「猫にまたたび」とことわざにもあるように、猫はまたたびが大好きです。
猫にまたたびを与えると、くねくねゴロゴロと、まるで酔っぱらっているかのような行動で、その姿が面白く、ついついまたたびで遊んでしまう方も多いのではないでしょうか。
その一方で、その姿が心配で、猫にまたたびを与えたことのない方もいます。
そこで今回は、猫にまたたびの効果や危険性、何歳から与えていいのかを、詳しく解説していきます。
なぜ猫はまたたびに反応するの?
猫にまたたびを与えると、酔っぱらったような行動や恍惚感に満ちた顔になることは、有名ですね。
しかし、なぜ猫はまたたびに反応するのか、考えたことはありますか?
猫にまたたびの効果や危険性を知る前に、猫がまたたびに反応する仕組みについて理解しましょう。
またたびの木の中の虫こぶ果に反応
猫が反応すると言われているまたたびは、またたびの木になる実の中の、ハエやアブラムシが寄生したことによって形が変形した虫こぶだけです。
またたびの枝や葉、茎、通常の実では、ほとんど反応することはありません。
虫こぶは虫?果(虫えい果)として、人間の薬草としても使用されているもので、通常の実よりもまたたびの成分が空気中に逃げてしまうことの少ない実となっています。
そのまたたびの成分が、猫の脳にある中枢神経を刺激して、軽く麻痺させることによって反応が表れるのです。
依存性や中毒性はなく、一時的なものなため、またたびに害はありません。
またたびに反応しない猫もいる
猫が大好きなまたたびですが、またたびにまったく反応しない猫もいます。
またたびの成分が猫の中枢神経を刺激する原因については解明されていませんが、生まれつきの体質で、またたびに反応しない猫も2割程度います。
愛猫が反応しないけど、どこかおかしいのかな、と心配される方もいますが、体質なので心配はありません。
猫にまたたびの効果は?
人間に対してまたたびは、体を温めてくれる、生活習慣病の予防、利尿作用、免疫力を高める、滋養強壮といった効果があります。
それでは、猫に対してはどうでしょうか?
ここでは、猫にまたたびを与えると得られる効果について見ていきましょう。
ストレス解消!運動不足の解消も
またたびの効果の表れ方はその猫によって違いますが、一時的に活発になり、走り回ったり動き回ることから、ストレス解消や運動不足の解消になります。
また、一時的ではありますが、多幸感も得られるため、猫のストレスが解消されます。
食欲促進の効果あり
猫にまたたびは、食欲がない時の食欲促進としても効果があります。
飲み水にまたたびを混ぜてあげたり、ご飯にまたたびをかけてあげると、食欲を促進させてくれます。
ただし、食欲がないというのは何が原因かしっかり探って、病気の可能性があるならば、動物病院を受診しましょう。
認知症予防や老化防止にも
猫にまたたびを与える時に、おもちゃなどにまたたびを付けて遊ばせると、認知症の予防や老化防止になります。
猫は普段、ご飯やおやつを丸飲みしてしまうことが多く、人間のように咀嚼をしません。
ですから、おもちゃなどをたくさん噛むことで脳が刺激され、認知症の予防や老化防止に繋がる効果があります。
しつけにも役に立つ
猫にまたたびを与える効果に、しつけとしても役に立ちます。
爪とぎをする場所を教えたい、キャリーケースに入ってほしい、ケージに慣れさせたいなど、またたびを使って自分からその場所へ向かわせることができます。
また、しつけではありませんが、またたびを与えると一時的にあまり鳴かなくなることも分かっています。
鳴いている猫の気をそらす方法にも、またたびは有効です。
猫にまたたびを与える危険性は?
またたびには依存性や中毒性がなく、害がないものではありますが、愛猫が欲しがる度にあげてしまうことは大丈夫なのでしょうか?
ここでは、猫にまたたびを与える危険性について見ていきましょう。
大量のまたたびを猫に与えるのは危険!
猫にまたたびをあげるタイミングは、特にいつあげても問題はありません。
猫のまたたびには、粉末や液体、実や枝などが販売されていますが、箱や説明書に適量が記載されているので、1度に大量に与えることはないと思います。
しかし、飼い主が目を離した時や留守中に、猫がまたたびを見つけてたくさん口にしてしまった時は、大量摂取で中枢神経の異常な麻痺を起こし、呼吸困難や心停止などの危険があります。
またたびの実にも注意!
また、猫のまたたびに実を与えている場合は、猫が実を丸飲みしないか注意をする必要があります。
またたびの実自体に害はありませんが、丸飲みしてしまった実が胃や腸に詰まって、腸閉塞となる危険があります。
全身麻酔による内視鏡処置や開腹手術が必要となるため、猫にまたたびの実を与える時は、丸飲みしないように注意してください。
猫にまたたびは何歳から与えていい?
猫に初めてまたたびを与える時は、またたびによる影響が分からず、不安もありますね。
そこで気になるのは、何歳からまたたびを与えていいの?ということではないでしょうか。
子猫や老猫にまたたびは与えても大丈夫なのか、ここでは猫のまたたびの年齢制限について見ていきましょう。
何歳からという年齢制限はない
猫にまたたびを与えるのに、何歳から何歳まで、という制限はありません。
ただ、子猫の時期は嗅覚や神経系が成長しきっていないため、反応が無かったり、反応が薄いことがあります。
ですから、子猫にまたたびを与える場合は、成長の落ち着く生後6ヶ月以降にしましょう。
また、老猫にまたたびを与えても問題はありませんが、嗅覚が衰えてくるため、成猫のような激しい反応は見られなくなります。
そして、高齢猫や体調の悪い猫では、刺激が強すぎることもあるのであまり与えないようにしましょう。
猫にまたたび、適量であれば得られる効果もある!|まとめ
猫にまたたびを与えて得られる効果や危険性、何歳から与えていいのかについて解説しましたが、いかがでしたか?
まだ与えたことのない方も、現在与えている方も改めて理解することで、安心して猫にまたたびを与えることができるのではないでしょうか。
猫に大量のまたたびを与えることは危険ですが、適量であれば猫に良い効果をたくさんもたらしてくれます。
猫が大好きなまたたびを、ぜひ与えてあげてくださいね!