猫の健康診断の際、皮膚病と診断され治療のために飲み薬を渡されたことはありませんか。
猫の体は被毛に覆われていますので皮膚の異常を見逃しやすく、結果的に炎症により痒み等が生じ、猫はその部分を激しく掻いたり舐めたりするようになり、ようやく気づきます。
なかでも感染症にかかると他の猫や人にもうつることがあり、注意が必要です。
この記事では、猫の主な皮膚病の原因や治療などついて解説しますので、ぜひご覧ください。
愛猫の体表が赤く痒みも!これは皮膚病のサイン?
猫の皮膚病におきまして、原因となるものは病原菌や寄生虫による感染、アレルギー反応、不衛生な環境などさまざまです。
また、猫は神経質な生き物のため、引っ越しや新しい猫を迎えると強いストレスから、体調を崩し皮膚の疾患を発症することもあります。
そのため猫の皮膚病は原因によって治療方法が異なりますので、まず原因の究明がとても重要なのです。
ここでは、一般的に皮膚が赤くなり、痒みやフケなどの症状が出るケースをひも解き、その原因と治療について考えていきます。
猫の皮膚が赤く炎症しているときの対処法
猫の皮膚が赤くなっている状態は、まず炎症が考えられます。
大切なことは、なぜ猫の皮膚が炎症しているのかということであり、考えられる原因は、まず火傷や擦り傷などのケガと虫刺され、そして皮膚炎とデキモノではないでしょうか。
ケガと虫刺されの場合、程度が軽ければ自然に治っていくものですが、皮膚炎やデキモノはできるだけ早めに動物病院にて、適切な治療を受ける必要があります。
なかでも皮膚炎は原因がさまざまですので、飼い主さんは獣医師に対して、症状の経過だけでなく愛猫の生活環境や性質などできる限り詳しく伝えてください。
原因が菌や寄生虫の場合は、飲み薬や駆除剤を用いる治療となることもありますので、とくに飲み薬の飲ませ方については、動物病院で十分にレクチャーを受けましょう。
猫の皮膚に炎症が生じると、痒みが出はじめて猫は違和感を感じて掻いたり、舐めたり、壁に擦りつけたりします。
そのため皮膚の炎症を発見した場合は、猫が掻かないよう対応することが大切であり、方法として猫にエリザベスカラー付ける、また猫の爪を短く切っておくことがおすすめです。
この状態で数日間過ごし炎症が治まってきたら、さらに自宅で経過観察してもよいでしょう。
猫の体からフケが出る!病院に行くべき?
猫の体からでるフケは、皮膚の生まれ変わりで正常なことなので、驚くことはありません。
但し、フケの量が異常に多い場合は、皮膚病の可能性があります。
フケが多く出る皮膚病は、主にダニやカビによる感染症や皮膚のバリア機能の低下が考えられますので、早めに動物病院で適切な治療を受けましょう。
皮膚の感染症!多頭飼いは要注意!
病原菌やノミ、ダニ、シラミなどの寄生虫による皮膚病は、他の猫にもうつる病気ですので、注意が必要となります。
とくに多頭飼いの場合、皮膚病を発症している猫だけでなく他の猫も検査し、発症していない猫も予防のために治療を受けることが賢明です。
ここでは病原菌や寄生虫による感染が原因の猫の皮膚病に焦点をあて、解説していきます。
猫カビとは?原因と治療について
猫カビという皮膚の感染症をご存知でしょうか。
感染の原因は、カビの一種「皮膚糸状菌」であり、その菌をもつ猫に接触し、うつる病気です。
とくに母猫から子猫にうつることが多い感染症として知られており、猫カビに感染すると毛や皮膚に菌が増殖、顔や足などに脱毛が発生します。
この病気の特徴は、痒みがなく脱毛箇所が赤くなったりかさぶたができるようです。
基本的な治療は、カビの増殖を妨げる抗真菌薬の飲み薬が処方されます。
不衛生な環境は病原菌の温床!
不衛生な飼育環境は、猫の健康を脅かす皮膚病を発症しやすくしてしまいます。
とくに注意したい皮膚病は、ヒゼンダニの寄生が原因の疥癬、大量のフケを出すネコツメダニのツメダニ症、猫特有のシラミが原因のシラミ症などです。
これらは外に行かない限り、うつることは少ないはずですが、残念ながら室内が不潔な場合、発症してしまいます。
治療は、寄生虫の駆除と飲み薬や塗り薬を用い対処しますが、場合によっては薬用シャンプーや薬浴が必要となります。
そして再発防止のため、室内クリーニングの徹底と衛生的な環境の維持が必要です。
アレルギーによる猫の皮膚病!増えています
近年、猫もアレルギー反応による病気が増えています。
なかでもとくに最近、多く見受けられるのは、アトピー性皮膚炎を発症する猫です。
その他、食物アレルギーやノミアレルギーが原因で、猫は皮膚病になります。
この3つアレルギーのなかで、他の猫にうつる可能性があるのは「ノミアレルギー」です。
このノミアレルギーに絞り込み、原因と治療について説明していきます。
知っておきたいノミアレルギーとは?
ノミアレルギーの原因は、猫の体に寄生したノミが吸血する際の唾液に対するアレルギー反応となります。
症状は背中を中心に発症し、強い痒みが起き、悪化すると脱毛やかさぶたが表れるようです。
ノミが寄生しますので、他の猫にうつるリスクがあります。
従いまして、まずノミの駆除が必要となり、駆除剤の投与が治療の基本となっています。
また強い痒みがあるとき、動物病院では抗アレルギー剤やステロイド剤を用いて対処し、抑えてくれます。
猫の皮膚病は他の子にうつる?~まとめ
複数の猫を飼育している場合、病原菌や寄生虫による感染が原因の皮膚病は、発症している猫だけでなく他の猫にうつる可能性がありますので、病気の猫の治療と合わせて他の猫の健康診断も行いましょう。
猫の皮膚病は、皮膚の炎症に加えて「発疹・痒み・フケ・脱毛」など様々な症状を併発します。
また重症化すると治療期間は長くなり、抗生物質など飲み薬の服用やエリザベスカラーの装着など飼い主さんと猫の両方の負担が増しますので、できる限り早期発見と早期治療が大切です。
このように猫の皮膚病の原因や治療方法について把握すると、改めて猫との生活における注意点も明かになってきますので、ぜひ参考にしてみてください。