ヨーロッパハリネズミの基本情報
- 原産国、地域 ヨーロッパ
- 一般的な体重 0.6~1.2kg
- 一般的な体高 体長20~30cm
ヨーロッパハリネズミの名前の由来
ヨーロッパに生息することからこの名前がつけられました。
ヨーロッパハリネズミの歴史
ヨーロッパハリネズミにはどのような歴史はがあるのでしょうか?
ヨーロッパでは古くからハリネズミが市街地にも生息していたため、民間伝承にも多く登場し、牛の乳を吸う、蛇の毒に免疫があるなどの言い伝えも存在します。
近年になり、野生のものが愛玩用として家畜化され、ペットとして飼育されるようになりました。
ヨーロッパハリネズミの性格や特徴
ヨーロッパハリネズミには、どんな性格や特徴があるのでしょうか。
それぞれの性格や特徴をきちんと知っておくことでペットが長生きし(寿命が延び)、一緒に過ごせる大切な時間が増えることにも繋がります。
意外と知らないヨーロッパハリネズミの性格が見えてくるかもしれません♪
ヨーロッパハリネズミの性格
ヨーロッパハリネズミは、西ヨーロッパから中央ヨーロッパの一部にかけて、またバルト海北部を含む北ヨーロッパ南部とロシア北西部に生息しており、別名ナミハリネズミとも呼ばれます。
2005年に特定外来生物に指定されたため、新しく購入して飼育することはできません。
指定される以前に飼っていたものは許可申請を出して飼育を続けることができますが、繁殖をさせて新しい個体を得ることはできません。
他のハリネズミに比べて全体的に茶色が濃いのが特徴で、その体は6000本もの針で覆われています。
短足で丸々としていますが、見た目に反して素早く、木登りや泳ぐのが得意です。
性格は基本的にきわめて臆病で、普段は針を寝かせていますが、驚いたり身の危険を感じると剛毛を立てて体を丸めるので触ると痛いです。
夜行性なので日中は眠っています。
ハリネズミの多くは砂漠の熱い地域が原産のものが多いのですが、ヨーロッパネズミは寒い地域出身です。
日本では10~4月にかけて冬眠する可能性があり、また18℃以下でも冬眠してしまいます。
食性は昆虫食傾向のある雑食性で、ミツバチ、クモ、コオロギなどの昆虫を主に食べます。
ナメクジやカエル、トカゲ、鳥の卵、小型哺乳類の死骸、キノコ、果実等も食べることが分かっています。
繁殖期は冬眠から起きた5~7月で、ひと月ほどの妊娠期間を経て4~6匹の子供を産みます。
メスが子育てをし、4~6週間ほどで離乳します。
タイミングが合えば、夏に2度目の出産をすることもあります。
生まれたばかりは小さな針に覆われているのみですが、36時間で外側の針が生え始めます。
また、11日ほどで丸まれるようになります。
野生化での寿命は3年程度ですが、中には10年生きる個体もいます。
そのもっとも多い死因は餓死で、多くは冬眠中に起こります。
神奈川県小田原市では、ペットとして飼育されていたヨーロッパハリネズミが野生化し、生態系に影響を与える危険性もあり、問題となっています。
ヨーロッパハリネズミの毛色
ヨーロッパハリネズミの毛の色や柄はこんな種類があります。
スタンダード、ブロンド
ヨーロッパハリネズミに似ているのは?
ヨーロッパハリネズミに似ている種類のペットはこちら!
