意外と知られていないのですが、人間と同じように猫もおならをします。
大きな音が鳴らないためあまり気づかないかもしれませんが、よく観察をしていると空気が抜けたような音と共に、おなら独特のあの臭いニオイがすることもあります。
しかしおならをするだけならば、ただの生理現象で済みますが、あまりにも多い場合は注意が必要です。
猫はそもそもなぜおならをするのでしょう?そしておならが多くなる原因とは?
猫がおならをする理由
猫のおならが多くなる原因を知る前に、まずは猫がおならをする原因から知りましょう。
おならをするとは言っても、大きい音が鳴ることは少ないため、猫飼いでもおならをしている瞬間を目撃したことがなく、むしろ「猫はおならをしない」と、思っている方も多いようです。
しかし、健康な猫であるならば必ずおならをしているはずです。
おしりの近くにいるとき、突然臭いニオイを感じたことはありませんか?
そのニオイの正体こそ、おならかもしれませんよ。
おならの原因は消化の際に発生するガス
まず安心していただきたいのが、猫がおならをするのは正常なことであり、どんな猫でも発生する当たり前の生理現象だということです。
ではなぜおならが出るのか?
その原因は食べ物を消化する過程にあります。
腸で繊維質や食べ物のカスを分解する際に発生するガス、このガスを体外に排出する行為こそがおならなのです。
このガスは肉類を消化する際によく発生しますので、完全肉食動物である猫は頻繁におならをする傾向があるのです。
あまりにも頻繁におならをするのは注意
猫はおならを頻繁にするとは言っても、あまりにも多い場合やいつもよりも臭い場合、おなら以外に何らかの症状がある場合は注意が必要です。
おならは生理現象であるのと同時に、健康のバロメーターでもあるのです。
いつもと違うと感じるおならをした場合は、その原因が何かを考えるようにしましょう。
たかがおならと思ってはいけません。
どのような病気でも、その兆候というのはとても小さな変化である可能性が高いです。
飼い猫の健康を守るためにも、おならが多くなる原因をしっかりと知っておきましょう。
おならが多くなる原因
おならが多くなる原因は、病気や生活環境の悪化などなど、さまざまなものが考えられます。
おならがいつもよりも多い気がする、おならがいつもよりも臭いような気がする、そんな時にぜひ気をつけていただきたい、なぜおならが多くなるのかという原因をまとめました。
ぜひチェックしてください。
腸閉塞症
おならは多いけれど、ごく短く少量しか出ていない場合は、ガスが消化管の何処かで詰まってしまう腸閉塞を起こしている可能性があります。
腸閉塞は、消化管が何らかの理由で塞がってしまうことで発生します。
原因はさまざまなものがあり、誤飲、腸捻転、胃潰瘍など、中には一刻を争うほどの緊急性を要する病気や、放置していると死に至る危険もある病気もあります。
腸閉塞症はおならが多くなる症状のほかにも、目で見てわかるほどお腹が張るという症状もあります。
おならが多いと感じたら、まずはお腹の張りをチェックしてみましょう。
慢性小腸性下痢
小腸に何らかの異常が発生することで、大量の水様便が出る下痢のときもおならが多くなる傾向にあります。
おならが多くなるのと同時に、便の回数が多くなる、食欲不振になる、脱水症状を起こしぐったりとなるという場合もあります。
また、慢性的に下痢をすることで食べても食べても体重が減少するという症状が発生することもあります。
慢性小腸性下痢の原因はさまざまなものがあります。
あまりにも長引いてしまうと、徐々に衰弱をし気がついたときには取り返しのつかないことになっていた!なんて事態も発生するかもしれません。
ぜひ、おならと同時に下痢も頻繁に見られるならば早めに獣医師に相談をしましょう。
膵臓分泌不全症
消化吸収を行う際に、消化酵素を分泌する重要な器官である膵臓に何らかの原因で正常に機能しなくなったときも、おならが多くなります。
またおならのニオイもきつくなりやすく、同時に下痢が発生することも。
膵臓はホルモンバランスを調節する重要な器官でもありますので、症状が見られたら早めに対処をすることが何よりも大切になります。
ストレス
意外なものが、ストレスが原因となっている場合です。
猫はとてもストレスに弱い動物で、精神的なストレスによって体にさまざまな悪影響を及ぼします。
その1つに腸の活動が低下するというものがあります。腸の活動が低下すると、おならが多くなるだけではなく嘔吐や下痢といった症状が発生する場合も。
猫の健康を守るためにも、ストレスフリーな生活環境を用意してあげましょう。
猫のおならが多いと感じたときの対処法
飼い猫のおならが多いと感じたとき、またはおならの臭いがきついと感じたとき、どのような対処法を取ればよいのでしょうか?
