チャウチャウの寿命はどれくらいなのでしょうか?
もちろん、愛犬にはいつまでも健康で長生きしてほしいと思いますよね。
そこで、チャウチャウのかかりやすい病気やその予防法、犬種に合ったストレスを溜めない方法など、様々な観点から解説していきます。
チャウチャウの平均寿命は?
チャウチャウの平均的な寿命は10年前後と言われていますが、個体によりかなりばらつきがあります。
チャウチャウはかつて急速に人気が高まった時期があり、その際に悪質なブリーダーによる乱繁殖が行われ、個体間の性格や寿命等に大きなばらつきが生まれてしまいました。
またその際に気性の荒い子が多く流通してしまい、その人気は一気に下火になってしまいます。
現在は計画的な繁殖により以前のようなことはなくなったのですが、元来のチャウチャウの性質上、飼育難易度は少し高いと言えます。
チャウチャウの寿命と長生きするコツ
チャウチャウの長生きのコツについて、まず何より大切なのが健康であることです。
そこで気をつけたいのが、温度管理です。
チャウチャウは短吻(たんふん)と言われ、いわゆる鼻がぺちゃんこの犬種です。
短吻はそうでない犬種と比べ温度の排出が苦手とされており、なおかつチャウチャウは毛がもふもふであるため、非常に暑さに弱い犬種です。
そのため日本の夏が非常に苦手で、暑さ対策が必須になります。
屋外飼育の場合直射日光に当たらず、風通しの良い場所で飼育してあげる必要があります。
また散歩に出かける時も、できるだけ暑い日中は避け、早朝や夜間に出ることをおすすめします。
そして次に肥満です。
チャウチャウは運動能力が低く、なおかつ太りやすい体質をしています。
肥満は様々な病気の引き金となってしまうため、しっかりとした食事と運動の管理を心掛けるようにしましょう。
そしてチャウチャウは非常に頑固な性格をしておりしつけも簡単ではないのですが、心を許した人に対しては従順な性格をしています。
しかしその人以外に対しての警戒心が非常に強く、指示をしても言うことをきいてくれないと言われています。
そのため私たち飼い主がしっかりとしつけをしないと、手をつけられない暴君になってしまう恐れがあります。
そうなると様々な弊害が生じ、結果として長生きにとって何のプラスももたらしません。
これが飼育難易度の高い犬種と言えるゆえんです。
チャウチャウのかかりやすい病気は?
チャウチャウのかかりやすい病気について、先ほども暑さに弱いと書いた通り、やはり気を付けるべきは「熱中症」です。
暑さの対策は必須と言えるでしょう。
それに伴いもふもふの被毛の中で蒸れた皮膚は雑菌を繁殖しやすく「皮膚炎」にかかってしまうことも多くあります。
定期的にシャンプーやブラッシングを心掛けましょう。
他には眼病も多い犬種と言われており「緑内障」や「眼瞼(がんけん)内反症」等が挙げられます。
そして最後に気をつけたいのは病気ではないのですが「肥満」です。
様々な病気を起こす原因となり、なおかつメリットもありません。
チャウチャウのかかりやすい病気のサイン
チャウチャウの先程紹介したかかりやすい病気のサインについて紹介します。
まず「熱中症」ですが、初期症状としては息苦しそうに呼吸をし、大量によだれが出てくるようになります。
それが更に悪化してくると嘔吐や下痢をするようになります。
次に「皮膚炎」についてですが、かゆそうな素振りや、床や壁に体を擦り付ける行動を取ります。
患部自体は被毛に隠れて見えにくいため、定期的に行うブラッシングの際に皮膚を確認する習慣をつけておきましょう。
そして「緑内障」は、徐々に視力が落ちてくるのですが、早期的に私たちが発見をするのは困難です。
病院で定期健診を受けることをおすすめします。
「眼瞼内反症」は、目をかゆそうにする他、目が充血したり目やにが増えたりします。
あまりにも症状が酷い場合は手術による治療もできるので、医師に相談してみると良いでしょう。
病気の予防法と対処法
まずは「熱中症」についてですが先ほど書いた通り、涼しいスペースでの飼育が求められ、散歩も暑い時間帯は避けなければなりません。
また温度だけでなく湿度も重要であり、湿度が高いところで飼育していると「皮膚病」を発症してしまう確率が上がってしまいます。
風通しが悪いなら扇風機を設置してあげる等の対策が必要です。
そして定期的なシャンプーやブラッシングを行いましょう。
いつも清潔な体にしておけば、皮膚病の発症率はぐんと落ちます。
