飼い主さんたちは、本当は良くないと知りつつも、可愛くて猫に毎日キスをしてしまう、という方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか?
私もそのうちの一人です(笑)
そんな猫にノミがいたり、お腹に虫がいたら真っ青!ですよね。
そんなことにならないためにも、これから猫の条虫症について勉強していきたいと思います。
猫のお尻から白いものが出ていたらもしかしたら…条虫症かもしれません…
猫の条虫症って?その症状とは?
猫のお尻から、白いひものようなものが垂れ下がっていたり、お尻をやたらと痒がっていたりしたら、それは条虫かもしれません。
条虫症(じょうちゅうしょう)と呼ばれる病気や症状などについて詳しくみていくことにしましょう。
条虫症とは
条虫は、たくさんの体節(片節)からなる細長く平たいかたちをしている扁平動物で、一般的にサナダムシと呼ばれる寄生虫が有名です。
条虫症は、条虫がヒトや犬、猫などの小腸に寄生することで下痢や嘔吐などの症状をもたらし、その症状全般のことを指します。
条虫症の症状
寄生している条虫の数が少なかったり、猫自身が健康である場合、症状が現れないことも多く、気づかないことも多々あります。
しかし、多数寄生すると嘔吐や下痢、食欲不振等が見られます。
条虫の片節がお尻の肛門から這い出してうごめくため、猫はかゆがってお尻を地面にこすりつける、お尻を長時間舐める、などの行動をすることもあります。
また、お尻にある肛門周辺に白いゴマやひものようなものが見受けられる場合は、条虫症を疑いますが、誤飲したひもなどの可能性がもありますので、よく観察することが大切です。
まずは落ち着いて状態を確認
飼い主さんは、愛猫のお尻から白いものが出てきたら本当にびっくりしますし、ショックを受けてしまいますよね。
以前、家の黒猫もお尻から白いひも状のものが出ていたことがあり、条虫ではないかと大騒ぎしました。
よくよくお尻を見てみたらビニールの紐で、私が廃品回収に出そうと、そのビニールのひもで古新聞を縛っていた時に黒猫が遊んでいたのを思い出しました。
誤って飲み込んでしまったようです。
このように、条虫症ではなく、別の原因がある可能性もあるので、必ず白いものが見えた排泄物や、お尻から出ている状態のものを写真に撮って確認したり、動物病院へ持って行くように保管しておくといいでしょう。
猫の条虫症の原因
猫が条虫症にかかる原因は、経口感染がほとんどです。 様々な条虫は、それぞれノミやカエル、ネズミなどを通じて猫に寄生します。
猫の条虫症の原因の虫は、代表的なもので4種類ほどいます。 その種類と特徴を、それぞれみていきましょう。
ちょっと、気分が悪くなってしまうかもしれませんね(笑)
瓜実条虫(サナダムシ)
体長50cm以上になることもあるサナダムシ。
ノミの幼虫がサナダムシの卵を食べると、そのノミの体内で発育します。
犬や猫が毛づくろいなどでサナダムシの卵を宿したノミの成虫を食べてしまうと、小腸に寄生します。
瓜の実に似た白いゴマのような片節が、糞便や肛門の周辺に付着します。
マンソン裂頭条虫
5~10mも長さがある条虫です。
感染している動物の小腸内で産卵し、便とともに体の外へ出てから、水中に入り卵がふ化します。
それをミジンコが食べ、そのミジンコを今度はカエルなどの水生動物が食べ、その水生動物を猫が捕食すると、そのまま猫の体に入り込み、成虫化します。
ネコ条虫
ネコ条虫は、長さ30~60cm程の条虫です。
感染した猫の便に混ざっているネコ条虫の卵をネズミが食べ、そのネズミを猫が捕食することで猫の体内に入り込み、感染します。
エキノコックス
キタキツネの条虫としてとても有名ですね。
キツネや犬、猫の腸内に寄生する条虫で、卵が便とともに体外へ排出され、その卵を水や食料と一緒に食べてしまうと感染します。
猫の条虫症の対処法と予防法
猫が条虫症にかかってしまった場合、症状が出ても軽微なケースが多く、ほとんどの場合は症状がまったく出ないようですが、かからないに 越したことはありません。
対処法と予防法をよく理解し、大切な猫ちゃんを条虫から守ってあげましょう。
猫の条虫症の対処法
対処法としては、駆虫薬を飲ませ、体内の条虫を除去します。
症状が現れている場合は、それに対しての対症療法を行います。
まずは、動物病院に相談するのが賢明です。
猫の条虫症の予防法
予防法としては、猫の体を清潔に保つことです。 たまには、お尻に普段と違う様子があるか、意識してチェックしてみます。
また、猫の体にノミが住みつかないように気をつけるのも大切です。
もしノミを見つけたら素早く駆除し、そのあとは、定期的に駆除してください。
猫の体のノミを完全に取り除くこと、そして部屋を清潔に保つことで、瓜実条虫が発生する原因を絶っていきます。
条虫症にかかってからの対処法よりも、予防のほうが大切になってくるといえるでしょう。
なるべく猫を室内飼いにして、外には出さないようにした方が賢明です。
仕方なく猫を外に出す場合は、マンソン裂頭条虫が生息する、屋外の水たまりや、生魚に猫を近づけないようにしましょう。
さらに、ネコ条虫を媒介するネズミを、猫を飼育している環境から排除することも大切です。
エキノコックスは、人間に対しても寄生し、感染すると重篤な症状に陥る場合があります。野良犬や野良猫、野キツネの便には、猫も人間も近づかないように注意しましょう。
そして、日々予防できるように、定期的な検診や掃除を肝に銘じましょう。
人間への感染にも注意喚起されている
冒頭の猫とのキスの件ですが、キスをしていた猫が条虫症だった場合、人間にも条虫は感染する可能性はありますが、確率はかなり低いようです。
もし、体の具合が悪くなったら、その症状に合わせ眼科や呼吸器科、内科などを受診してみるのが良さそうです。
ちなみに、最近、公園の砂場で子どもを遊ばせるのはどういったものか?という声をよく耳にします。
その理由は、遊んだ子どもが眼病になるからです。
これは、野良猫、野良犬の排泄物中にあった条虫の卵から感染したものだと言われています。
こんな話を聞くたびに、野良猫、野良犬を少しでも減らし、また、飼い猫、飼い犬の排泄は飼い主が責任を持つように願わずにはいられません。
猫のお尻から出た白いものは条虫症?のまとめ
条虫症の原因は、サナダムシをはじめとする寄生虫が原因です。
お尻や、排泄物に付着しており、症状は少ないものの寄生数が増えると嘔吐・下痢・食欲不振が現れる病気です。
対処法としては、駆虫薬を服用させ体内から条虫を駆除する方法が使われていますので、お尻や排泄物に見慣れないものが付着している場合には必ず排泄物や、お尻から出ているものの持参もしくは写真を撮って動物病院へ相談しに行きましょう。
ほとんどの確率で無いとされていますが、人間に感染することもあるため、愛猫の健康状態を毎日確認し、違和感があればすぐに対処するようにしましょう。