ハムスターが動かないで体が冷たくなっていたら、心臓がバクバクと不安に襲われますね。
ハムスターは冬眠するイメージを持つ方も多いですが、ほとんどのハムスターは冬眠を行えません。
ハムスターが亡くなっているのか生きているかの確認を行い、生きていれば命の危機が迫っている状況なので助けてあげる必要があります。
そこで今回は、ハムスターが動かないのは冬眠なのかと、生きているかの確認方法や対策方法をご紹介します。
ハムスターが動かないのは冬眠?
朝起きて、ハムスターの体が小さく丸まり、冷たく固まって動かないなんて姿を見たらびっくりしてしまいますね。
ハムスターは冬眠するイメージが強いですが、冬眠とは自分で体温調整をすることができない変温動物が、冬場の餌がない時期を乗り越えるために行うものです。
ペットのハムスターで冬眠することができるのはゴールデンハムスターだけなので、それ以外のハムスターが冬眠することはありません。
では、ハムスターの体が動かないのは亡くなってしまったかといえば、そうとも限りません。
ハムスターが何らかの体の異変を感じ、疑似冬眠を行っている場合もあるので、適切な対処を行ってあげれば元気を取り戻すことができます。
ここでは、ハムスターの疑似冬眠について見ていきましょう。
ハムスターの疑似冬眠
ハムスターが動かないというのは、疑似冬眠に入っています。
冬眠との大きな違いは、ハムスターが自分で冬眠を解くことができないことや、生死の危機にある状態ということです。
原因としては、
- 急激にハムスターの体温が低下してしまった
- 低体温症
- 栄養不足
が考えられます。
疑似冬眠は、亡くなったあとに起こる死後硬直にとても似ているため、亡くなってしまったと勘違いして生きているのに埋めてしまったり、冬眠してるからそのままにしておこう、なんてハムスターの命を奪ってしまうことだけは避けなければいけません。
もし亡くなっていれば、死後硬直のほかに体液や糞などが出てくるため、ハムスターが動かないだけでなく、しっかり判断する必要があります。
ハムスターが生きているかの確認方法
ハムスターが動かないで小さく丸まっている姿を発見したら、亡くなってしまったのでは?と、焦りや不安が襲ってきます。
しかし、まずは落ち着いて生きているかの確認を行いましょう。
ここでは、ハムスターが生きているかの確認方法をご紹介します。
目を見る
ハムスターの目はしっかり閉じていますか?
ハムスターに限らず、多くの動物は亡くなると半眼や見開いていることがほとんどです。
動物全体の8割~9割は目を閉じることができないため、しっかり目を閉じていれば生きている可能性があります。
亡くなった時に目を閉じない要因は、ハムスターを含むほとんどの動物は目の回りの皮膚にたるみが少ないからです。
手足を動かす
ハムスターの手足を動かすことはできますか?
ハムスターが万が一亡くなっていた場合は、死後硬直で手足を動かすことはできません。
個体差はありますが、ハムスターの死後硬直は亡くなってから10分ほどで始まります。
12時間かけて硬直することもありますが、その後12時間~18時間で徐々に解けて柔らかくなっていきます。
夜見た時は元気だったのに、といった場合では、死後硬直の起こっている最中なので手足を動かすことはできません。
手足を動かすことができる、肌に弾力がある、と言った場合では、生きている可能性が高いです。
ヒゲを見る
ハムスターのヒゲがたまに動いていませんか?
ハムスターが疑似冬眠であれば、ヒゲがわずかに動くことがあります。
よく見ていなければわからない程度ではありますが、たまにピクッと動けば生きています。
体は冷たくなって動かないですが、かすかに生命活動を行っている証です。
呼吸のチェック
ハムスターは呼吸していますか?
