インコを家族としてお迎えしたら、まず乗り越えなくてはならないのが、初めての冬。
暑すぎるのも良くありませんが、インコは寒さに弱い子が多いので、しっかりと温度管理をしてあげないと体調を崩してしまうことがあります。
特に、初めての冬を迎えるまだ未熟な雛のうちは保温は必須です。
そんな雛や幼鳥にとっての初めての冬の乗り越え方、お留守番中の保温方法をご紹介します。
そもそも保温は必要?
本やネットでは様々な情報が飛び交っており、インコに保温は必須!と言う意見も、過保護にするのは良くないので保温は不要!という意見もあり、どちらの情報を信じて良いのか迷っている方もいらっしゃると思います。
実際に、インコ飼育に保温が必要なのでしょうか?
インコ飼育に保温は必須
まず、インコを飼育するにあたって保温グッズを準備しておくことは必要です。
冬の間は常に保温し続けなくてはならない、という訳ではありませんが、初めての冬を迎える幼鳥や、換羽や病気、老齢のために弱っているインコはとにかく保温することが基本だからです。
若く丈夫なインコであれば、ある程度の寒さに耐えることも出来ますが、初めての冬を迎える幼鳥などにはしっかりと保温をしてあげなければ弱ってしまう可能性もあります。
快適に暮らせる温度の見極め方
そもそもインコが過ごしやすい温度がどれくらいか、ご存知ですか?
そして温度と共に大切な、寒がっているとき・暑がっているときの仕草も覚えておきましょう。
寒いとき・暑いときの仕草
インコは寒いときは羽を膨らませ、体温を逃さないようにして保温効果を高めます。
膨らむのに加えて、背中に顔を埋めたり片足を上げたりしてジッと動かないときはかなり寒がっていますのですぐに保温しましょう。
この仕草は寒さだけでなく病気の際にも見られるので注意して下さい。
暑いときは羽を浮かせたり口を開けて呼吸し、体温を逃がそうとします。
この仕草が見られたら、保温を止めたり、涼しい場所に置くなどの対応をしましょう。
保温の必要性や、温度設定はそれぞれのインコに合わせて、様子をよく観察しながら調節してあげて下さい。
成鳥に適切な温度
種類にもよりますが、若くて元気な成鳥は20〜25℃が適温です。
ですが必ずその間をキープしなくてはいけない訳ではありません。
最低でも10℃は下回らないように、インコの様子を見ながら調節しましょう。
多少膨らんでいても、元気に飛び回って食欲もあるならば、焦らずに様子を見ながらの保温で構いません。
あまり過度に保温しすぎると、寒さに弱くなってしまったり、発情や換羽に異常が出る可能性があります。
初めての冬を迎える雛・幼鳥
初めての冬を迎える雛や幼鳥には25〜30℃が適温です。
特にまだ羽の生えそろっていない段階では上手く体温を保つことが出来ないため、成鳥以上に気を付けなければなりません。
雛の間は常に28〜30℃前後を保つようにしましょう。
保温方法
初めての冬を迎えるインコにとって、保温が大切なことは分かりました。
実際にはどのような方法で保温したら良いのでしょうか。
保温電球
周囲の空気を温めてくれる保温電球(ひよこ電球)。
20w・40w・100w…などの種類があり、ワット数が高いほど温度も高くなります。
高めのものがおすすめですが、飼育環境によって選択して下さい。
またデメリットとして、カバーが高温になり火傷をする恐れがあります。
ケージの外に取り付けるか、電球カバーに直接触れられないよう空間を作ったり、周囲を囲うなど取り付け方に工夫が必要です。
パネルヒーター
ケージの外に取り付けるタイプのパネルヒーター。
高温にならないかつ、直接触れることがないので火傷の心配は少ないです。
またパネル型なので場所も取らず、コンパクトに設置することが出来ます。
電球と比べると保温力は低く、周囲の空気を温めるほどの能力はありません。
暑くなりすぎることを防げる反面、近付かないと温かくないためしっかり保温したい場合にはこれ1つでは少し物足りないでしょう。
パネルヒーターは軽い保温、または他の保温器具と組み合わせて使用する補助的なものだということを把握しておきましょう。
カイロ・湯たんぽ
移動時など短時間の保温であればカイロや湯たんぽなども使えます。
ヒーターと違い、時間とともに温度が下がっていくものなので、日常的に使用するのはおすすめしません。
また、注意点としてカイロは酸素を利用して発熱するため密閉されたケージの中で使用すると酸欠の恐れがあります。
必ず空気の通り道を作るようにしましょう。
ダンボールと毛布
ヒーターが必要なほどではない、夜間の保温にはダンボールで囲ったり、更に毛布などを被せるのも保温になります。
保温効果を高めるためにヒーターと併用するのも良いですね。
ただしヒーターとダンボールや毛布が触れないよう十分スペースを取ってください。
また、完全にダンボールで囲うと暗くなってしまうので日中の保温に使うのはおすすめしません。
留守番中の保温
雛や幼鳥を残して外出する時や、しっかりと保温したいときに使える保温効果を高める方法・留守番時の注意点があります。
アクリルケージや保温カバー
冬場、在宅時には他にも暖房器具がついていてお部屋が暖まっていたりしますが、外出時にそれらを切る場合はケージ周囲をカバーして保温効果を高めることをおすすめします。
完全に密閉してしまうと、暑くなりすぎたり酸欠の恐れがあるため隙間を開けておきましょう。
ケージを囲う専用のアクリルケージや保温カバーを使用したり、耐熱効果のあるもので自作しておられる方も多いです。
ビニールカバーは中毒を起こす可能性・ヒーターの熱で溶ける可能性があるので使用する際は、天日干しをしてから使ったり、ヒーターとの空間を確保するなど注意して使用して下さい。
サーモスタット
お留守番の際に注意しなくてはならないのは温度の上げすぎです。
そんな悩みを解決してくれるのが、サーモスタット。
サーモスタットは設定した温度を維持するために、ペットヒーターの電源ON/OFFを切り替えてくれる装置です。
保温不足や温度の上がりすぎを防いでくれます。
必需品ではありませんが、上手に使えばとても便利でおすすめです。
インコの初めての冬を乗り越えるための保温方法まとめ
インコの初めての冬の乗り越え方、保温方法について参考になりましたか?
- 一時的な保温にはカイロや湯たんぽ
- 寒い時期にはケージを囲ったり、ペットヒーターを設置
- しっかり温度を上げたいときにはヒーターとアクリルケージ、ダンボールなどを併用
また、保温器具が故障する可能性も視野に入れて、いくつか備えて置くと安心です。
雛や幼鳥にとって最初の課題となる初めての冬を元気に過ごせる手助けになれば嬉しいです。