アムールハリネズミ、ヒトイロハリネズミ
ヨーロッパハリネズミの飼い方としつけ方
種類によって適している飼い方やしつけ方は様々です。
室内で飼う方が適しているペットもいれば、逆に屋外で飼う方がストレスがたまらず快適に過ごせるペットもいます。
もちろん、性格によってしつけ方も全く変わってきます。
ヨーロッパハリネズミに合わせた飼い方・しつけ方を解説します。
ハリネズミの1日は夕方から始まります。
起きてきたら、活発さなど健康状態をチェックしたり、食事を与えるときには食欲があるかどうかを確認しましょう。
飼い主が就寝後は部屋を暗くしてあげましょう、早朝ハリネズミは眠りにつきます。
朝は食べ残しの確認やトイレ掃除を行いましょう。
昼間はハリネズミの睡眠時間なので、ゆっくりと休ませてあげましょう。
毎日必要な世話は、食事を与える、飲み水の交換、トイレ・ケージの汚れの掃除、健康チェックです。
月1くらいを目安として、ケージ・飼育グッズの洗浄、食器や給水ボトルの殺菌洗浄を行いましょう。
また、ハリネズミは暑すぎるのも寒すぎるのも苦手です。
特に、寒すぎる場合ヨーロッパハリネズミは冬眠をしてしまうため、それが死因となってしまうこともあります。
エアコンで温度管理をしっかりしてあげましょう。
ハリネズミが過ごしやすい温度の目安は24~29℃です。
日光やエアコンの風が直接当たる場所にケージを設置しないようにしましょう。
活発に動き回っている場合、爪は適度に削れていきますが、伸びすぎてしまうこともあるので、必要に応じて爪切りをします。
ハリネズミの爪は鉤爪なので、ウサギ用などの小動物用爪切りが使いやすいでしょう。
また、トイレを教えることも可能なので、覚えてくれればラッキー程度にトイレの位置を教えてみるのもよいです。
基本的な教え方は、ハリネズミの排せつ物を拭き取ったティッシュをトイレ容器に入れておくという方法です。
トイレ容器以外で排泄をしたら、においが残らないようにきれいにしておきます。
ハリネズミは臆病な生き物なので、他の動物と接触させることは避けましょう。
また、慣れるかどうかは個体による差が大きく、背中の針はけがをすることにつながりかねません。
そのため、子供のいる家庭で飼育する場合には、保護者のしっかりとした監視が必要です。
室内と屋外どっちで飼うのに適している?
ヨーロッパハリネズミは、室内で飼うことに適しています。
ヨーロッパハリネズミのオスとメスの違い
ヨーロッパハリネズミオス・メスそれぞれの性格の違いや行動はあるのでしょうか?
ヨーロッパハリネズミの性別ごとの性格・特徴を見ていきましょう。
オス:おっとりしていることが多い、同性同士のけんかが起こりやすい、メスよりやや大きい
メス:気が強い、オスよりも生殖器の病気が多い
ヨーロッパハリネズミのおすすめのエサ
ペットのエサは数えきれない種類があります。
何を選べばいいかわからない人も多いと思いますが、エサもペットによって様々です。
ヨーロッパハリネズミの体質に合った、健康的で長生きすることにつながるエサの種類を紹介します。
ハリネズミは、野生下では昆虫類などの動物を食べているため、動物性タンパク質を十分に含む食べ物が必要です。
主食としてハリネズミ専用のフード(代用品としてキャットフードやフェレットフードを与える方もいます)を、副食として昆虫類(など動物質の食材を与えましょう。
ハリネズミに必要な栄養成分はきちんと研究されていませんが、タンパク質は30~50%、脂肪分は10~20%以下を一つの目安としてフードを選んであげましょう。
また、野生化では昆虫類を食べることで繊維質の一種であるキチン質(外骨格や翅など)も摂取していると考えると、繊維質も5%程度はあるといいでしょう。
基本はお湯でふやかして与えます。
しかし、ドライのまま与えることでかじる際に歯垢を落とすという効果が期待できるので、ドライのままのものを少し混ぜてあげるとよいでしょう。
また、副食としての昆虫類などはミルワームやコオロギなどが手に入りやすいです。
生きたまま与えることで捕食するという本能を満たすこともできます。
昆虫は栄養価が非常に高いので、与えすぎには注意が必要です。
その他ゆでたささみやレバー、りんご、バナナ、さつまいも、ニンジン、チーズ、卵など色々なものをバランスよく与えてあげましょう。
与えてはいけないものとしては、ジャガイモの芽や皮の青い部分、玉ねぎや長葱、生の豆類やアボカド、チョコレート、牛乳など、他には歯に負担がかかるような極端に硬い食べ物、口蓋や葉の間に引っかかるようなサイズの食べ物には注意が必要です。
