ペットショップで売られているハムスターは、数匹でくっついて眠っている姿が可愛らしいですよね。
しかし、ハムスターの複数飼育は難しいと言われています。
大人になっても複数飼育ができるハムスターはいるのでしょうか。
また、共食いをしないためには、どのようなケージ環境を作ればいいのかも気になります。
この記事では、多頭飼いできるハムスターの種類や多頭飼いの仕方などをまとめました。
基本的にハムスターは単独飼育
ハムスターは単独飼育が基本です。
同じケージ内で多頭飼いをすると、高確率でケンカをし共食いに発展します。
なぜハムスターは多頭飼いができないのでしょう。
それは、野生化のハムスターの習性にあります。
ハムスターは群れを作らず単独で行動する生き物です。
縄張り意識が非常に強く、自分の縄張りに侵入したものは縄張りから出ていくまでしつこく追い回します。
野生化であれば縄張りから出ることで逃げ切ることができますが、ケージ内では逃げ場がないため、共食いに発展します。
ハムスターは肉食動物ではありませんが、動物性タンパク質も必要とするので虫などを食べることがあります。
弱ったハムスターや死んだハムスターは、動物性タンパク質として食べてしまうのです。
ハムスターでメジャーなゴールデンハムスターやジャンガリアンハムスターの多頭飼いは不可能でしょう。
なぜペットショップでは多頭飼いができる?
ペットショップで仲良く身を寄せ合い眠っているのか気になった方も多いのではないでしょうか。
ペットショップで多頭飼いはできているのは、ハムスターがまだ子供だからです。
子供は縄張りを持たないため、ケンカをすることもありません。
しかし、子供のころどれだけ仲が良くても、大人になれば縄張り争いをする敵同士になります。
そのため、多頭飼いをする場合には、1匹につき1ケージが必要になります。
多頭飼いがしやすいロボロフスキーハムスター
ハムスターの中でも、多頭飼いがしやすい種類が存在します。
それは最小のハムスターである「ロボロフスキーハムスター」です。
ロボロフスキーハムスターは、体長7~10cmほどの小型のハムスターです。
警戒心が強く臆病なため、人間には懐きにくいことが特徴です。
ジャンガリアンやゴールデンほどメジャーな種類ではなく、上級者向けともいわれています。
ロボロフスキーハムスターの特徴
ロボロフスキーハムスターは、多頭飼いがしやすい種類です。
人間に懐くことは難しく、観賞用としての飼育がメインになりますが、ハムスター同士が遊んだりくっついて眠る姿を見ることができる唯一の種類です。
多頭飼いをするためのケージ選び
ロボロフスキーハムスターを多頭飼いするためには、どのような飼育環境が必要なのでしょう。
ここでは、多頭飼いを成功させるための飼育環境を紹介します。
広いケージを選ぶ
ロボロフスキーハムスターは、小柄ながら運動量を多く必要とします。
そのため、広めのケージが必要です。
多頭飼いをするならば、さらに広いケージが必要です。
ハムスター用のケージでは、狭すぎるので爬虫類用の水槽などを使用することで十分な広さの環境を作ることができます。
また、ロシア出身のロボロフスキーハムスターはジャンガリアンやゴールデンに比べ暑さに弱く、トイレを覚えないという特徴もあります。
できるだけ通気性の良い環境や、掃除のしやすいケージを選ぶと良いでしょう。
隠れる場所を多くつくる
多頭飼いができるロボロフスキーハムスターと言っても、ケンカをすることはあります。
ケンカを避けるためにも、ハムスターが逃げられる場所や隠れることができる場所をたくさん作ってあげましょう。
敷材はハムスターが潜れるくらい敷き詰め、寝床や潜れるおもちゃなどを多めに設置します。
また、空腹になると共食いのリスクが高まるため、全てのハムスターがお腹いっぱい食べられるようにエサは多めに与えましょう。
多頭飼いの注意点
多頭飼いをするにあたって、いくつか注意点も存在します。
ここでは、ロボロフスキーハムスターを多頭飼いする際の注意点を紹介します。
ケンカをする場合にはケージを分ける
多頭飼いがしやすいといっても、全てのハムスターが問題なく同じケージ内で生活できるとは限りません。
中には相性が悪く、ケンカに発展してしまう場合もあります。
そのような場合は、共食いに発展する前にケージを分ける必要があります。
多頭飼いをする際は、相性が悪く別々のケージでの飼育が必要になる可能性を頭に入れておきましょう。
毎日ハムスターの様子を観察し、ケンカがあった際はすぐに分けられるよう、予備のケージを用意しておきましょう。
オス・メスで飼うとすぐに繁殖する
オスメスのペアで飼育をすると、ハムスターは繁殖力が高いため、高確率で子供が産まれます。
子供が産まれると、手間暇や費用が数倍になります。
ハムスターは一度の出産で多ければ10匹以上産まれます。
ハムスターのオスは特に子供を攻撃したり、母親もうまく飼育をしないと子供を食べてしまうことがあります。
ハムスターは子供であってもオスとメスの見分けが容易にできます。
繁殖を望まないのであれば、多頭飼いをするとしてもオス同士、メス同士で飼育をするようにしてください。
まとめ
ハムスターは単独で行動で、非常に縄張り意識の強い生き物です。
そのため、多頭飼いをすると高確率でケンカをし、共食いに発展します。
ハムスターの中でも体の小さいロボロフスキーハムスターは、人間に懐きにくい反面、多頭飼いがしやすいという特徴もあります。
ロボロフスキーハムスターの多頭飼いには、広いケージと隠れる場所や逃げれる場所をたくさん作ることが重要です。
また、ケンカをした際には別々のケージに移す必要があることや、繁殖を望まないのであれば同性同士で飼育をすることを頭に入れておきましょう。
ハムスターは、基本的に単独で飼育をする生き物です。
安全に多頭飼いをするには、1匹につき1ケージで飼育をすることをおすすめします。