愛猫の腎臓に疾患などがあり
療法食を与えているが、なかなか食べてくれずに困っている。
腎臓に疾患を持つ猫は多く、食事の面でお悩みの飼い主さんは少なくないことでしょう。
そんなときには、愛猫の好みの食材を使用した手作りご飯がおすすめです。
しかし、猫に手作りご飯は難しいイメージがありますよね。
この記事では、猫に必要な栄養や簡単手作りご飯のレシピなどをまとめました。
ご飯を手作りするメリット・デメリット
通常は総合栄養食と表記のあるキャットフードを与えていれば、栄養バランスやカロリーなどを考えて作られているため安全です。
しかし、アレルギーや病気などで、やむを得ず手作り食を要したり、愛猫のご飯は自分で作りたいという方もいらっしゃるかと思います。
そこでまずはじめに、手作りご飯のメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット
猫にご飯を手作りするメリットは、飼い主さんが愛猫に合った食材を選べるということです。
食物アレルギーのある猫や、食事制限のある猫に対して、適切な食材を選び与えられます。
また、猫にとって安全な食材を目で見て選ぶべる他、好き嫌いを把握して作れるため嗜好率の高い食事を提供することもできますね。
デメリット
手作りご飯のデメリットは、手間暇がかかることはもちろん、必要な栄養を摂ることが難しいことです。
猫に必要な栄養をバランスよく配合することは、素人では非常に難しいことが難点です。
また、猫は人間と違い食べられないものや、食べ方が違うため手間暇がかかります。
ほかにも、一番動物性タンパク質を必要としますので、新鮮な肉は毎日ストックしておく必要があるため、費用もばかになりません。
猫に必要な栄養
猫に必要な栄養はたんぱく質、脂肪、ビタミン、ミネラル、炭水化物といった5大栄養素で、人間と変わりません。
しかし、人間と異なるのは栄養配分です。
人間が一番多く炭水化物を必要とするのに対し、猫は動物性タンパク質を多く必要とします。
また、猫の体で合成できない必須アミノ酸のタウリン、必須脂肪酸のアラキドン酸、ビタミンA、ナイアシンも猫には必須栄養素です。
猫の栄養は「肉や魚」「穀物」「野菜」の比率が7:2:1になるのが理想です。
総合栄養食と表記のあるキャットフードは、これらの栄養がバランスよく配合されています。
猫のご飯を手作りするには、きちんと栄養バランスや安全な食材選びなどの知識も必要とされます。
猫の1日(成猫平均)に必要な栄養を表にまとめてみました。
是非手作りの際の参考にしてみてください。
タンパク質 | 7.0g |
脂質 | 2.2g |
カルシウム | 0.25g |
塩化ナトリウム | 0.125g |
鉄 | 2.5㎎ |
ビタミンA | 250IU |
ビタミンD | 25IU |
ビタミンE | 2.0IU |
手作りご飯で腎不全の療法食が作れる
腎臓に疾患を持つ猫は、残念なことに少なくありません。
慢性腎不全になると完治することは難しく、いかに進行を食い止めるかが勝負になってきます。
そこで、大切なのが食事です。
猫の療法食の中にも腎臓に良いとされている商品も発売されていますが、好みによって食べてくれない子もいます。
そこで、手作りであればある程度自分で材料を選べるため、猫の好みや体調に合わせた食事を作ることが可能です。
しかし、一概に手作りと言っても療法食は特に栄養や使用する材料に気を配る必要があり、手間暇がかかります。
それでも愛猫のために手作りしたいという方に、腎臓に良い食材を紹介します。
猫ちゃんの手作りご飯におすすめの食材
鶏もも肉 | 腎臓の機能を改善させる効果が期待できるほか、高タンパク低脂質でアミノ酸を含みます。ただし、鶏肉にアレルギーを持っている子には与えないように注意しましょう。 |
白身魚 | タラや鮭がおすすめです。高タンパクで、アレルギーが少ないとされています。与える際は必ず過熱をしてください。 |
大根 | 肝臓機能を改善する効果が期待できます。 |
きゅうり | きゅうりは水分も多く、腎不全時の水分補給に役立ちます。 |
小豆 | 血液の解毒作用や洗浄作用が期待できます。 また、栄養価が高くタンパク源としても役立ちます。 |
亜麻仁油 | 亜麻仁油に含まれる脂肪酸は、腎不全改善に高い効果が期待されます。 さらに含まれるオメガ3脂肪酸などは、血中コレステロールや中性脂肪を下げる働きもあります。 |
腎臓に疾患を持つ猫への手作りご飯には、これらの食材を摂り入れてください。
手作りする際の注意点
手作りご飯を作る際の注意点としては、猫に必要な栄養をしっかり把握し、食材の栄養と照らし合わせてから作ることが必要不可欠です。
また、猫にとって毒性のある食材を把握し、使用しないようにすることも大切です。
例えばネギ類や甲殻類、アボカド、チョコレートなどです。
私たちが普通に食べる食材も、猫にとっては有害なものもあるので注意が必要です。
栄養については、獣医さんなどに相談してみるのもおすすめです。
また、完全な手作りご飯よりも、総合栄養食をベースにトッピングをしてあげる方法もおすすめです。
おすすめの手作りご飯レシピ紹介
ここでは、簡単に作ることのできる手作り猫用ご飯のレシピを紹介します。
是非愛猫へ手作りご飯を作る際の参考にしてみてください。
簡単!ささみ白魚ご飯
こちらは高タンパク低脂質のご飯です。
特別な日のご飯や、タンパク質を必要とする猫におすすめです。
【材料】
- 鶏ささみ:80g
- 白魚:適量
- 卵:2/1
【作り方】
- 1、鶏ささみを一口サイズにカットする
- 2、卵を割ってフライパンで焼く
- 3、白魚を洗う
- 4、お皿に盛り付け完成
いつものドライフードにトッピングご飯
いつも与えているドライフードをベースにしているので、栄養バランスも安心です。
毎日与える際は、過剰摂取にならないようドライフードの量などを調節して与えてください。
食欲がない際にもおすすめです。
【材料】
(2匹分)
- いつも与えているドライフード:適量
- 大根:適量
- 人参:適量
- 白菜の芯:1~2枚分
- かつお節(猫用):3つまみほど
- サツマイモ:3分の1
- いりこなどでとっただし汁:70ml
【作り方】
- 1、サツマイモ、大根、ニンジン、白菜の芯を茹でる
- 2、サツマイモはすりつぶし、ほかの野菜はみじん切りにする
- 3、サツマイモにだし汁40mlを加え、ペースト状にする
- 4、野菜とかつお節、残りのだし汁を混ぜる
- 5、ドライフード、サツマイモペースト、野菜をお皿に盛り付け完成
まとめ
猫の手作りご飯には、それぞれメリットデメリットがあります。
メリットとしては愛猫に合った食材を飼い主さんが選んで作れるため、アレルギー体質や病気がある子の療法食としても活躍します。
デメリットは食材にかかる費用や適切な栄養バランスの配合、手間暇がかかるといった点です。
手作りご飯は難しいため、食欲がなくご飯を食べてくれない際や、特別な日のご飯やおやつに作ってあげるのもおすすめです。
また、栄養バランスの面でも不安がある方は、全てを手作りするのではなく、いつもの総合栄養食に愛猫の好きな食材をトッピングすることで、簡単に栄養満点な手作りご飯を作れますよ。
是非この機会に、手作りご飯に挑戦してみてはいかがでしょうか。