一日の大半を寝て過ごすと言われている猫。
そのため、飼い主であれば起きている時より寝ている時の猫を観察する機会が多いと思いますが、ご自身の猫はどのようにして寝ているでしょうか。
寝息を立ててスヤスヤと寝る場合が一般的ですが、中には「グガー」など音を立ってていびきをかいたり寝言を言いながら眠る猫も実は珍しくないのです。
しかし、なぜ人間と同じように猫もいびきをかいて眠るのでしょうか。
一緒に考えていきましょう。
猫がいびきをする?
そもそもなぜ猫がいびきをかいて寝るのか、その理由は非常にシンプルで、人間がいびきをかくメカニズムとほとんど同じと言われております。
猫も人間も当然ですが、睡眠中に酸素を体内に取り込むために、口もしくは鼻から呼吸をしています。
その際に、取り込んだ空気が呼吸器官を通って肺に行き着く課程において、呼吸器官のある部分が脂肪などで圧迫されている箇所があると空気と振動して音を立てる、それがいびきのメカニズムです。
人間のいびきの場合大抵は「グガー」という鈍い音を立てますが、猫の場合は鈍い音に加えて「スピー」「クルルルー」という特徴的な可愛らしい音を立てていびきをかきます。
猫は寝言も言う
猫は睡眠中にいびきだけでなく、寝言を言うこともあります。
猫が寝言を言う原理も、人間とほぼ同じと言われていおります。
睡眠には大きく分けて2種類あり、比較的深い眠りで筋肉も脳が非常にリラックス状態にあるノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠があります。
この浅い眠りのノンレム睡眠時に夢を見る場合が多く、その夢の内容に応じて猫も人間も寝言を発するのです。
例えば、夢の中でおもちゃに夢中になって遊んでいたり何か緊迫した状況に陥っているときは、現実世界で起きたときと同じような感情を抱くため、反射的に寝言を発するのです。
猫がいびきをする理由とは?
なぜ猫が人間と同じようにいびきや寝言を言うのか、理解していただけましたでしょうか?
ここからは、猫がいびきをかく具体的な3つの理由について紹介します。
理由によっては、飼い主がそれらのサインに気付き、早急な対処をする必要があるケースもあるためしっかり理解しておきましょう。
理由その1:肥満や運動不足
猫がいびきをかく理由として最も考えられるのが、肥満や運動不足の場合です。
人間にも当てはまりますが、どうしても肥満体型であると脂肪が睡眠時に呼吸をするための呼吸器官を圧迫してしまい空気の通り道を狭めてしまいます。
その結果、呼吸器官と空気が摩擦を起こしやすくなりいびきの原因となるのです。
また、運動不足に関してもあまり動き回らずじっとしている傾向のある猫は、頻繁に動き回って運動している猫に比べて肺活量が少なくなり、心肺機能も弱まるためいびきの原因になりやすいのです。
肥満や運動不足によるいびきの場合は食生活の見直しや適度な運動をさせることによって、十分改善が見込めるため、飼い主は猫の健康のためにもしっかりケアをしてあげることが大切です。
理由その2:花粉やほこりなど外的な要因
特に子猫が該当しますが、猫は人間に比べて圧倒的に免疫力が低い動物です。
そのため、花粉やハウスダストといったモノを鼻や口から吸い込んだ時に、アレルギー反応を起こして粘膜が炎症を起こす恐れがあります。
粘膜が炎症を起こすと鼻水や涙が出やすくなり、それらが鼻詰まりになった結果鼻腔を狭めいびきに繋がるのです。
また、花粉やハウスダストだけでなくタバコの煙も猫の粘膜を刺激しやすいため、喫煙者の方は十分気を付ける必要があります。
理由その3:先天的・猫の種類
上記で挙げた2つの理由以外にも、先天的な要因でいびきをかく場合があります。
例えば軟口蓋過長症や気管虚脱症といって、生まれつき呼吸器官等に異常がある障害を持っている猫は、後天的な外的要因問わずいびきをかきます。
その他にも、猫の種類によってもいびきのかきやすさも異なり、ペットとして人気のあるエキゾチックショートヘアやペルシャ、ヒマラヤンなどは比較的いびきをかきやすい種類であると言われています。
病気のサインかも!?こんな猫のいびきには気をつけよう
「スピー」「クルルルー」といった小さな音のいびきの場合は、そのままにしておいても問題はありません。
しかし、知らぬ間に病気を抱えているケースもあるため、猫のいびきには注意をして対処する必要があります。
「ゴーゴー」「グーグー」など鈍い音
猫が明らかに寝苦しそうにしていたり、「ゴーゴー」「グーグー」など鈍い音を立てていびきをかいて寝ている場合は、なにかの病気を疑いましょう。
先程も少し触れましたが、アレルギー性鼻炎や猫風邪、副鼻腔炎が主な病気として挙げられます。
それらの症状をそのまま放置しておくと、他の呼吸器官が炎症を起こし悪化したり、他の病気に繋がる場合があります。
そのため、明らかにおかしい違和感のあるいびきに気付いたらすぐに動物病院に連れていき、専門家の指示を仰ぎましょう。
寝ている時に呼吸が止まったら要注意!
寝息やいびきをかいて寝ている最中に、時折呼吸が止まるなどといった様子が見られる場合は要注意です。
特に、肥満の猫に多く見られる症状で病気ではありませんが、余分な脂肪が呼吸器官を圧迫し空気の通り道を狭めていることで、睡眠中の呼吸を妨げている可能性があります。
呼吸が十分にできないわけですから、このような状態が長く続くと当然命にも関わってきます。
そのため、少し体重や体型が気になったら適度に運動させたりキャットフードを変えるなどして、食生活を改善することを強くオススメします。
いびきに雑音が混ざる
以上で挙げた2つ以外にも、例えばいびきをかいている時に変な音や雑音が混じっていたら、心筋症や気管虚脱などの症状を患っている可能性があります。
心筋症とは、心臓の周りにある筋肉が通常の厚さよりも厚くなるもしくは薄くなるといった異常を起こしており、放置しておくと心臓の動きに悪影響を与えてしまいます。
気管虚脱症とは、喉から肺にかけて延びている呼吸器官系の管が通常よりも狭まり、十分な空気を送り込めない状況にあります。
いずれにしても素人では処置の仕様がないため、気になったらすぐに医療機関に連れていきましょう。
猫がいびきをかく理由とは?まとめ
今回は、猫がいびきをかく主な理由や病気のサインについて紹介してきました。
種類や先天的な理由によって、もともといびきかきやすい猫はいます。
しかし、花粉やハウスダスト、人間のタバコの煙が猫のいびきの原因になっていることも十分ありえます。
このように、外的な要因や生活環境によっていびきをかきやすい状態にしてしまい、その状態をずっと続けていると、重い病気にも繋がりかねません。
そのため、日頃からの食生活や適度な運動はもちろんのこと寝ている時に、寝苦しそうにしていたり鈍い音を立てていびきをかいている場合は、それらのサインにしっかり注意し、すぐに専門機関に連れていき対処してもらいましょう。