実際に猫を飼っている方なら「いつもと違ってなんだか猫の様子がおかしい」「遊ぼうとしても嫌がる」といった経験が、一度や二度はあるかと思います。
そのような状況の場合、猫の機嫌が悪いかもしくはただの気まぐれなのか判断することは難しいです。
しかし、機嫌が悪い場合、猫はいくつかのサインや行動を示すためそれらの意味を予めしっかりと認識しておくことで正しく対処ができるかもしれません。
猫は怒りやすい動物?
同じペットとして人気のある犬に比べて、猫は非常に自由気ままでマイペースな性格の子が多いため、従順にしつけたり気持ちを判断することが難しいと言われています。
しかし、そんな猫でも機嫌が悪くなる、怒るといった感情を示すことは決して珍しいことではありません。
というのも、感情を司る大脳皮質という脳の一部の構造は人間の脳と非常に似ていると言われており、猫も非常に感情豊かな動物であるのです。
決して猫は怒りやすい動物であるというわけではありませんが、飼い主さんの日頃の接し方や些細なことでも機嫌を悪くしてしまうことがあるということはいつも肝に命じておきましょう。
ご機嫌ナナメな猫には要注意!
愛猫が明らかに怒っている時や、機嫌が悪い時には何もせずにそっとしておき、機嫌が直ることをひたすら待つことが得策です。
というのも猫は機嫌が悪いときには凶暴になる場合もあり、例え飼い主やその家族であったとしても猫パンチやひっかくといった攻撃的な態度を示すことも珍しくはないからです。
飼い猫によるケガを未然に防ぐためにも猫の心理状態や機嫌を予め判断し対処することが必要となるのです。
機嫌が悪い時の猫が見せる心理やサインとは?
それでは実際に機嫌が悪い時に猫が見せる心理やサインについて一緒に考えていきましょう。
飼い主さんはこれらの行動に日頃から注意深く観察してみましょう。
サイン1:しっぽを大きくふる
機嫌が悪い猫のサインの一つとして、しっぽを大きく振ることが挙げられます。
非常に上機嫌な場合にも同じような行動をすることがありますが、機嫌が悪い時には尻尾の毛を逆立ててることによってまるで膨らんでいるかのように見える尻尾を作りながらビュンと音が出るほど不規則なリズムで尻尾を振ります。
本来猫の尻尾は歩行の際にバランスをとったり障害物等を察知するためのセンサーのような機能がありますが、同時に猫の心情が顕著に表れる体のパーツの一部であるため日頃から尻尾の動きには気をつけて観察してみましょう。
サイン2:シャー!という声で威嚇してくる
機嫌が悪い時に見せるサインとして最も分かりやすい行動が、「シャー!」という声を出して威嚇してくることです。
特に猫を多頭飼いしている場合や、他のペットがいる場合に特有の音を出して威嚇し合う場合があります。
その理由の一つとして考えられるのが猫の縄張り意識です。
本来野生で生息していた猫は、縄張りを持って生活する動物でした。
ペットとして飼っている猫にもある程度縄張り意識があるので、その縄張りに他の動物や人間が入ってくると、自分のテリトリーを守るため本能的に威嚇をするのです。
サイン3:牙を見せる、毛を逆立てる
これは言うまでもありませんが、牙を見せながら全身の毛を逆立てて前かがみの姿勢を取っている時には非常に機嫌が悪いサインです。
威嚇自体はそれほど問題はありませんが、そのような行動を猫が取っている際に無理に手を出す、近づこうとするといった行動をしてしまうと、例え飼い主であっても攻撃される可能性があり、時には手がつけられなくなるほど凶暴化する場合もあります。
そのため、牙をむき出しにしながらこのようなサインを示す時には決して近づかずに怒りが収まるのを待ちましょう。
猫の機嫌を悪くさせないためには?
以上の3つが機嫌が悪い時に猫が見せる主なサインとなります。
しかし、ペットとして飼っている以上なるべく愛猫には機嫌を悪くして欲しくないですよね。
そこで愛猫を怒らせないための接し方についていくつか紹介します。
触りすぎない、構いすぎない
愛猫の可愛らしい表情や仕草を見るとついつい手を出してしまいたくなりますよね。
しかし、冒頭でも述べたように猫は非常に気分屋でマイペースな動物です。
執拗に触ってしまう、手をだしてしまうといった行動を取ると、例え親しい飼い主であっても不快に感じ気分を損ねてしまうことがあります。
また、猫の寝床やキャットタワーなどの遊び場所は猫にとって縄張りのようなエリアであり、猫がリラックスできる場所でもあるため、休んでいる時にむやみに近づくことは控えましょう。
正しいしつけをしよう
猫を飼う上で、トイレや食事の仕方に関してしつけを行うと思いますが、そのしつけ方が原因で気分を損ねてしまうことがあります。
というのも、猫は恐怖に敏感なので、たとえしつけの一環であったとしても、激しく叱ったり叩いたりしてしまうと、機嫌を損ねてしまいます。
しつけを行うことは重要ですが、大きな声で驚かせたり叩くと言った身体的なダメージを与えることは絶対にしてはいけません。
飼い主さんや人間に対して不信感を抱かないよう、決して感情的になることなく、冷静に何度も何度も伝え続けましょう。
体調管理も忘れずに
猫は身体に何か異常がある際や、体調不良の際にも機嫌が悪くなることがあります。
特に居住環境が急に変わった際など精神的にストレスを感じてしまい、それが体調不良を引き起こしてしまう可能性があります。
しかし、猫は体の不調を抱えていてもそれを隠そうとする動物なので、飼い主さんがしっかりと日頃から体調管理に気をつけて対処してあげる必要があるのです。
機嫌が悪い時の猫が見せる心理やサインまとめ
今回は機嫌が悪いときの猫が見せる心理やサインについて詳しく紹介してきました。
猫はマイペースな動物ですが、人間と同じように非常に感情が豊かであるため、少しでも嫌なことや不快なことをされると機嫌が悪くなります。
そのような状況でむやみに手を出そうとすると、例え日頃からお世話をしている飼い主に対しても威嚇や攻撃してくる場合があるので注意が必要です。
また、猫の機嫌を悪くさせないためにも日頃からの接し方について注意することも重要です。
以上で紹介したことを参考にして飼い主と猫とがより良い関係を築けるように努力しましょう。