犬はなつくけれど、猫はなつかないと言うイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
しかし猫も、飼い主さんに甘えたりとなついてくれる動物なのですが、中には「うちの愛猫は全然なつかない」と、悩んでいる飼い主さんも多いようです。
今回は、猫がなつかない原因や種類などをご紹介していきます。
愛猫がなつかないと悲しんでいる飼い主さんは、ぜひ参考にしてください。
猫がなつかない原因
できれば愛猫が可愛く甘えてきたり、遊んでと誘ってきてくれたり、一緒に寝たりしてみたいですよね。
愛猫がなつかないから嫌いと思う前に、飼い主さん自身にも問題がないか、一緒に振り返ってみましょう。
猫がなつかない原因は、その子の性格以外にもあります。
大きな声や低い声を出す
猫はとても聴覚の優れた動物であり、その聴覚は人間の3倍優れていると言われています。
そのため、大きな声を出されると猫は耳障りに感じ、一緒にいることを嫌がるようになります。
また男性の低い声は、例え可愛がっていても猫にとっては「威嚇されている」と勘違いしてしまう声のトーンのため、怖がって近寄りたくないと感じてしまいます。
猫が好きな声のトーンは、女性のような少し高く囁くトーンがなので、猫なで声とまではいきませんが、男性であっても少し高めの、小さな声で話しかけるようにしてみましょう。
大きな物音を立てる
先ほど解説した通り、聴覚の優れた猫にとって大きな物音は耳障りなだけでなく、ビックリしてしまうため、落ち着いて生活することが出来ません。
そもそも猫は、お年寄りのような動作がゆったりした人を好みます。
大きな物音を立てることで、猫は威圧感や居心地の悪さを感じ、ストレスの原因となります。
その結果、ストレスから体調不良になる可能性もあります。
ドアの開閉音や足音など、何気なく暮らしている中で出る生活音には、特に注意が必要です。
距離感が近い
人間も、人それぞれにパーソナルスペースがあり「これ以上は入り込んで欲しくない」と、感じるスペースがありますよね。
猫も同じように、猫それぞれにパーソナルスペースが4種類あると言われています。
- 個人的距離
特別仲の良い猫や飼い主さんのみが許される距離感 - 社会的距離
個人的距離も少し広く、同居猫や顔見知り程度の人に許される距離感 - 臨海距離
見知らぬ猫や人が立ち入れない距離感。
万が一無理矢理入り込もうとすると、威嚇や攻撃をされる可能性がある - 逃走距離
見知らぬ猫や人が立ち入った時に、逃げ出す距離感
猫はこうした距離感を、とても大事にする生き物です。
元々、猫は自分の慣れ親しんだ世界を大切にするため、むやみに猫のパーソナルスペースに入ろうとせず、まずはその猫の距離感を知ることが大事です。
苦手なニオイがする
猫は聴覚だけでなく嗅覚も優れており、人間と比較すると数十万倍も優れていると言われています。
人にとって、良いニオイだと感じる柔軟剤などの香りも、猫は辛く感じていることがあります。
特にレモンなどの柑橘系の香りや、香水、強い柔軟剤、タバコのニオイが苦手です。
目を見つめる
愛猫が可愛くて、ついつい目を見つめたくなりませんか?
