き取るのは、思っているよりも簡単ではありません。
しかし、心構えを理解すれば難しいことでもありません。
今回は保護犬や保護猫を引き取る心構えと、里親になるまでの手順や注意点をご紹介します。
きちんと理解して、彼等を大切な家族の一員として温かく迎えてあげてくださいね。
保護犬や保護猫を引き取る心構えは?
保護犬や保護猫を引き取りたいと思っても、ただ可哀そうという理由だけでは同じことが繰り返されてしまいます。
実際、一度里親に引き取られた犬や猫が捨てられて、保護施設に戻されるといったこともありました。
そんな悲しいことを起こさないためにも、保護犬や保護猫を引き取るために必要な心構えをまとめました。
迎え入れるための環境作り
既に先住犬や先住猫がいる場合では、新たに犬や猫を迎え入れるのにさほど環境作りで困ることはありませんね。
慣れるまでの間、一匹で安心して過ごせるハウスや、おもちゃなどを用意しておけばいいでしょう。
しかし、初めて犬や猫を飼う場合や、先住犬や先住猫がいない場合では、ハウスやトイレ、柵やリード、食事やおもちゃなど準備するものがたくさんあります。
コードをかじってしまわないように対策をしたり、犬や猫にとって危険なものがないか確認しておく必要があります。
里親のちょっとした心遣いが、保護犬や保護猫を安心させてあげられる第一歩になるでしょう。
焦らずじっくり犬や猫のペースに合わせる
生まれてすぐの子犬や子猫を引き取る場合には、慣れるまでにそれほど時間はかかりません。
でも、成長した保護犬や保護猫は虐待や飼育放棄(ネグレスト)により捨てられてしまったり、繁殖犬や繁殖猫としてひどい環境で飼われている場合がほとんどです。
長い年月の間、我慢や諦め、絶望といった心の闇を抱えて過ごしており、愛情も知らなければ人間は怖い存在でしかありません。
動物愛護センターでは殺処分される仲間の声を聞き、檻の中で恐怖と闘っていた犬や猫もいるでしょう。
ですから、信頼関係を築くまでに数か月~数年と時間がかかります。
焦らずにその犬やその猫のペースで、じっくりと信頼関係を築いていくことが大切です。
問題行動があって当たり前!犬や猫に敬意と愛情を持って接する
里親になってから、犬や猫の行動に頭を悩ませることがあります。
ケージやハウスから出てこない、人を見ると唸る、ご飯を食べない、攻撃的な行動をする、家から逃げだそうとするといった、さまざまな問題があるかもしれません。
今までの経緯を考えれば問題行動があって当たり前であり、保護された犬や猫は、心からの安心や愛情が欲しいだけです。
また捨てられるのではないか、また怖いことをされるのではないか、と里親に優しくされても不安で仕方がないのです。
犬や猫をしっかり観察して、どんな気持ちかを想像して、その犬やその猫に敬意と愛情を持って接してあげることで、心から安心してもらえるようにしましょう。
最期までお世話をすること
最期までお世話をすることは、保護犬や保護猫に限らずすべての犬や猫に言えることです。
犬や猫が高齢になれば、病気や介護といった問題が発生することも考えておかなければいけません。
病気になれば動物病院での治療費がかかりますし、認知症や介護では夜中でもお世話をすることもあります。
もちろん、すべての犬や猫に手がかかるわけではありませんが、そればかりはいつどうなるかは誰にもわかりません。
病気や介護が原因で、大切な家族であったはずの犬や猫を保健所や動物愛護センターに持ち込む人も多いです。
そうならないためにも、最期までお世話をする覚悟をもって里親になりましょう。
保護犬や保護猫の里親になるまでの手順は?
保護犬や保護猫の里親になるには、インターネット上の里親募集サイトや、動物愛護センター、保護団体の譲渡会、保護犬や保護猫カフェなど入口はたくさんあります。
保護団体の譲渡会は、各保護団体のHPや、環境省のHP、動物病院などに貼られるポスターなどで確認することができますよ!
ここでは、里親になるまでの手順をご紹介していきます。
里親になるための手順|インターネットを利用する場合
- (1)里親募集サイトの譲渡条件をよく読み、応募フォームで申し込みをします。
- (2)後日、申し込み先から連絡が来るので、対面日時、対面場所を相談して決めます。
- (3)対面して気に入れば、本申し込みに進みます。
- (4)申し込み先が保護団体等であれば、里親になれるか検討する期間に入ります。
個人であれば、受け渡しの日程を決めます。 - (5)保護団体の家庭訪問が行われ、犬や猫を飼育できる環境であるかチェックされます。
- (6)すべてクリアできたら、2週間程度のトライアル期間に入ります。
- (7)トライアル期間が終了したら、受け渡しの日程を決めます。
- (8)マイクロチップの登録と誓約書にサインをして、費用を払い終了です。
インターネットでは、たくさんの保護犬や保護猫の写真を見ることができて便利ですが、個人の里親募集もあるため、トラブルも多いです。
しっかり募集内容を確認して、わからないことがあれば問い合わせをして、費用や受け渡しについてしっかり決めておきましょう。
里親になるための手順|譲渡会や愛護センターなどの場合
- (1)まず、譲渡会に参加します。
- (2)気になる保護犬や保護猫と相性テスト(マッチング)を受けます。
- (3)引き取りたい犬や猫が決まったら、申請書に記入します。
- (4)保護団体による家庭訪問が入り、犬や猫が飼育できる環境かチェックされます。
- (5)無事にクリアしたら、受け渡し日時を決めます。
- (6)譲渡についての講習を受け、誓約書にサインします。
- (7)マイクロチップの登録と費用を払って終了です。
譲渡会や動物愛護センター、保護犬・保護猫カフェでは、このような流れになります。
さまざまな犬や猫を、直接見ることができるのが利点です。
保護犬や保護猫の里親になるときの注意点は?
せっかく保護犬や保護猫の里親になるのに、こんなはずじゃなかった、なんてことのないように、見落としがちな注意点をまとめました。
住んでいる家がペット可物件か確認しておこう
まず、住んでいる家が戸建ての持ち家なら問題はありませんが、分譲マンションや賃貸物件ではペットの飼育が可能か確認しておく必要があります。
犬はいいけど猫はダメ、小型犬ならいいけど中型犬以上はダメ、猫はいいけど犬はダメ、1匹しかダメ、など、細かく決まっている場合がほとんどです。
いざ引き取ろうと思ったら、ペットが飼えない家だった、ということは避けたいですね。
譲渡でもお金はかかる!費用の確認をしておこう
保護犬や保護猫の譲渡と聞けば、お金はかからないものだと思っている人も少なくありません。
一般的にはマイクロチップの登録やワクチン、ノミダニ予防、去勢手術や避妊手術などの費用を請求されます。
5万円~10万円くらいはかかるので、あらかじめ費用の確認をしておきましょう。
保護団体によっては、ペット保険の加入が必須なところもあります。
保護犬や保護猫の里親になろう!|まとめ
保護犬や保護猫を引き取るのは、通常の飼育よりも難しいかもしれません。
しかし、きちんと里親になる心構えを理解しておけば、そんなに大変なことでもありません。
保護犬や保護猫たちは、ただ不安なだけです。
ゆっくりじっくりと愛情を持って接すれば、心を開いてくれます。
彼等と共に過ごす時間は、素晴らしい体験や感動を与えてくれるでしょう。
里親になるための手順や注意点を参考に、彼等を家族の一員として迎えてあげてくださいね。
そして、悲しい思いをする保護犬や保護猫が、少しでも救われることを祈りましょう。