チンチラの基本情報
- 原産国、地域 チリ
- 一般的な体重 0.4~0.6kg
- 一般的な体高 体長25~35cm
チンチラの名前の由来
1300~1600年ごろ南米の海岸に住んでいた「チャンチャ」という部族の名前がチンチラの名前の由来であると言われています。
チンチラの歴史
チンチラにはどのような歴史はがあるのでしょうか?
チンチラは元々1300年ごろ南米でチャンチャ族により食肉や毛皮を目的に捕獲されていました。
1400年ごろになると、インカ帝国がチャンチャ族を支配するようになり、チンチラの毛皮はインカ王国貴族のシンボルにもなりました。
1500年代になると、今度はスペインが南米を侵略するようになり、スペイン女王もまたチンチラの毛皮に魅了されました。
そこからスペイン宮廷の女性たちにも流行し、現地南米ではチンチラ狩りが盛んに行われるようになりました。
1900年代にもなると、チンチラの毛皮の輸出量はかなりの量になり、野生のチンチラは数を激減させていました。
そこで、1918年にはペルーやチリ、アルゼンチン、ボリビアでチンチラの捕獲や毛皮の輸出禁止令が出されましたが、結果それにより密猟が増え、野生のチンチラは絶滅寸前にまで追い込まれることとなりました。
禁止令が出された同年、アメリカ人のチャプマンという人物が、チンチラのペット化に乗り出しました。
彼は禁止令が続く中、3年がかりで集めた11匹のチンチラを何とかアメリカへと持ち帰り、繁殖をさせました。
繁殖は大成功し、ペットとしてのチンチラは数を増やすとともに、チャプマン氏は毛皮用としても売り出し毛皮業界の大御所にもなりました。
現在ペットとして扱われているチンチラは、この11匹が祖先になっていると言われています。
チンチラの性格や特徴
チンチラには、どんな性格や特徴があるのでしょうか。
それぞれの性格や特徴をきちんと知っておくことでペットが長生きし(寿命が延び)、一緒に過ごせる大切な時間が増えることにも繋がります。
意外と知らないチンチラの性格が見えてくるかもしれません♪
チンチラの性格
野生では標高400~1650mの高山地帯に生息しており、岩場にオス、メス、そして子供が集まって集団生活をしています。
食性は植物食で、草本、木の根、コケなどを食べています。
妊娠期間は111日で、1回に1~6匹の子供を産みます。
野生のチンチラは森林伐採などによる環境破壊でその数を減少させています。
夜行性で運動能力が高く、臭いがほとんどしません。
体は丈夫でとても長生きです。
毛根には1つあたり約50~100本もの毛がみっしりと生えており、被毛の密度が高いため、防寒機能に優れています。
集団生活をするため、鳴き声で意思の疎通を図ります。
たとえばコミュニケーションを取りたい場合は「キュッキュー」「プープー」「プップッ」、警戒、威嚇の際は「ギャッギャッ」「グーグー」「ケーッケーッ」、求愛や欲求の際は「ワンワン」「アンアン」「ヴォッヴォッ」などと鳴きます。
性格は好奇心旺盛で明るく遊び好きで、知能が高いので飼い主の顔も覚えてくれます。
チンチラの毛色
チンチラの毛の色や柄はこんな種類があります。
ノーマル(スタンダード・グレー)、バイオレット(サファイア)、ブラック・ベルベット、ブラックエボニー、ベージュ、シナモン、ブラウン、ルビーホワイト、ピュアホワイト、シルバーパイド
チンチラに似ているのは?
チンチラに似ている種類のペットはこちら!
デグー
チンチラの飼い方としつけ方
種類によって適している飼い方やしつけ方は様々です。
室内で飼う方が適しているペットもいれば、逆に屋外で飼う方がストレスがたまらず快適に過ごせるペットもいます。
もちろん、性格によってしつけ方も全く変わってきます。
チンチラに合わせた飼い方・しつけ方を解説します。
チンチラは規則正しく生活するので、1日の生活リズムをしっかり決めてやり、食事や遊びの時間帯は毎日決まった時間帯に行うようにしましょう。
また、かなり活発に動き回るので、遊ぶスペースを確保したり、回し車を用意してあげましょう。
1日1時間程度は外に出して遊んであげられるとよいです。
外に出すときは電気コードを噛まないよう気を付けましょう。
基本的にトイレのしつけはできないので、ペット用のトイレシーツをケージの下に敷くと便利です。
歯は一生伸び続けるので、かじり木を用意する必要があります。
チンチラはお風呂の代わりに毎日砂浴びをするので、砂は常に清潔なものを置いておくようにしましょう。
暑いのが苦手で熱中症にかかりやすいので、エアコンや除湿機等を使って室内の温度は15~25℃に、湿度は60%を超えないように調整する必要があります。
夜行性なので、昼間はしっかり寝かせてあげましょう。
音に敏感なので、工事の音や子供の騒ぐ声、掃除機の音などにストレスを感じてしまいます。
外部の音が聞こえやすい場所にはケージを設置しないようにしましょう。
室内と屋外どっちで飼うのに適している?
チンチラは、室内で飼うことに適しています。
チンチラのオスとメスの違い
チンチラオス・メスそれぞれの性格の違いや行動はあるのでしょうか?
