猫を飼っている方なら、一度は猫が尻尾を膨らませている光景を目の当たりにしたことがあるかと思います。
尻尾を膨らませることは、怒りや威嚇などの行動と思っていませんか?
しかし、猫が尻尾を膨らませている際の感情は、それだけではなく、実は嬉しいときにも膨らむんです!
猫はしっぽでさまざまな感情を表しており、負の表現だけではありません。
では、いったいどのような表現があるのか、猫が尻尾を膨らませている際のさまざまな感情と、尻尾が膨らむ仕組みについてご紹介します。
猫のしっぽが膨らむ仕組み
毛の量が多い猫や長毛の猫の尻尾が膨らむと、すごい迫力ですよね。
では、猫はどうやって尻尾を膨らませているのでしょう。
まずは、その仕組みを紹介します。
猫のしっぽには「立毛筋」という筋肉があり、交感神経が刺激されることで働きます。
尻尾が膨らむのは、意識的に膨らませているのではなく、心拍数の上昇とともに交感神経が刺激され反射的に膨らんでいるのです。
猫の尻尾が膨らむ理由
猫を飼っている方は、猫のしっぽが膨らむ姿を一度は目にしたことがあるでしょう。
尻尾が膨らみ、背中の毛を逆立て、シャーっと鳴く姿は見ていて気持ちの良いものではありませんよね。
猫が尻尾を膨らませているとき、猫はどのような感情を抱いているのか、ここでは詳しく紹介します。
怒り・威嚇
猫は自分の縄張りを大切にする生き物です。
第三者が自分の縄張りに入ってきたり、窓の外に猫などほかの生き物がいた場合、縄張りに足を踏み入れられた怒りの感情から尻尾を膨らませます。
この行動は、「自分の縄張りから出ていけ」という意味合いあり、出ていかなかった場合攻撃するぞという意思表示でもあります。
それでも出ていかない場合は、取っ組み合いのケンカに発展することも珍しくありません。
拒否
猫は絶対に嫌だ!という心境でも尻尾を膨らませます。
例えばお風呂や、動物病院での注射などが挙げられます。
特に動物病院では尻尾を膨らませ、シャーシャー鳴いて爪を立てるため、洗濯ネットや猫袋に入れて注射をする子も少なくありません。
しかし、嫌だと言われても予防接種などはしないわけにはいきませんよね。
このような場合には、帰宅したらたくさん褒めて、大好きなおやつなどを挙げてストレスを発散させてあげましょう。
驚いた
急に何かが落ちてきた、大きな音がしたなど、びっくりした際私たちも思わず「びくっ!」と反応してしまいますよね。
それは猫も同じです。
このように、猫は驚いたとき、反射的に尻尾や背中の毛が膨らみます。
家でゆっくりリラックスしたのに、びっくりしたとき反射的な行動に出てしまうのは、人間も猫も同じようです。
恐怖心
猫は怖い時にも尻尾を膨らませます。
怒りや威嚇と同じように、自分の縄張へ敵が侵入した際に見られます。
しかし、怒りなどとは違い例えば若い猫の縄張りに成熟した大人の猫が入ってきた際などに見られます。
怒りの表現と似ていますが、腰が低く逃げ腰のような体制が特徴です。
自分を強く大きく見せるための防衛ともとれます。
このとき、飼い主さんが下手に近づくと興奮状態の猫に攻撃されてしまうことがあります。
猫の興奮がおさまるまでそっとしておいてあげましょう。
理解ができないとき
猫は自分の縄張りに今までなかったものが急にある、急に音がする時など、何が起こったのか理解できません。
その際にも尻尾を膨らませることがあります。
この場合、はじめは警戒しますが、自分に害がないものと判断すれば収まります。
猫は神経質な生き物ですので、環境の変化に非常に敏感です。
特に大きな買い物をする際は、猫のストレスにならないよう配慮する必要があります。
嬉しい時も尻尾は膨らむ!?
猫の尻尾が膨らむ理由は、怒りや恐怖など負のイメージが多いのですが、実はそうでもありません。
その感情の一つが、全く正反対の「嬉しすぎる」場合です。
嬉しくて興奮してしまうと、心拍数があがり尻尾が膨らみます。
大好きなおもちゃで遊んでいる際や、おいしいおやつが目の前にある際など、とにかく嬉しすぎる!という場合にも尻尾は膨らみます。
飼い主さんはそれを知っておき、威嚇などと勘違いしないよう気を付けましょう。
興奮しすぎても膨らむことがある
猫は怒りなどの負の感情以外に、興奮状態でも尻尾が膨らむことがあります。
おもちゃなどで夢中になり、興奮しすぎた際に見られます。
特に好奇心旺盛な子猫に多く見られます。
この場合、飼い主さんは怖がっていると勘違いして遊びを中断するのではなく、そのまま見守るか、少しずつクールダウンをさせてあげましょう。
猫はどうして尻尾を触られるのを嫌うの?
愛猫家の方ならご存知かと思いますが、猫は尻尾を触られることを嫌いますよね。
間違って踏んでしまったときなどは、大騒ぎになることも。
なぜ猫は尻尾を触られることを嫌がるのでしょうか。
その理由は、尻尾は脊髄と直結しているため、体の中で一番痛みを感じやすい場所なのです。
猫はすばしっこく脱走してしまうこともありますよね。
そんな時、とっさに尻尾を掴んでしまってはいませんか?
飼い主さんにとってはとっさの行動でも、猫にとってはただ事ではありません。
尻尾を引っ張ったり、掴んだりしないように気を付けましょう。
また、猫は尻尾で感情表現をしますが、ほかにもひげや毛で感情表現をします。
ひげの上がり下がりや毛の逆立ちなどでも、多くの感情が分かるのでよく観察してみてください。
まとめ
猫の尻尾は立毛筋が交感神経により刺激されることで、反射的に膨らみます。
尻尾が膨らむ際の主な感情は、以下の通りです。
・怒り、威嚇
・拒否
・驚いた
・恐怖心
・理解ができない
・興奮状態
・嬉しすぎる
猫が尻尾を膨らませるのは、怒りや威嚇など負の感情のイメージが強いかと思いますが、興奮状態や嬉しい時など、そうとは限らないことがわかりました。
また、猫は尻尾が体の中で一番痛みを感じる器官であることから、触られることを嫌がります。
むやみに掴んだり引っ張らないように気を付けましょう。
猫は尻尾以外にも、ひげや毛など、さまざまな場所で感情を表現しています。
会話はできませんが、飼い主さんが行動を読み取ることで、猫の気持ちを理解できます。