可愛い愛猫の頭にハゲを発見したとき、飼い主さんとしてはショックですよね。
ハゲは、何かの病気なのか、治るのか、動物病院に行くべきかなど、色々心配になります。
頭がハゲるのは、真菌やアレルギー性の病気が原因とも良く耳にしますが、その場合はどういった書状が現れるのかも気になります。
そこでこの記事では、猫の頭に脱毛が見たられる際に考えられる疾患などを詳しくまとめました。
猫の頭がハゲるのは病気なの?
愛猫の可愛い頭にハゲ(脱毛)があると、ショックですよね。
猫の頭がハゲてしまうのは、何かの病気なのかと心配になります。
確かに猫の脱毛の原因は、皮膚病をはじめとして病気の可能性があります。
しかし、脱毛のすべてが病気とは限りません。
春と秋には、被毛が生え変わる換毛期があります。
この時期はたくさん被毛が抜けることから、もともと毛の薄い頭部は、皮膚が見えてしまうこともありますし、ケガをしたことで皮膚が見えてしまっているということもあります。
ケガの程度によりますが、こちらは一時的なものですので、ケガの完治とともに被毛もはえてきます。
このように、自然現象やケガでも脱毛が見られますが、実際病気だった場合には、どのような病気が考えられるのでしょう。
ここからは、症状に頭部の脱毛を伴う猫の病気を紹介していきます。
その1:皮膚糸状菌症
皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)とは、糸状菌という真菌(カビ)に感染することによって皮膚が炎症を起こす皮膚病です。
猫自身は無症状なことが多く、人間などほかの生き物に伝染すると、症状が重く出やすいことが特徴です。
菌なので頭はもちろん、背中や鼻頭なんかにも発症することがあります。
糸状菌はケラチン(皮膚や爪、フケ)を栄養に繁殖し、落ちたケラチンなどを媒体にほかの猫や人間にも感染する人畜共通病です。
症状
この皮膚病の特徴として、無症状な場合もあります。
症状が出る場合は、頭部と四肢を中心に円形に脱毛し、徐々に広範囲になっていきます。
皮膚には赤みやフケ、かさぶたが見られることもあります。
人間に感染すると痒みを引き起こします。
対処法
対処法としては、動物病院で検査をして真菌がいるか突き止めることから始めます。
糸状菌がいた場合には、抗真菌薬による治療が主になります。
また、多頭飼いをしている場合は無症状であっても感染している可能性があるため、全ての猫を検査することが重要です。
また、普段から真菌が繁殖しないよう、清潔な環境を保つことも大切です。
その2:アレルギー性皮膚炎
アレルギー性皮膚炎は、「アトピー性皮膚炎」「食物アレルギー」「ノミアレルギー」の3種類に大きく分類されます。
アトピー性皮膚炎は、ハウスダストやホコリ、花粉、カビなどを吸引することで発症します。
食物アレルギーは、鶏肉などの肉類、乳製品、チーズなど主に動物アレルギーを摂取することで発症します。
ノミアレルギーは、ノミに寄生された際、ノミの唾液がアレルゲンとなり皮膚炎を発症します。
症状
アレルギー性皮膚炎の症状は、激しいかゆみが主な症状です。
症状が重くなると、脱毛や発疹が見られるようになります。
また、食物アレルギーでは、このような症状に加えて下痢や嘔吐が見られます。
対処法
いずれも動物病院で検査を行い、アレルゲンを突き止めることから始めます。
抗ヒスタミン剤などで症状を緩和するとともに、原因となっているアレルゲンを吸引、摂取しないようにすることが対処法です。
ノミなどの寄生虫の場合には、駆除剤を使用するなどして排除します。
その3:日光過敏症
日光過敏症は、強い紫外線を浴び続けることにより発症する皮膚炎です。
日差しの強い地方に住む猫や、窓辺、外などを好む猫は日光過敏症のリスクが高まります。
また、白猫をはじめ色素の薄い猫の発症率が高いことも特徴です。
症状
日光過敏症になると、頭部や顔などの皮膚が薄い部分を中心に脱毛やフケ、赤みが見られます。
かゆみも伴い、症状が進行すると皮膚に潰瘍ができたり、ときにガン化する場合もあります。
対処法
対処法としては、ひどい場合には動物病院で抗生剤や抗炎症剤などの投薬治療を中心に行います。
また、猫が強い紫外線を浴びないよう、窓ガラスをUV加工するなどの工夫が重要です。
その4:ストレス
人間も強いストレスを感じると、脱毛症を起こすことがありますよね。
それは、猫も同じです。
猫はストレスに弱い生き物ですので、ストレス性の脱毛症は少なくありません。
猫のストレスによる脱毛は、心因性の病気と異常行動の2種類に分けられます。
心因性の病気では、強いストレスを感じた際、血行が悪くなり皮膚環境が悪くなります。
皮膚環境が悪くなり皮膚に十分に栄養が行きわたらないと、皮膚が抜け落ちてしまいます。
異常行動では、過剰なグルーミングが原因です。
こちらは舐めやすい足先などに多く見られます。
一カ所を集中的に舐めるため、被毛が抜け皮膚が露出し、ひどくなると皮膚が傷つくことで、傷や出血に繋がります。
症状
ほかの皮膚病とストレス性脱毛の違いは、脱毛のほかに赤みや湿疹、かゆみといった症状がないことです。
また、ストレス性の異常行動としては攻撃的になる、よだれを垂らす、尻尾を追うなどの症状が見られ、ひどい場合には尻尾を咬みちぎるような自傷行為も見られます。
対処法
対処法としては、ひどい場合には動物病院で投薬治療などを行いますが、基本的に猫のストレスの原因を突き止め解消しないことには根本的な解決には至りません。
猫がストレスを感じる原因は、環境の変化です。
引っ越しをした、家具の配置換えや新しいものを購入した、新しい家族が増えたなどです。
猫が何に対してストレスを感じているのか原因を突き止め、それに合った対処法をすることがストレス疾患を治すために重要です。
まとめ
猫の頭にハゲができる原因は、換毛期などの自然現象や、ケガなどの外傷が考えられます。
こちらは時間とともに治りますが、病気の場合は適切な治療が必要です。
猫の頭に脱毛が見られる病気としては、皮膚糸状菌症、アレルギー性皮膚炎、日光過敏症、ストレスです。
これらの疾患は放っておくと悪化してしまいます。
愛猫の脱毛が異常な場合や、ほかにもかゆみや赤みなどの症状がある場合には動物病院を受診して治療を行いましょう。