食欲の秋とも言われるように、秋は食欲が増えてたくさん食べてしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし、猫にも食欲の秋は訪れるのでしょうか?
暑い夏に比べて過ごしやすい秋ですが、猫の体にどんな変化をもたらすのか気になりますね。
そこで今回は、猫も秋になると食欲が増えるのか、また秋に食欲不振になる場合に考えられる理由についてご紹介していきます。
愛病の食欲の変化の参考にしてくださいね!
猫も秋になると食欲が増える?
結論から言ってしまえば、猫も秋になると食欲が増えます。
それには様々な理由があり、猫の本能での行動なため、異常なことではありません。
ただし、食べすぎてしまうと猫の肥満にも繋がってしまうため、食事量の調整を行ってあげる必要があります。
ここでは、猫が秋になると食欲が増える理由について見ていきましょう。
冬に備えて食べる
猫は寒い時期が苦手です。
暑さにはある程度順応できても、冬となるとそうはいきません。
秋になると寒い冬を乗り越えるために、猫は本能的に冬支度を始めます。
寒さに耐えられるように毛が生え変わり、たくさん食べることで体内の体脂肪率を増やそうとします。
また、冬になってしまうと獲物を狩ることが難しくなるため、食べられる時に食べておこうと食欲が増えるのです。
夏に低下した体力を取り戻すため
秋になると、猫は夏の暑さで消耗していた体力を取り戻そうと食欲が増えます。
夏場はあまり動いていない猫でも、暑さに順応するために体の中では細胞や臓器が必死に働いています。
暑い夏が過ぎ、過ごしやすくなる秋に体内の働きが落ち着き、体力を取り戻すためにたくさん食べるようになります。
また、秋になると猫の運動量も増えるため、余計にお腹が空いてしまい食欲が増えるのですね。
夏は食欲が落ちていただけなことも
秋になり、猫の食欲が増えたと思っていても、実は通常の食欲に戻っただけ、ということもあります。
夏は暑くて食欲が落ちていた猫が、涼しくなって普通にご飯を食べるようになっただけのことですが、夏の食事量で慣れてしまっていた飼い主にとって、食欲が増えた、と思ってしまうのです。
普段から愛猫の食事量を知っておくことで、食欲が落ちた、食欲が増えた、通常の食欲などの判断ができるため、面倒かもしれませんがしっかり把握しておくようにしましょう。
猫の食事量のサイクルを知っておこう
秋や夏に限らず、1年を通して愛猫の食事量を知っておくことは、病気の早期発見にも繋がります。
猫には食事量が変わるサイクルがあるため、愛猫の食事量の変化を知る上でとても役に経ちます。
ここでは、猫の食事量のサイクルを知っておきましょう。
猫の食事量は4ヶ月周期で変わる
猫は1年を通して食事量に変化がみられます。
季節ごとの4ヶ月周期となっているため、覚えておくといいでしょう。
・春…通常の食事量
・夏…少ない食事量
・秋…通常の食事量
・晩秋・冬…たくさんの食事量
食事量の変化がみられる理由は、まだ完全に明確にはなっていませんが、日照時間や外気温、運動量と体内エネルギー消費量の変化、体内消化率の変化などが関係しているのではないかといわれています。
ですから、春の食事量を知っておけば、秋に愛猫が食べすぎているのか通常なのかの判断をすることができますね。
猫が秋に食欲不振になる場合考えられる理由は?
猫にとっても食欲の秋ですが、秋に食欲不振になる猫もいます。
通常の食事量を知っておくことで、食欲不振状態なのかを判断できる場合もあれば、まったく口にしないために気づくこともあります。
愛猫の食欲不振は飼い主にとって深刻な問題ですので、ここでは猫が秋に食欲不振になる場合に考えられる理由について見ていきましょう。
季節の変わり目で体調不良
夏から秋になる季節の変わり目では、猫が体調を崩しやすい時期です。
秋バテという言葉もあるように、猫の体が気温の変化についていけていません。
秋は朝晩は寒くなることもありますが、日中は夏のような暑さになることもありますし、暑いと思えば涼しい日があったりで、人間でも体調を崩してしまうのですから猫も同様です。
季節の変わり目で体調を崩してしまった猫は、食欲不振、元気がない、嘔吐、下痢といった症状がみられます。
エアコンで温度調整をしたり、脱水にならないように水分を摂らせる工夫をするなど、適切な対処が必要です。
気温の変化で持病の悪化
秋のように気温の変化が激しいと、猫の体温調整能力に負担がかかるだけでなく、夏の暑さで弱っていた胃腸にも負担がかかるため、食欲不振や嘔吐、下痢といったことが引き起こされることがあります。
特に病気を抱えている猫や、子猫、老猫では夏場に体力を消耗しても、秋になったからとすぐに体力を回復することが難しく、気温の変化に順応するための体温調整もしなければいけなくなり、体力を消耗してしまいます。
体力が消耗されると免疫力が低下してしまうため、猫カゼやアレルギーを発症しやすくなるだけでなく、腎臓疾患や持病の悪化にも繋がり、ますます食欲不振となってしまうのです。
秋に愛猫の食欲不振がみられたら、獣医師に相談するようにしましょう。
換毛期
秋には猫の換毛期も訪れますね。
寒さに耐えるために、ふさふさとした被毛が多く生えてきます。 猫は自分の被毛をきれいに整えるためにグルーミングを行いますが、秋のグルーミングには注意が必要です。
換毛期では抜け毛が多くなり、猫が飲み込む毛玉の量も多くなります。
毛は消化されませんから、猫は草などを食べて吐き出す行為を行いますが、多くの毛玉が胃に溜まっていると、食欲不振を引き起こします。
そのまま毛球症となってしまえば、食欲不振、嘔吐、下痢などの症状が出るだけでなく、腹膜炎や腸閉塞になってしまう可能性もあるため、秋はブラッシングをしっかり行うようにしましょう。
発情期(オス猫)
また、秋にはメス猫の発情期に反応して、オス猫の食欲不振がみられることがあります。
オス猫には発情期という決まった期間はありませんが、外で鳴く猫の声やメス猫の気配、メス猫から出ているフェロモンに反応して、男性ホルモンの体内濃度が上昇し、一気に食欲が落ちてしまいます。
自然現象なのでどうすることもできませんが、まったく食べない場合であれば、獣医師の指示で強制餌食が必要となることもあります。
発情期を避けるためには、去勢手術が一番の予防策となります。
秋は猫の食欲に注意しよう!|まとめ
今回は、猫も秋になると食欲が増えるのかについてと、秋に食欲不振になる場合に考えられる理由についてご紹介しました。
猫にとっても秋は過ごしやすい季節ですが、季節の変わり目に体調を崩す猫も少なくありません。
愛猫の食欲が通常なのか、増えているのか、減っているのかを把握して、必要であれば動物病院を受診してくださいね。
また、秋に猫の食欲が増えることで肥満となることもあるため、猫におねだりされるがままにおやつやご飯をあげるのはやめましょう。