しかし、猫に限らず動物は、目と目が合っている状態は威嚇行動など、喧嘩の前触れです。
人間同士だと好意的に感じる行為のため、飼い主さんは悪意がなくても愛猫からすると「いつも喧嘩腰で嫌だなぁ」と感じているかもしれません。
目と目が少し合うくらいでは問題はありませんが、長時間に渡って愛猫の目を見つめるのはやめましょう。
なつきにくい猫の種類
飼い主さんに原因がある場合もありますが、そもそもなつきにくい猫もいます。
人と同じく猫にも個性があるため、その猫に合わせた対処をすることが一番大切です。
なつかないと悲しい気持ちから、次第になつかない猫なんて嫌いだと思ってしまうこともあるかもしれません。
以下で解説する猫は、一般的になつきにくいと言われているため、もし愛猫の猫種があった場合は、そういう性格なんだなと、受け入れてあげることも必要です。
シャム
綺麗なサファイアブルーの瞳に、ポイントのある被毛が美しいシャムは、元々タイの王宮や王室で飼われてきた猫種です。
とても活発な猫なため、キャットタワーやボール遊び、リードを付けての散歩などを、比較的好む子が多いと言われていますが、反面気が強くワガママなため、気分によって態度が変わり、なつきにくいと言われています。
シャムでも、近年では交配を重ね人懐っこい子が増えていますが、気の強さなどを残している子が多いため、飼い主さんから寄っていくよりも、あえて素っ気ない態度を取る方が、シャムが寄ってきます。
キジトラ
ペットとして飼われている猫は、イエネコと呼ばれますが、そのイエネコの祖先はリビアヤマネコです。
その祖先である、リビアヤマネコの遺伝子が強いと言われているのがキジトラであり、大昔の日本にはキジトラ柄の猫しか存在しませんでした。
そうした祖先の遺伝子を色濃く受け継いでいるキジトラは、なつきにくい猫と言われています。
中には人懐っこく、甘えん坊のキジトラもいますが多くは、警戒心が強く甘えてもらえるようになるまで、長期間かかることがほとんどです。
なつきにくい猫の性格
一般的にはなつきやすいと言われている猫種でも、中々なつかない子もいます。
主に人が交配を繰り返し作られた猫種は、人になつきやすい傾向がありますが、純血種の猫やキジトラのように、野生で暮らしていたルーツを持つ猫の遺伝子が強いと、警戒心が強くなつかない事が多いです。
そういった子全てが、飼い主さんのことを嫌いだと思っているわけではありません。
本当は甘えたい気分だけれど、どう甘えて良いのか分からない場合や、独立心が強いために、甘える行動を取ること自体好まない子もいます。
猫に好かれるには
個性や、性格が原因でなつかない子を、無理矢理抱っこしたり、長時間拘束することはストレスを感じ、さらになつきにくくなってしまいます。
何事も慣れるまでには時間がかかりますが、以下で解説する方法で愛猫も少しずつ、なついてくれるかもしれません。
無関心なフリをする
上記でも解説した通り、無理に抱っこしたり、長時間拘束される事を猫は好みません。
そのため、逆に愛猫に「興味はありません」と言った態度を取った方が、飼い主さんに興味を抱いてくれる傾向にあります。
こちらから何もせず、知らないふりをしていることで猫は「この人は危害を加えてこない人だ」と認識します。
こうした安心感を少しずつ愛猫に感じてもらうことで、愛猫から寄ってきてくれることがあります。
ご飯やおやつをあげる
どんなにクールな態度の猫でも、大好きなおやつや空腹には抗えません。
飼い主さんの手から少しずつ、愛猫の好物を与えることで「嬉しいことをしてくれる人」「この手は嫌なことをしない」と理解し、触れられることを少しずつ許してくれます。
しかし、ご飯やおやつを与えすぎて肥満にならないように注意してください。
ペースを合わせる
猫は犬に比べて自分の世界をとても大切にする動物です。
猫が気乗りしない時は、無視をして聞こえていないふりをすることがありますが、例えば飼い主さんが移動する前まで居た所に寝ていたり、飼い主さんが少し困るようなことをする時は、愛猫からの「かまってほしい」というサインです。
出来ればそういった時に、少しずつ遊んであげたり愛猫に構う時間を作ってみてください。
猫の意志や世界を尊重し、合わせてあげることで猫は飼い主さんに気を許してくれます。
まとめ
猫はなつかないと言うイメージが未だに強いですが、猫も甘えてくる時はあります。
特にこれまで猫を飼った経験のある人が、新たに家族を迎えた時に、甘えたり、なついてくれない猫だと、悲しい気持ちになりますよね。
しかし、嫌いにならないでください。
愛猫の性格であったり、飼い主さんの行動に困っていたり、何らかの理由や原因があることがほとんどです。
また猫は、急な環境の変化がとても苦手なため、何事もスローペースで愛猫のペースに合わせてじっくりと仲を深めることが一番の秘訣です。