ハムスターを複数飼育していると、「共食いをしてしまった」「子供を食べているようだ」という事実に直面した方は少なくないでしょう。
なぜハムスターは共食いをしてしまうのか、原因を知りたいですよね。
また、共食いの原因はストレスが関係していると耳にしますが、どのように対策をしたら良いのかも気になります。
そこでこの記事では、ハムスターが共食いをする原因や対策法、ストレスとの関係性についてまとめました。
ハムスターが共食いする2つの原因
ハムスターが共食をする原因は、大きく2つあります。
ここでは、ハムスターが共食いをする2つの原因について詳しく説明します。
縄張り争い
ハムスターが共食いしてしまう原因の一つは、「縄張り意識」によるものです。
そもそもハムスターは単独で行動する生き物ですので仲間は作りません。
一匹で行動するハムスターは、それぞれに縄張りを持っており、縄張りに侵入したものは縄張りから離れるまで攻撃をやめません。
広い大地であれば縄張りの外で逃げ出すことができますが、狭いケージの中では不可能です。
そのため、死闘になってしまい、死んだものは食料(タンパク源)になってしまうのです。
ハムスターの縄張り意識は、オス同士だけではなく、メス同士やオスメスでも関係なく起こります。
子食い
ハムスターが共食いをする原因は、縄張り争いのほかに自分の子供を食べてしまう「子食い」があります。
ハムスターが子食いをするのには、いくつか理由があります。
・エサが足りない
・ストレスが溜まっている
・子供に人間の臭いがついた
・死産だった
・父親の影響
ハムスターの子育ては母親が行います。
この時、母親は非常に神経質になっており、ケージをキレイに掃除されるなどのストレスが溜まると、子供を食べてしまうことがあります。
また、子供が死産だった場合やエサが足りず空腹になった場合には、自分が生きるための糧にすることもあります。
育児に全く参加しない父親は、子供を縄張りへの侵入者だと認識し、攻撃してそのまま食べてしまうこともあります。
ハムスターの繁殖をする場合は、計画的に行いしっかりと準備をする必要があります。
ペットショップでは複数で販売されているが?
ペットショップでは、ハムスターは複数で同じケージ内におり、仲がよさそうに身を寄せ合って眠っていますよね。
お店のハムスターが複数飼育できているのは、そのハムスターが子供だからです。
子供のハムスターはまだ縄張りを持っていないため、争いを起こすことはありません。
しかし、小さいころに仲が良かったからと言ってそのまま一緒に飼育していると、高い確率でケンカが起こります。
ハムスターは生後60日もすれば、子供を産めるようになります。
野生では産まれてから1ヶ月半頃で親から離れ単独行動をとるようになると言われています。
そのため、ペットショップで数匹お迎えした場合には、必ず1匹につき1ケージ用意して別々に飼育させるようにしてください。
ロボロフスキーハムスターの場合
ハムスターの中で唯一複数飼育ができると言われているロボロフスキーハムスターではどうなのでしょう。
ロボロフスキーハムスターは、基本的に複数飼育は可能です。
しかし、環境が狭い場合はケンカが勃発しがちです。
ロボロフスキーハムスターを複数飼育する場合には、広い環境で飼育をすることや、隠れる場所を作ることが大切です。
また、相性が悪い場合はロボロフスキーハムスターでも死闘になる場合があります。
飼育していてケンカをするようであれば、速やかにケージを別々に分けるようにすると安心です。
ペアでも複数飼育はできない?
ハムスターの複数飼育は、オスメスのペアでも無理なのでしょうか。
ハムスターは基本的に単独行動で、繁殖の時期のみ共に行動をします。
繁殖を行う際は、いきなり同じケージに入れるのではなく、ケージ越しのお見合いから始めるようにしてください。
相性が良いようであれば、様子を見ながら同じケージに入れます。
交尾を終えた後は、オスメスをまた別のケージに戻します。
ハムスターの子育ては、母親のみで行うため、オスは子供や場合によっては母親に攻撃をしてしまうこともあります。
共食いを防ぐ方法とは
ハムスターの共食いを防ぐには、どのような対策法があるのでしょう。
ここでは、ハムスターに共食いをさせない方法を紹介します。
基本は単独飼育
ハムスターは縄張り意識が非常に強く、複数飼育に不向きな生き物です。
同じケージにハムスターを入れると、高い隔離でケンカになります。
子供のころ仲が良くても、大人になれば縄張り争いをする敵になります。
ハムスターを飼育する際は必ず単独で行い、複数お迎えする際は1ケージに1匹ずつ飼育をするようにしてください。
母親にはエサを多く与える
子育て中の母親は、いつもより栄養を多く必要とします。
高カロリー、高栄養のエサが必要です。
ペレットなどでは、繁殖用のエサが販売されています。
また、ミルワームなどの動物性タンパク質を与えることも重要です。
また、いつもよりエサも多く食べるようになります。
エサが足りなくて空腹になると、母親は自分が生き残ることを優先します。
そのために、子供を食料にして生き延びようとします。
子育て中は、いつでも十分に食べられるようエサをたくさん与えましょう。
ストレスを与えないようにする
母親が子供を食べてしまう「子食い」の原因には、飼い主さんの影響もあります。
母親は非常に神経質になっているため、子育て中は敷材のとりかえなど大掛かりな掃除は控えましょう。
エサ、水、トイレのみ交換し、多少汚れていても子育てが終わるまでは我慢しましょう。
また、赤ちゃんハムスターは非常に可愛いのですが、触ってしまうと人間の臭いがついてしまい、自分の子供だと判別できなくなってしまいます。
その結果、敵だと誤認して殺してしまうこともあります。
赤ちゃんハムスターは、親離れするまで極力触らないように気を配りましょう。
ほかにも、交尾が終わったらオスメスはまた別のケージに移します。
育児は母親のみが行いますので、オスはトラブルの原因になってしまいます。
必ず子供と母親のみ同じケージで飼育をし、自分でエサが食べられるようになったら1匹につき1つのケージを与えて飼育をしましょう。
10匹産まれた際は、新たに10ケージプラス飼育用品が必要になります。
繁殖は計画的に行いましょう。
まとめ
ハムスターが共食いをする原因は、「縄張り争い」「子食い」の2つです。
単独で行動するハムスターは仲間意識がなく、強い縄張り意識の持ち主です。
そのため、同じケージ内に複数のハムスターがいると、縄張りに侵入した敵だとみなし、死闘を繰り広げます。
子供を食べてしまう子食いにはエサが足りない、ストレス、父親の影響などが原因です。
母親は子供よりも自分が生き延びることを優先するため、子供を食料にすることもあり、父親は育児には参加せず、場合によっては縄張りの侵入者とみなし殺してしまうこともあります。
ハムスターの共食いは複数飼育をしないことや、子育て中の正しい飼育法を頭に入れておくことが重要です。
単独で飼育をすれば、共食いが起こることはまずありません。
ハムスターを飼育する方は、ハムスターの習性を良く理解したうえでお世話をしましょう。