チンチラの性別ごとの性格・特徴を見ていきましょう。
オス:メスに比べて気性が穏やかな個体が多い傾向にあります。
ケージの外ではおとなしいですが、ケージの中では暴れる個体もいます。
メス:気が強く攻撃的な傾向にあります。
ストレスがたまるとおしっこを飛ばすこともあります。
ケージの中では比較的おとなしい個体が多いです。
チンチラのおすすめのエサ
ペットのエサは数えきれない種類があります。
何を選べばいいかわからない人も多いと思いますが、エサもペットによって様々です。
チンチラの体質に合った、健康的で長生きすることにつながるエサの種類を紹介します。
主食として牧草を与えます。
牧草は奥歯をしっかりすり合わせないと食べられないため、歯の伸びすぎ防止に効果があります。
牧草には、アルファルファなどのマメ科のものと、チモシーなどのイネ科の2種類があります。
マメ科の方が高タンパク、高カルシウムでカロリーも高めです。
成長期や妊娠中のチンチラにはこちらのマメ科の牧草の方が適しています。
1年ほどで大人になるので、徐々にイネ科の牧草に切り替えていきましょう。
梅雨時期など湿気の多い時期には、チンチラ専用フードも併用するのもよいです。
また、副食として野菜や果実などを少量与えます。
小松菜やサツマイモ、リンゴ、ナッツ類、小麦などの穀物、ドライフルーツ、フランスパンなどの硬いパンがよいでしょう。
ナッツ類、ドライフルーツ、硬めのパンは特に喜んで食べますが、脂質・糖分・塩分が高いものが多いので、あげすぎは肥満や病気の原因にもなるので注意しましょう。
水は常に新鮮なものを用意しておきましょう。
チンチラの1ヶ月の食事代(エサ代)の平均
チンチラの1ヶ月の食事代(エサ代)は、約2,000~3,000円です。
チンチラのお風呂のペース
基本的に必要なし、どうしても汚れや臭いがが気になるときのみに限りましょう。
チンチラにおすすめのグッズ
チンチラを飼うにあたっておすすめのグッズを紹介します♪
飼育に欠かせないものとして、高さのあるケージを用意し、中には足場としてステップを設置してあげましょう。
また、暗くて狭い場所が落ち着くので、寝床として巣箱を、牧草とペレット用のエサ入れを、ボトルタイプの給水器も用意してあげましょう。
欠かせないのが砂浴び用の砂場で、砂は他の動物と違って毛の密度が高いので、チンチラ専用の目の細かい砂を用意してあげる必要があります。
他にも運動用の大きめの回し車を、足を挟まないようにプラスチック製がよいでしょう。
歯の伸びすぎを防ぐためにかじり木も置いてあげましょう。
チンチラのかかりやすい病気
体質によって、かかりやすい病気は様々です。
自分のペットのかかりやすい病気を知っておくことで、日頃の生活で気をつけることも見えてきます。
チンチラがかかりやすい病気はこのようなものがあります。
不正咬合、熱中症、皮膚糸状菌、脱毛症、下痢、便秘
チンチラのよく使う薬・サプリ
整腸作用を目的として乳酸菌やパパイヤ・パイナップルエキスが含まれるもの、健康の維持や免疫力のアップを目的としてビタミンCやマルチビタミンが含まれるものなどが使用されます。
チンチラの治療平均価格
ペットを飼うには、もちろん高い医療費がかかります。
最近はペット用の保険もありますがまだまだ浸透しておらず、病気になった際に飼い主は高額な治療費を払うこともあります。
そして、治療費はペットの種類によってさまざまです。
まずチンチラなどのエキゾチックアニマルを診察してくれる病院は限られています。
飼育の前に近所にそのような病院があるか調べておきましょう。
治療費は病院によって異なりますが、診察費としてだいたい1,000~2,000円、鎮静費(麻酔費)として3,000~5,000円、症状により各種検査費用として1,000~10,000円ほどかかってきます。
また、薬代として1,000円~、手術となると、10万円を超えることも珍しくありません。
チンチラの平均寿命と価格
チンチラの平均寿命
人間よりもとても寿命が短いペットたち。
その分、1日1日を大切にして健康的で幸せな日々を一緒に過ごしたいですよね。
ですが、種類によって平均寿命は違うので基礎知識として覚えておきましょう。
チンチラの平均寿命は10~15年です。
チンチラの価格相場
チンチラの価格相場は、2~13万円です。
チンチラを飼っている主な著名人
渡部絵美
チンチラに関するまとめ
チンチラは比較的頭が良く飼い主の顔も覚えてくれ、一緒に遊ぶことを楽しんでくれるので、小動物とコミュニケーションを取りながら癒しを求める方に向いています。
飼育スペースもそれほど必要ではないので、日本の集合住宅でも問題なく飼育することができます。
ただ、温度変化に弱いので、ほぼ1年中エアコンをつけっぱなしにする必要があること、毎日砂遊びをするのでケージの外に飛び散った細かい砂を掃除する必要があること、飼育下では10年以上、ときには20年と長生きするのでこの期間面倒を見続ける覚悟がいること、これらの点がクリアできない方は飼うべきではないでしょう。