昨今では、獣医学の飛躍的進歩や愛犬をきちんとケアする飼い主さんの増加に伴い、犬の平均寿命は昔と比べ上がっています。
つまり、多くの犬がシニア期を迎えられるのです。
しかし、犬も人間と同じ様に老化が進むと活発に動けなくなってしまい、筋肉も衰えます。
今回は、愛犬がシニアになっても健康的に過ごせるように、老化に伴う運動不足や体力低下への対策についてご紹介します。
犬の老化のサイン
具体的にどこからが犬が老化したと言えるのでしょうか?
犬が老化したと分かるサインはいくつかあります。
これから、そのサインについてまとめていきます。
歩きたがらない
散歩に行っても、すぐに家に帰りたがる様子を見せていると老化のサインかもしれません。
老化による筋力の衰えや、関節の痛みが原因で、長時間の散歩が犬にとって想像以上の負担になっているのです。
多くの犬は、後ろ脚から衰えていく傾向があるので、歩き方がいつもと違っていたり、尻尾が下がっていたりすると老化のサインかもしれないので、飼い主さんは普段の散歩からしっかり観察しましょう。
睡眠時間が増える
犬の平均睡眠時間は大体12時間程度だと言われています。
シニア犬になってくると、その睡眠時間が更に長くなる傾向があります。
疲れやすくなっている上に、物事への関心が薄くなっている事から睡眠時間が増えるのです。
夜だけではなく、お昼も頻繁に睡眠している事が増えてくると、老化のサインかもしれません。
ご飯を食べなくなる
老化すると、運動量が減少する事と比例して、胃酸などの消化液の分泌量が減り胃腸が活発に働かなくなります。
これが原因となり、徐々に食欲が低下していく事があります。
ただ老化以外にも、病気から食欲不振の可能性もあるので、原因を知るためにもかかりつけの動物病院に相談しましょう。
体力低下への対策となる運動
老化してくると筋肉が衰え、運動することが億劫になり、最終的に寝たきりになってしまいます。
運動しなくなると、筋肉だけでなく内臓も衰えていきます。
きちんと運動をして筋肉を付ける事は、身体だけではなく、老化防止にも繋がるのです。
ただ、シニア犬に対して成犬と同じ様な散歩や遊びをする事は大きな負担になってしまいます。
なのでこれから、シニア犬向けの健康的に過ごすための運動方法についてご紹介します。
布団の上で遊ぶ
まず、厚めのふかふかした布団を用意しましょう。
そして、その上で犬を遊ばせましょう。
布団の上ならば、自らのバランスを保つために均等に力を入れるので、均等に筋肉を付けることが可能です。
更に、転倒した時も布団の上なので怪我をするリスクを減らす事が出来ます。
坂道を散歩
シニア犬なので坂道であったりは避けるべきであると思うかもしれませんが、散歩に緩やかな坂道を取り入れる事は筋肉を付けるのには効果的な運動です。
できればコンクリートを避け、芝生や土の方が柔らかく、シニア犬への負担が軽いので、坂道のある公園などで散歩をするのがおススメです。
そして無理だけはさせない様にして下さい。
マッサージ・屈伸運動
足腰が弱ってしまい、散歩をすることが難しいシニア犬の場合、室内で出来るマッサージや屈伸運動もおススメです。
マッサージは、頭からお尻、足の付け根から指先まで筋肉をほぐす様にします。
ゆっくりと優しくマッサージをしてあげて下さい。
その際、同時に屈伸運動を取り入れてあげると、関節に負担をかけずに運動をすることが出来ます。
犬の肩や腰に手を添え、別の手で手足をゆっくりと曲げ伸ばしてあげましょう。
マッサージや屈伸運動は、運動効果に加えて、筋肉が固まってしまう事を防ぐ効果もあります。
ソックスで筋トレ
犬用のソックスを履かせる事も、筋肉を付けるのには効果があります。
ソックスを履くと、脚を上げて歩く様になるので、普段から脚の筋力を維持出来ます。
運動する際に気を付けたい事
体力が低下してきているシニア犬ですから運動する際には、注意しなければならない事は沢山あります。
これからその注意点についていくつか見ていきましょう。
散歩をする際の気温と時間帯
シニア犬を散歩させる時は、時間帯に気を付けてあげて下さい。
特に夏の気温の高い時期の場合、アスファルトの温度は50度を超える事があります。
地面に直接脚を付けて歩く犬にとって、この状況はかなりの負担になってしまいます。
シニア犬であると尚更です。
夏場は、アスファルトがまだ熱くなっていない早朝に散歩する事がおススメです。
また、早朝に日に当たるとセロトニンという、精神的な満足感や睡眠良い影響を与えてくれる神経伝達物質が分泌されます。
散歩はゆっくりと
散歩の途中で日光浴などを挟み、歩く距離を短くして、シニア犬のペースに合わせてゆっくり歩くようにしてあげて下さい。
自分の力で歩く事が困難な犬でしたら、カートなどを使って公園まで連れて行き、歩行補助ハーネスなどを使って、日光浴をしながらすこしだけ歩かせてあげましょう。
いきなりドッグランをさせるなどの、急な運動は避けましょう。
散歩の際の持ち物
シニア犬は、体温調整をする事が難しく、喉が渇きやすいです。
夏場は特に、喉が渇きやすいです。
なので、散歩中に飲ませてあげるために、給水ボトルを持っていく事をおススメします。
また冬も寒がる事が増えるので、冬に散歩をする際は服を着せてあげましょう。
更に、シニア犬は体力が衰えてきているので、急に体調が悪くなる場合があります。
こういった万が一の時のために、携帯はつねに持って行き、いつでも動物病院に連絡出来る準備をしておきましょう。
体調を気にかける・ウォーミングをする
犬が体調が良くなさそうであったり、疲れているように見えたら散歩を止めるか、短めにしてあげて下さい。
また足腰が弱い犬の場合、階段や坂道、砂利道などは避けて、歩きやすい平坦な道で散歩してあげましょう。
そして、急な運動をさせるのも止めましょう。
急激な運動は心臓や関節に負担をかけてしまいます。
散歩をする前は、関節を伸ばしてあげるストレッチをしたり、お庭を軽く歩かせたり準備運動を行って下さい。
ペットの老化を防ぐには?|まとめ
今回は、ペットの老化を防ぐための、運動方法やその際の注意点についてまとめました。
老化は避けられない現象ですが、愛犬が年を取っても、なるべく健康でいて欲しいですよね。
運動をする事は、シニア犬が健康を保つのに非常に効果的である事が分かりました。
しかし、シニア犬は子犬や成犬よりも更にデリケートなので、決して無理をしない運動をさせてあげる事を飼い主さんは心がけて下さいね。