ヨーロッパハリネズミの1ヶ月の食事代(エサ代)の平均
ヨーロッパハリネズミの1ヶ月の食事代(エサ代)は、約700~1,500円です。
ヨーロッパハリネズミのお風呂のペース
本来ハリネズミを洗う必要はありませんが、回し車で排泄したときに体に便がつくなど、体がひどく汚れたときは洗ってあげた方がよいでしょう。
ヨーロッパハリネズミにおすすめのグッズ
ヨーロッパハリネズミを飼うにあたっておすすめのグッズを紹介します♪
まずは飼育のためにケージが必要です。
ケージには金網タイプやプラスチック、アクリル、ガラスなどの素材のものがあります。
十分にゆとりがあり、脱走を防ぐために網の隙間が大きすぎないものを選びます。
飼育グッズとしては、寝床として木製の巣箱、シェルター、またフリース生地でできた寝袋などを用意してあげましょう。
また、トイレを教えることも可能なので、ウサギやフェレット用の小型のものを置いてあげるとよいでしょう。
トイレにはトイレ砂を敷いてあげましょう。
その他食事用の食器、給水ボトル、床材(広葉樹のウッドチップ、柔らかい牧草)、遊び道具として回し車、砂遊び用の砂も置いてあげましょう。
病院への通院用やケージ掃除の際の避難場所にキャリーケースがあるとよいです。
温度管理用にペットヒーターや冷却ボードも準備しておくとよいです。
ヨーロッパハリネズミのかかりやすい病気
体質によって、かかりやすい病気は様々です。
自分のペットのかかりやすい病気を知っておくことで、日頃の生活で気をつけることも見えてきます。
ヨーロッパハリネズミがかかりやすい病気はこのようなものがあります。
歯周炎、腫瘍、皮膚炎、角膜潰瘍、結膜炎、角膜の外傷、膀胱炎、尿石症、子宮炎、子宮蓄膿症、サルモネラ症、カンジダ症、クリプトスポリジウム症、肥満、ハリネズミふらつき症候群(WHS)
ヨーロッパハリネズミのよく使う薬・サプリ
ハリネズミのフードに代用品としてキャットフードやフェレットフードを与える場合、尿石対策としてカルシウムの量が抑えられていることが多いので、骨折予防のためにもサプリメントで補ってあげましょう。
また、ビタミンが不足すると耳がギザギザになるとも言われています。
ハリネズミ用のマルチビタミンを補給してあげるとよいでしょう。
また、便通をよくするために乳酸菌入りのサプリメントを与えてあげるのもよいでしょう。
ヨーロッパハリネズミの治療平均価格
ペットを飼うには、もちろん高い医療費がかかります。
最近はペット用の保険もありますがまだまだ浸透しておらず、病気になった際に飼い主は高額な治療費を払うこともあります。
そして、治療費はペットの種類によってさまざまです。
まずハリネズミなどのエキゾチックアニマルを診察してくれる病院は限られています。
飼育の前に近所にそのような病院があるか調べておきましょう。
治療費は病院によって異なりますが、診察費としてだいたい1000~2000円、鎮静費(麻酔費)として1000~3000円、症状により各種検査費用として1000~10000円ほどかかってきます。
また、薬代として1000円~、手術となると、10万円を超えることも珍しくありません。
ヨーロッパハリネズミの平均寿命と価格
ヨーロッパハリネズミの平均寿命
人間よりもとても寿命が短いペットたち。
その分、1日1日を大切にして健康的で幸せな日々を一緒に過ごしたいですよね。
ですが、種類によって平均寿命は違うので基礎知識として覚えておきましょう。
ヨーロッパハリネズミの平均寿命は3~10年です。
ヨーロッパハリネズミの価格相場
ヨーロッパハリネズミの価格相場は、現在法律により販売は禁止されています。です。
ヨーロッパハリネズミを飼っている主な著名人
現在調査中
ヨーロッパハリネズミに関するまとめ
ハリネズミは気温の変化に注意が必要で、日本の温度下では季節ごとのケアが必要です。
また、エサをふやかしたりトイレやケージの掃除など毎日の世話も必須なので、その管理がマメにできる方に向いています。
また、エサとして昆虫を食べるので、虫が苦手な方はやめておいた方がよいでしょう。
医療費が高額になることも多いので、ある程度の経済力もあったほうがよいでしょう。
ヨーロッパハリネズミは、現在外来生物法により新たに飼育することはできません。
ハリネズミを飼育したい場合は、ヨツユビハリネズミを選びましょう。