いざというときの対処法をいくつかご紹介しましょう。
動物病院へ連れていく
おならの多い少ないに限らず、何らかの異常を感じたならば動物病院へ連れていくようにしましょう。
「この程度に獣医師に相談するのは大げさなのでは?」「おならの回数が多いくらいで相談をしては迷惑になるのでは?」と、考える方もいらっしゃるでしょうが、前述したようにおならは健康のバロメーターでもあります。
少しでもおかしいと感じたのであれば、念のために獣医師に相談をするようにしましょう。
食事を変える
おならの回数が多いけれど、特に病気が見つからない場合は、もしかしたら腸内環境が悪化していることが原因かもしれません。
食生活の乱れやストレスによる腸活動の低下によって、悪玉菌が大量発生し臭いガスを作り出しているのかもしれません。
また、腸内環境が悪化してしまうと便秘を起こしてしまう可能性もあります。
腸内環境を整えるために、大変効果的なのが食事の見直しです。
おならを多く発生させる動物性タンパク質の量を調整したり、食事量を見直してあげるだけで腸内環境が整いますので、この機会に食事の適正量をチェックしてはいかがでしょうか?
ストレスフリーな生活
おならの回数が多いという場合に見直していただきたいのが、ストレスが溜まるような生活を送らせていないかという点です。
猫は大変デリケートな動物であり、思いもよらないところでストレスを感じてしまいます。
静かに過ごせない生活環境、清潔感のないお部屋、手入れのされていない寝床、掃除がされていないトイレなど、意外なところでストレスを感じてしまいます。
ストレスが直接病気の原因となることは少ないですが、ストレスによって何らかの支障をきたした結果、大きな病気につながる可能性はありますので、普段からストレスフリーな環境を用意してあげましょう。
猫のおならの音がしない理由
猫もおならをするということ、なぜおならが多くなるのか、といことはわかっていただけたでしょう。
しかし、猫がおならをしているところを見かけたことがないという方も多いでしょう。
それもそのはずです。猫は野生の本能が色濃く残っている動物です。
もし、野生の世界で大きな音を立てておならをしてしまったら、天敵に見つかってしまいますよね。
また狩りの途中で大きな音を立てておならをしてしまったら、せっかくの獲物を逃がしてしまう可能性があります。
このような理由から、猫は音を立てずにおならをしなくなったと言われています。
しかし、音は消せたとしても臭いニオイは隠せていないので、結局相手に見つかってしまうのだとか。
そのツメの甘さも猫らしいですね。
猫のおならが多いと感じたら原因を突き止めよう
猫はおならをするのが普通ではありますが、なぜかいつもよりも多い場合や、ニオイがきつくなる場合、さらにはおならと同時に下痢や嘔吐が見られる場合は、なんらかの原因が隠れているはずです。
おならを全くしなくなるのも問題ですが、おならの回数が多くなりすぎるのも問題です。
飼い猫のおならに違和感を覚えたら、健康状態に問題はないか早めにチェックをするようにしましょう。
その念のためのチェックが、飼い猫の命を救うことにつながるのですよ。