ブラッシングの際は、ついでに皮膚もチェックし、赤みがかった部分や体をかいたときにできた傷がないか確認しましょう。
そのためにも、小さなころから体を触っても嫌がらないようにしつけをしておく必要があります。
そして眼病についてですが「緑内障」は遺伝のため予防は困難です。
病院で定期的に健診を受けさせ、発症しても早期的に対処できるようにしておきましょう。
「瞼腱内反症」とは、まぶたが内側に入ってしまい、まつげが眼球をこすって傷つけてしまう病気です。
目に不快感や痛みを生じる他「結膜炎」や「角膜炎」を発症してしまう恐れがあります。
ですが眼瞼内反症も遺伝による要因が大きく、予防は困難です。
最後に「肥満」についてですが、太ってしまうことで体を支える関節や内臓等への負担が大きくなり、様々な病気の引き金となってしまいます。
また肥満は体に熱をより閉じ込めるようになり、ただでさえ暑さに弱いのにさらに保温機能が付加されてしまいます。
できるだけ高脂質の食事は避け、散歩も欠かさないようにしましょう。
チャウチャウの老化のスピード
一般的に大型犬は5歳からシニア犬で、8歳以降が高齢犬になると言われています。
ですが個体や環境により老化の早さは大きく異なります。
あくまでも目安として捉えてください。
そしてシニアになってくるとエネルギーの消費量が以前より落ちてしまうので、ダイエットがより一層難しくなります。
万が一肥満になってしまった場合はできるだけ早くダイエットに努め、元の体型を取り戻しましょう。
また5歳以降は今まで以上に体型に気を遣っていかなければなりません。
チャウチャウの老化に伴う外見の変化
歳を取ってくると被毛が艶をなくし、ぱさぱさになり、全体的に筋肉の量が落ちてきます。
首回りの筋肉も落ちてくると頭を支えるのもしんどくなり、少しうなだれた格好になります。
そしてエネルギーの消費量も落ちてくるので、元々太りやすかった体質がより太りやすくなってしまいます。
歳を取ってから太ると元の体型に戻すのが非常に大変で、また体にもかなりの負担をかけてしまうので注意しましょう。
チャウチャウに似た犬種
老犬におすすめの食べ物は?
老犬のチャウチャウにおすすめの食べ物を紹介します。
やはり一番気をつけたいのは肥満なので、できる限り高脂質の食べ物は避け、低脂質の食べ物を与えるようにしましょう。
おすすめは「ささみ」です。
ささみは脂質も低く、また良質なたんぱく質が筋肉を形成する手伝いをします。
筋肉が落ちていく速さを少しでも軽減し、できる限り太りにくい体を維持していきましょう。
チャウチャウに適した散歩の量は?
チャウチャウはあまり運動を好む性格ではなく、マンション等でも飼育することもできます。
必要な運動量としては、1日2回30分を目安に散歩するようにしましょう。
チャウチャウはかつて猟犬や番犬として活躍していた犬種で、一見かなりの運動量が必要なように感じられるのですが、原産国である中国では食肉用の犬としても育てられてきたため、太りやすく運動を必要としないことが好ましかったと言われています。
ストレスをかけないために飼い主が出来ること
チャウチャウにストレスをかけないために私たちができることは、まずしっかりとしつけをすることです。
警戒心が強く頑固な性格をしているのでしつけには手を焼きますが、しつけをしないと様々な弊害が生じてきます。
愛犬に快適に暮らしてもらうためにも、私たちがしっかりしなければなりません。
そして次に適切な環境を提供することです。
ずっと暑い場所に居させられるだけでかなりのストレスが溜まりますし、それで病気になることでより一層ストレスを溜めてしまうことになります。
また私たちにとって快適でも、チャウチャウにとってはそうとは限りません。
私たちと犬の感覚は異なりますので、チャウチャウという犬種についての理解を深めることが大切です。
チャウチャウの寿命に関するまとめ
チャウチャウについていかがでしたでしょうか。
暑さがとても苦手であるということと、運動を好まないが太りやすい体質であることには常に意識しておきたいですね。
チャウチャウは性格や体質から飼育難易度が比較的高く、あまり初心者向けと言える犬種ではありませんが、心を許した人に対しては非常に愛情深く従順になり、まさに育てがいのある犬種と言えるでしょう。
チャウチャウと信頼関係を結べた時の達成感は、他の犬では味わえないものかもしれません。
そんな飼い主さんとチャウチャウが、1日でも長く共に過ごせることを心より願っております。