通常であれば、ハムスターの呼吸は1分間に100~250回ととても早いですが、亡くなっていればもちろん呼吸は止まっています。
しかし、疑似冬眠であれば1分間に数回の呼吸を感じることができるため、指先を水で少し濡らしてハムスターの口元に当てるか、ティッシュの切れ端を口元に当ててみましょう。
呼吸を感じることができれば、ハムスターは動かないだけで生きていることが確定します。
ハムスターが疑似冬眠している場合の対策方法
ハムスターが生きているかの確認方法は、ほんのわずかな生命反応に気づけるかが重要です。
ハムスターが動かない、体が小さく丸まって固まっているといった状態では、飼い主さんもパニックになっていることから見逃してしまうこともあるでしょう。
ハムスターが生きているのか亡くなっているのかよくわからないのであれば、生きていることに望みをかけて次の対策をとってください。
ここでは、ハムスターが疑似冬眠している場合の対策方法を見ていきましょう。
ゆっくり温めて起こしてあげることが基本
ハムスターが動かない状態は、体温低下によるものです。
命の危機にある状態ですから、かかりつけの動物病院にすぐ連れていくことが対策として1番ですが、動間帯であったり、動物病院まで遠いなどとなれば自宅物病院が開いていない時で助けてあげなければいけません。
1~2時間かけてゆっくりとハムスターの体温を上げていくことが重要です。
手順①室温を上げる
まず、ハムスターが動かない状態は、体を丸めて小さくなっているのか、体を伸ばして動かないのかによって、対策がまったく違ってくるのでしっかり確認してください。
体を伸ばして動かないのであれば、夏バテとなり疑似冬眠ほど生死の危機はありませんので、エアコンをつける、ケージの周りに保冷剤を置くなどの対策で解消されます。
しかし、ハムスターが体を丸めて小さくなって動かないという場合では、疑似冬眠になるため、まずは室温を20℃~26℃に保ちましょう。
また、今後の手順のために、飼い主さん自身の体も温めておく必要があります。
手順②手のひらで30分温める
ハムスターを優しく手のひらで包むように、30分程度温めます。
温めながら定期的に背中を撫でてあげると、体温が上昇しやすくなります。
この時に、ドライヤーやこたつ、電気ストーブなどは絶対に使わないでください。
急激に体温が上がることでハムスターの体に負担がかかり、耐え切れなくて亡くなってしまうこともあるからです。
人肌でゆっくりじっくり温めてくださいね。
温めている最中にハムスターの目が開くこともありますが、まだ油断はできません。
手順③カイロやヒーターで30~60分温める
30分ほど手のひらで温めたら、次はカイロやヒーターを使用して30~60分程度温めます。
ハムスターの体をタオルで包むか、カイロをタオルで包んでください。
直接ハムスターの体が熱に当たらないように注意しましょう。
ハムスターの状態を見ながら時間を調整してください。
ハムスターの疑似冬眠が解けると、目を開けてボーっとしています。
元気がなく、足取りもおぼつかないため転倒しないように注意してあげましょう。
手順④暖かいミルクや糖分を与える
ハムスターの疑似冬眠が解けたら、人肌ほどの温かいミルクや、お湯に蜂蜜や砂糖を溶かしたものを与えてください。
大体35~36度程度が好ましいですが、もう少し低くても問題ありません。
手順⑤見守る・動物病院へ
ハムスターが元気になるまで、時間がかかります。
半日~1日は、ハムスターの様子をよく観察してください。
また、栄養をたくさん摂る必要があるため、常に食べられるものやお水を用意してあげます。
ハムスターが元気になっても、念のため動物病院を受診しておきましょう。
ハムスターが動かない時は慌てず対策方法を|まとめ
今回は、ハムスターが動かない時の、生きているかの確認方法と対策方法についてご紹介しました。
ハムスターの疑似冬眠は命に係わるものなので、飼い主さんの適切な助けが必要です。
疑似冬眠が起こらないためにも、普段から栄養不足にならないように注意してあげたり、室温の管理をしっかり行ってあげることが大切です。
また、ハムスターに対策を行っても4時間以上動かない場合は、亡くなってしまっていることも考えられるため、その時は動物病院で判断してもらい、亡くなっていれば手厚く供養してあげましょう。